「『Apex Legends』の“ぶっ壊れキャラ”は誰だ」論議が注目浴びる。レジェンドの悪口全員いえるかな
『Apex Legends』のバランス調整にまつわる議論を風刺した投稿が話題となっている。「壊れキャラ」とは揶揄の一種だ。あまりにも火力が高かったり、使い勝手が良すぎたりすると、そのキャラクターは“バランスがぶっ壊れたキャラ”として批判の対象となる。調整にまつわる議論でしばしば引き合いに出され、「○○は壊れキャラだから改善してほしい」といった具合に主張がまかり通るのだ。英語圏では「OP(Overpowered)」とも称され、やはり嫌われる筆頭となる。では、現在の『Apex Legends』における壊れキャラとはいったい誰だろう。さまざまに飛び交う主張に興味をもったユーザーが、各レジェンドについての“ぶっ壊れ主張”をまとめている。はたして、バランスブレイカーの真犯人は見つかるのだろうか。
レイス:ヒットボックス小さすぎ、戦術アビリティが最終リングで強すぎ
ジブラルタル:ガンシールドが強すぎ、アルティメットも強すぎ
コースティック:篭城が強すぎ、ガス許さん
ワットソン:篭城が強すぎ、フェンス許さん
オクタン:逃げ足早すぎ
ライフライン:パッシブ強すぎ
ブラッドハウンド:ウォールハック
パスファインダー:逃げ足早すぎ
ミラージュ:ホログラム多すぎ、透明蘇生強すぎ
クリプト:全部ぶっ壊される、シールド減らされる、実質ウォールハック、蘇生早すぎ
ローバ:全部盗まれる、シールド強化早すぎ
レヴナント:1チーム2回倒さないといけないんですけど!?
ホライゾン:戦術アビリティが早すぎ、アルティメットが強すぎ
全15名中、13名が“ぶっ壊れている”という結果になってしまった。それぞれのレジェンドに対しては一家言ある人もいようが、重要なのは、“壊れキャラ”として称される数があまりにも多すぎるということだ。ここから導き出される回答は『Apex Legends』の環境が完全に崩壊しているという事実……ではなく、結局のところ「○○は壊れキャラ」という言説がいかに乱立し、根拠薄弱であるかという戒めである。投稿者は例として、各レジェンドの弱点をひとつひとつあげつらっている。レイスは戦術が遅すぎるし、ポータルは状況が限られすぎるし、どちらのアビリティも攻め手に欠ける。クリプトはドローンを出すのが遅すぎるし、ドローンなしでは何もできない。ランパートは、そもそも使い物にならない。云々。
つまり、本投稿はバランスが崩壊していることを訴える“のではなく”、過剰な主張でバランスの良し悪しを語るユーザーを痛烈に皮肉っているわけだ。開発者もこのスレッドに反応。興味深い情報も添えられている。「レジェンドに絶対的な強弱の差はない」という事実の証左として、各国における競技シーンでは地域ごとにレジェンドのピック率が異なるのだという。たとえば直近の公式試合ALGSを見てみよう。ヨーロッパ圏ではコースティックが30%のピック率を誇るのに対し、北米では5%にも満たないのだという。
一方、北米ではブラッドハウンドの使用率が60%以上にも伸びているのに比べ、ヨーロッパ圏では30%程度だった。またアジア太平洋は夏季の間レヴナントのピック率が90%近くにまで上昇。ただし最近では、欧州・北米勢と同程度にまで落ち着いているとのこと。一連のピック率のかたよりは、各エリアのプロプレイヤーから受け取る「○○は強すぎる」というクレームを綺麗に反映しているのだとか。情報を提供した開発者によれば、各地域におけるLAN速度の格差が異なる“強キャラ”を生み出しているのではないかと推測されている。改めて、レジェンドの性能の優劣を一概に語ることの難しさを感じさせるデータだといえそうだ。
ちなみに元となるスレッドは英語ながら、“ぶっ壊れ武器”についても議論されている。はたして真の壊れ武器はボルトかR-99か。各人、嫌いな武器を心に思い浮かべて覗いてみてはいかがだろうか。