『Apex Legends』勝率トップ5レジェンドを開発者が発表。レイスを超えたあの人は、「弱体後さらに強くなった」

『Apex Legends』開発者が、現在のレジェンドにおける「勝率トップ5」を明かした。海外掲示板『Apex Legends』板における議論流れで情報が飛び出したかたちだ。

『Apex Legends』開発者が、現在のレジェンドにおける「勝率トップ5」を明かした。海外掲示板Redditでは先日より「ワットソンのリワーク案」にまつわる議論が盛んとなっており、その流れで情報が飛び出したかたちだ。 

そもそもの話の流れとしては、ゲームデザイナーのDaniel Zenon Klein氏がワットソン強化の難しさを説明したことが発端だ(関連記事)。コミュニティでたびたび指摘されているとおり、彼女のピック率は非常に少ない。ただし「使っている人がいない」ことは性能の良し悪しには直結しないという。むしろ、数少ないワットソンユーザーの勝率は高いというデータが明らかになっている。全レジェンドのうちワットソンの勝率の高さは第5位。そして同時に、1〜4位のランカーも発表された。以前からRespawn Entertainmentはキャラクターごとの勝率・ピック率を集積していることを公言しており、今回もその数値が計上されたと思われる。また後述のコメントで1月6日のパッチによる変動に触れていることから、年が明けて直近の時期に算出したデータを用いているようだ。 
 

 
第4位はライフライン。以前、ピック率トップ5でも顔を見せたライフラインがこちらでも健闘を見せた(関連記事)。回復メインの役割だけあって、生存率が高いことが一因だろうか。サポート面で役立つ能力ゆえ初心者にも選ばれやすい印象があるが、実は使いこなすには上級テクニックが必要とされる。パッシブの「小柄」により打たれ弱く、逃げに使える能力もないため確実に射線を切る立ち回りが必須。まだアルティメットアビリティのケアパッケージは、最近大幅に性能アップしたローバのブラックマーケットに品揃えで負けるとして見劣りしているのが現状だ。ライフラインで役立つには、まず自分自身が生き残ることが必須条件。そんなプレッシャーが彼女の勝率を底上げしているのかもしれない。 

第3位はジブラルタルで、本作屈指のタフガイがランクインした。やはり決め手はトップクラスの防御力だろう。生身でもフルヒットのマスティフを耐える耐久性で、ADS時のガンシールドを組み合わせれば生存率はさらに高まる。加えてオリンパスという新マップも追い風になっているようだ。開けた土地が多く各方面から撃たれるおそれのある地形では、プロテクトドームで全方向をカバーできる防御力が非常に輝く模様。またトライデントに乗る際は補助席にいるときのみドームを展開でき、安全に移動できるようになる。味方が搭乗時はジブファーストで、運転を代わってあげるといいだろう。 
 

 
惜しくも第2位となったのがレイス。以前からぶっちぎりのピック率を誇る彼女だが、勝率でもトップクラスはキープしているようだ。ところで彼女を取り巻くユーザーの感情は複雑なもの。なまじ「強キャラ」とされているだけに責任を感じ、自分から挙手してピックするにはなかなかプレッシャーを感じてしまう人もいるのではないだろうか。現状では、安定した勝率を取れる上級ユーザーがレイス使用の大半を占めているのかもしれない。クールで忍者で、次元走者な彼女は誰にとっても魅力的。気負わず広いレベルのユーザーに愛されてほしいところだ。 

では絶対王者レイスに勝り第1位となったレジェンドは誰か。結果としては、ホライゾンが堂々のトップとなった。シーズン7にて初登場ながら、リリース時以来の人気を長期的に維持している異例の存在。ちょうどホライゾンの登場直前、新規追加キャラの性能はあえて“抑えめ”にしてある理由が語られていた(関連記事)。しかしこの方針に反してホライゾンは堂々たる勝率をキープし続けているわけだ。確かに、グラビティリフトを使って上空で高速移動する「空中レレレ撃ち」のテクニックはかなり凶悪。今やオリンパスは“ホライゾン専用マップ”とも揶揄され、さまざまな面でその強さが語られている。 

もちろん開発も、ふわ着ママの無双を放置しているわけではない。先日のパッチではホライゾンとの均衡をとるため相対的にランパートが強化、追ってホライゾン自身も弱体化の手が入り、戦術アビリティのクールダウンが16秒から21秒に延長されている。ところが、このホライゾンのナーフについて驚くべき事実が明かされている。弱体化のパッチを当てて以降、ホライゾンの勝率はさらに高くなったというのだ。これには調整を担当するKlein氏も困り顔の様子。 
 

 
あるユーザーからは、ホライゾンの戦術アビリティが「パスファインダーと同じパターン」になるのではないかと危惧している。かのロボットといえば、グラップルのCTが15→35秒に大幅延長されたり、あるいはCT変動制になったかと思いきやヒットボックス増大で大幅に撃たれ弱くなったり、何かと波乱の調整に巻き込まれて来たレジェンドだ。この声に対してKlein氏は、「もう絶対にあんなことはしたくない」ぼやく。勝率向上の原因のひとつとしては、戦術ナーフ後にホライゾンの人口が下がったことが挙げられる。以前のピック率は15.4%で第2位だったが、調整後はやや下がって13.5%の第3位に。ユーザーがふるいにかけられ、弱体化してもホライゾンを使いこなせるプレイヤーだけが残ったという見方もできるかもしれない。 

もうひとつ大きな原因と目されているのが、やはりグラビティリフトの高性能さだ。グラビティリフトで反重力を発生させ、浮かび上がることで緊急脱出が容易にできる。おまけに厄介なのが、上昇した状態でも安定して行動が可能だということだ。最高高度まで達すればフワフワした揺れはなくなり、浮かんだままバッテリーを使用可能。おまけに左右の動きを地上より素早くできるという恐ろしい仕様のため、上空から一方的に撃ち下ろす「空中レレレ撃ち」が凶悪なテクとして猛威を振るっている。これらの課題に対し開発チームは、戦術アビリティ使用中の移動速度や、上空でしゃがんだときの挙動について調整を検討しているそうだ。一方、先ほど挙げたパスファインダーの例に触れ「ヒットボックス増大がキャラクターの楽しさを損わずに性能をコントロールできるなら、そこに手を入れるのもやぶさかではない」とのコメントも残している。 
 

 
ちなみにパスファインダーのヒットボックスの話が出た流れで、もうひとりのロボット・レヴナントも俎上に上がった。ユーザーから出た意見は、「パスの逆をレヴナントでも試してみない?」というものもともとレヴナントは“嫌われすぎるから”という理由でバフをお預けされていたレジェンド(関連記事)。それなら、当たり判定を拡大したパスファインダーとは逆に、レヴナントのヒットボックスを小さくするのはどうか。この提案にはKlein氏もかなり乗り気で、「水曜日の会議で取り上げる」とまで述べている。 

今回勝率1位を獲得したホライゾン。アルティメットアビリティのブラックホールはいわゆるCC(Crowd Control、群衆操作/行動妨害など)と呼ばれるタイプの能力だ。ガンプレイを旨とする『Apex Legends』へ導入するにあっては、かなり細かな調整を必要としたという。一方で、今度は戦術アビリティの圧倒力が脚光を浴びた彼女。今回の発表がもたらした議論が、先の調整に新たな光を当てるかもしれない。 

Yuki Kurosawa
Yuki Kurosawa

生存力の低いのらくら雰囲気系ゲーマーです。熾烈なスコアアタックや撃ち合いを競う作品でも、そのキャラが今朝なに食ってきたかが気になります。

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