車窓3Dアドベンチャー『最涯の列車 時の終わり。大地の始まり。』Steamにて6月4日配信へ。静かで贅沢な列車の旅

国内の個人開発者である畳部屋氏は『最涯の列車 時の終わり。大地の始まり。』を6月4日に配信開始すると発表した。『最涯の列車 時の終わり。大地の始まり。』は、本の断片を手がかりにある人物の生涯を追う、3Dアドベンチャーゲームである。

国内の個人開発者である畳部屋氏は『最涯(さいはて)の列車 時の終わり。大地の始まり。』を6月4日に配信開始すると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、価格は1980円。発表にあわせて、告知トレイラーも公開されている。
 

 
『最涯の列車 時の終わり。大地の始まり。』は、本の断片を手がかりにある人物の生涯を追う、3Dアドベンチャーゲームである。本作の舞台は、列車の中。列車は、あの世とこの世の間にあるといわれる草原「虚ろ野」を走りつづけている。古風な車内で目を覚ました主人公は、列車から脱出し、世界に秩序を取り戻すために手がかりを探すことに。廃帝ロクセラーナと呼ばれる少女の人生を追い、世界を崩壊へ導いた魔器「ネブラの天文盤」の使用された時期と場所を特定していく。
 

 

 
主人公が見つけたメモによると、列車内にはメモを記した人物の著作が断片的に散らばっているという。プレイヤーは列車内を探索し、世界を崩壊へ導いたとされるロクセラーナに関する手がかりを発見していく。パズルや謎を解き、ヒントを元に彼女の人生の節目となった年月を車内の扉に入力すると、次の車両への扉が開かれ、探索可能な範囲が広がっていく。そうした中で、本作の物語も展開されていくのだろう。

また、主人公の乗車した列車は虚ろ野を走り続けている。本作では果てのない虚ろ野の光景はプロシージャル生成で表現されているという。自動生成技術でランダムな景色を作り出し、天候や時間も移り変わることで、車窓から見える寂寥とした景色は変化し続けていくのだ。そのほか、本作にはフリーモードも搭載されている。細かなインタラクションも用意されており、自由に列車の中を歩き回ったり、好きな座席に座って車窓を眺めたり、青空文庫の作品を読んだりといった行動も可能。生成された景色も合わさって、車窓を眺めているだけで何十分も過ごせる、静かな旅のような気分が味わえるそうだ。
 

 
本作を開発しているのは、環境アーティストの畳部屋氏である。同氏は、これまでに国内外の大規模なゲーム作品で背景モデリングを担当。前作『NOSTALGIC TRAIN』では、誰もいない日本の夏の田舎町を風情ある美麗な3Dアートによって表現し、第22回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品にも選出されている。本作においても、列車内の光景や旅情の演出に手腕が発揮されていることだろう。
 

 
『最涯(さいはて)の列車 時の終わり。大地の始まり。』は、Steamにて1980円で6月4日に配信開始予定だ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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