中国批判により幻の作品となっていたホラーゲーム『還願 Devotion』ついに復活。GOGにて12月18日より再販へ【UPDATE】
台湾のゲームスタジオRed Candle Gamesは本日12月16日、『還願 Devotion(以下、還願)』を再販すると発表した。対応プラットフォームはPCで、GOG.comでの販売となる。価格は16.99ドルで、日本語テキストにも対応する。Steamにて昨年発売され高評価を得るも、中国批判と捉えられる風刺表現が問題となり、販売停止となっていた同作。ついに開発元は再販に踏み切るようだ。
『還願』は、一人称視点で展開される3Dホラーゲーム。舞台となるのは1980年代の台湾。華々しい作家の父と元女優の母に、かわいらしい娘。そんな幸せな家庭が崩壊する過程を、宗教や文化をまじえて描く意欲作である。ボリュームとしては短いながら、じんわりと恐怖を感じさせる演出や重厚なストーリーテリングなど、多岐にわたる点で高い評価を獲得した。しかし、『還願』のとある場面で中国の習近平国家主席を揶揄する表現などが見つかったことから、中国にて大規模な批判が発生。Red Candle Gamesは当該アセットの差し替えを実施したものの、自主的に販売を取り下げていた(関連記事)。
それから1年半以上が経つも、中国本土のユーザーの怒りを気にしてか、再販の目処は立たず。スタジオもいくつかのメッセージを出しながらも、沈黙していた。しかしこの度、GOG.comにてPC版が再販されるようだ。ストア説明を見る限り、ゲーム内容には大きな変化はないように見える。おそらく、中国を批判する表現を修正した後のビルドにはなるだろう。GOG.comはCD Projektが運営するプラットフォーム。GOGの言葉はGood Old Gamesを意味する。PCゲームプラットフォームとしてのシェアはSteamには遠く及ばないものの、Steamにはない古典的な作品や訳あり作品なども揃えられている。『還願 Devotion』の騒動は中国コミュニティとSteam上にて起こったものであり、そうした経緯を踏まえてGOG.comが選ばれたのかもしれない。
なおRed Candle Gamesは現在新作開発に取り組んでいることを、今月頭の『返校』ドラマ告知に際して明かしていた。さまざまな経験を経て成熟した台湾の実力派スタジオの、新たな展開に期待しておこう。GOG.com版『還願』は12月18日発売予定だ。
【UPDATE 2020/12/16 23:15】
GOG.comの『還願』の販売取り下げを発表した。詳細記事はこちら。