『Destiny 2』今後の武器バランス変更計画発表。人気武器の弱体化予告でにわかに色めきだつPvPコミュニティ
無料オンラインFPS『Destiny 2』の開発元Bungieは4月8日、開発状況などをプレイヤーに伝える「今週のBUNGIE」にて、今後の武器バランス変更計画を発表した。計画には、PvP(対人戦)モードで特に圧倒的な人気を誇っている特定武器カテゴリーとパーク(武器の特性)の弱体化が含まれており、対人戦を好むプレイヤーたちの話題にあがっている。
『Destiny 2』はPvE(協力プレイ)を中心としたMMO要素と、Bungieが過去に手がけた『Halo』シリーズのような本格的PvPモードを両立しているのが特徴だ。約700種類の武器がゲーム内に存在し、PvP向けのバランス調整も容易ではない。
そのため、PvPモードにおいては、比較的優秀な特定カテゴリーの武器に人気が集中しやすいという背景がある。実際に記事執筆時点でのランクマッチの武器使用率を見てみると、上位5位を今回弱体化予告された武器がしめており、全体使用率の約39%となっている(Destiny Tracker)。
120RPMハンドキャノンと2種類のショットガンに焦点
今回のバランス調整計画で特に反響を集めているのは「好戦的なフレーム」というカテゴリーの拳銃、通称「120RPMハンドキャノン」全般への弱体化。そして、強力なショットガン2種類に付与されていたパーク「クイックドロー」が別のパークに置換、そしてパーク自体も弱体化される予定があるという発表だ。
クイックドローはPvPモードにおいて人気のパークで、そのパークを持つ武器への切り替えが素早くなるほか、ADS(照準覗き)速度など、武器の取り回し全体が劇的に良くなる効果がある。そのため、近距離では一撃必殺の威力を持つショットガンとこのパークは相性が良く、多くのプレイヤーに愛用されている。
そして「フェルウィンターの嘘」と「アストラル・ホライズン(星の境界線)」は、ショットガンの中でも敵を一撃で倒せる距離が長いことで人気の武器。今回の発表ではこの2種類のショットガンに限定して、クイックドローをよりマイルドな効果のパーク「サープラス」に変更するという予告がなされている。これはプレイヤーが現在保有している同武器にも適用されるようだ。強力すぎる組み合わせを緩和する狙いがあると思われる。クイックドロー自体にも、発動後1秒経過する、またはADSをすることで取り回しを向上する効果が消える調整が入る予定。
120RPMハンドキャノンについてはDLC「光の超越」の導入とともに大きく強化をうけて以降、対人戦において猛威をふるっており、そのすぐれた威力と射程距離が強みだ。今回の発表では射程距離の弱体化が予告されている。
『Destiny2』の武器にはそれぞれ射程距離が設定されており、これは武器があたえるダメージの距離減衰以外にも、対人戦においてとくに重視される武器性能である「照準補正」にからんでくる。これはコントローラー使用時において、標的への照準を助けてくれるエイムアシスト機能がどれくらい働くかの目安となる数値だ。
実は、この照準補正は、PC版でマウスとキーボードを使ってプレイしているユーザーにも無関係ではない。マウスを使っている場合でも、有効射程内ではこの「照準補正」に応じて、照準が少し標的からずれていても弾が当たるようになっている。標的のヒットボックス(当たり判定)が実際の描画よりも大きくなるようなイメージだ。
そのため、予定されている射程距離の調整がなされればダメージの距離減衰と照準補正、ふたつの面でインパクトを受けることになり、武器バランスにあたえる影響も大きい。現状における120RPMハンドキャノンの突出した性能をやわらげて、武器の選択肢を広げようという意図がうかがえる。
今回の開発元記事ではほかにも、人気武器「バスティオン」の弱体化、PvEにおいて強力過ぎた一部の剣やパークの性能調整、4月末にさらなる武器バランス調整が発表予定であることが伝えられている。それ以外にBungieはシェーダーシステム変更にともない廃止になる所持品を素材に変換するよう推奨しているほか、チャリティー運動「Kilts for Kids」への参加を呼びかけている。詳しくは「今週のBUNGIE」を参照してほしい。
なお、今回の発表をうけて海外掲示板Redditの『Destiny 2』対人戦コミュニティでは、バランス調整についてのスレッドが立てられている。「クイックドローの調整によってスナイパーライフルが大きな影響をうける事になるのでは」と懸念する投稿が反応をあつめているほか、PvPで根強い人気をもつものの、使用率はメタ武器と比較して低いショットガン「デュアリティ」「シャペロン」の名前をあげ、「愛用者たちよ立ち上がれ!」と冗談交じりに新しいメタの到来を期待する声もあげられている。
『Destiny 2』はPvP/PvE両方に力が注がれているやや珍しい作品で、アイテム収集などRPG的要素も多い。そのためPvPを専門に遊ぶひともいれば、仲間と一緒に高難度レイドなどPvEコンテンツを中心に楽しむひともいる。ファッションに精を出すひとなど、さまざまな層のプレイヤーが存在している。そういった、多彩なプレイヤーの期待に応えなければいけない本作の武器バランス調整は、一筋縄にはいかないようだ。今後行われる調整にも注目したい。