オープンワールド海戦ゲーム『Skull & Bones』、4度目の発売延期。Ubisoft肝いりの海洋ゲームはいまだ来らず
Ubisoftは5月11日に2020-2021会計年度業績を報告。その中で、オープンワールド海戦ゲーム『Skull & Bones』の発売を延期すると発表した。同作のリリースは、2022年4月〜2023年3月の次会計年度にもち越されるという。『Skull & Bones』の初出は2017年のE3での発表で、当初は2018年の発売を予定。しかしその後は延期が重なり、2019年、2020年中頃、2021年中と後ろ倒しに。今回の発表により、4度目の延期を迎えることとなった。
投資家向けの収支報告にて、チーフ・ファイナンシャルオフィサーのFrédérick Duguet氏が本件についてコメント。 Duguet氏らは、開発チームのクリエイティブなビジョンに強い信頼を寄せており、チームにはますます野心的な権限を作品のために与えているとした。開発を担うUbisoft Singaporeによる制作は過去12か月で良好に進行しており、これまで以上に有望な作品になってきているという。延期により与えられた時間によって、開発チームはより良くビジョンを作品に反映できるだろうとしている。
加えて Ubisoft CEOのYves Guillemot氏は、同スタジオが『アサシン クリード』シリーズ制作にて大きな役割を果たしてきたことも強調。プロジェクトにおいてUbisoft Singaporeを支える共同スタジオの数を増やしていることにも言及し、今後の開発はよりスムーズに進むであろうと示唆した。
本作の開発を手がけるUbisoft Singaporeは『アサシン クリード』シリーズにて、海戦要素の開発に深く携わってきたスタジオだ。同シリーズの海戦をスタンドアローン作品として発展させたのが『Skull & Bones』。オープンワールドゲームとして制作されており、1700年前後のインド洋を舞台とし、アフリカからの貴重な物資を積んだ貿易船が行き交う大洋を、海賊船長として生きていく物語となっている。
昨年9月の時点では、クリエイティブディレクターのElisabeth Pellen氏が公式ブログにてコメント。『Skull & Bones』がより大きなプロジェクトになっているとし、そうした野心を達成するためには必然的に大きな困難にも直面しているとコメントしていた。クラシックな海賊ファンタジーものをいかに現代的に表現するか、本能的かつ没入できる体験をいかに作りだすか、クールで記憶に残るゲーム内の体験をいかに生み出すか、という問いを追求するうち、より多くの時間が必要になったという。
Ubisoftは今会計年度において、『ファークライ6』『Rainbow Six Quarantine』『Riders Republic』『The Division Heartland』『Roller Champions』などのリリースを予定している。このうち『ファークライ6』『Rainbow Six Quarantine』については昨年10月、2021年〜2022年の会計年度での発売が予告されていたもの(関連記事)。新型コロナウイルスの影響を受けて延期を挟んだ両作だったものの、現在の見通しとしては予定どおり今会計年度中の発売を迎えられるようだ。