世界の外側の力を使うADV『ノベルゲームの枠組みを変えるノベルゲーム。』Steam版配信開始。解像度が低下した世界の謎と、枠の外にある答え
国内のゲーム開発会社・自転車創業は10月15日、『ノベルゲームの枠組みを変えるノベルゲーム。(Out of Frame)』Steam版を配信開始した。通常価格は1800円。10月22日までの期間は、10%オフの1620円で購入できる。
『ノベルゲームの枠組みを変えるノベルゲーム。』は、2012年にリリースされた、変わった攻略方法のADV作品だ。舞台になるのは、解像度がVGA(640×480)からQVGA(320×240)に縮小してしまった世界。解像度の拡大が進む中、この世界の住人たちはVGAのまま世界が続いていくならそれで良いと思っていた。しかしQVGAからさらに世界が縮小し、最終的に消滅してしまう事態は避けたいと考え、全自動勇者供給システムを使って世界の外側から主人公を召喚。呼び出された主人公は、解像度が低下した原因を探るため、ドットの世界を巡ることになる。
本作には、テキストとグラフィックによって物語が進んでいくノベルゲームの仕組みが採用されている。しかし、通常のノベルゲームのように選択肢を選び、画面をクリックしていくだけでは、本作のストーリーは進展しない。物語を進める上で重要なのは、主人公にある”世界の外側にある力”を借り受ける能力。具体的には、プレイヤーの何らかの操作が必要になるわけだ。
ゲーム開始直後から、解像度やセーブといったメタな単語が飛び出すが、プレイヤーはこうしたテキストの中からヒントを読み取り、操作方法を考え、どうにかして外側から世界に介入。どの場面で何をどうするのかを考えながら、試行錯誤を繰り返すことで、物語が進んでいく。Steamのストアページには、「答えは常に枠の外にあります。 」「読み進め、ウィンドウの外に目を向け、そこにある物を活用した時、謎が解け、物語は進みます。」とも記載されており、枠に囚われない発想が必要になるのかもしれない。
Steamのストアページでは、本作の序盤がプレイできる体験版も配信中。密林書庫の司書・夏瀬トコ美や豚のヌーリトカ、数万年前から存在しているシンシアなど、ドットで描かれた味のある世界や癖のあるキャラクターたちも確認できる。また、体験版も含めて本作をプレイする場合には、ANOS7フォルダにあるOut_of_Frame.exeを、WindowsXP(Service Pack3)の互換モードに設定することが推奨されている。
本作を開発した自転車創業は、くり返しの世界を舞台にしたADV『あの、素晴らしい をもう一度』など、特徴的なシステムのADV作品をリリースしてきたゲーム開発会社。近年ではVR作品『 星の欠片の物語、ひとかけら版』をリリースしているほか、Steamでは今年4月に『ロストカラーズ/再装版』を配信している、また、本作でシナリオ・ゲームデザインを担当しているかざみみかぜ。氏のツイートによると、Steam版『ノベルゲームの枠組みを変えるノベルゲーム。』では、Windows標準フォントからドットフォントへの変更や、無音表現を含めた文章の細かな見直し、ラスト部分への「終わりと分かりやすい様に少しだけ文章を追加」などが実施。英訳については、翻訳者とコミュニケーションを取りながら進められたそうだ。
『ノベルゲームの枠組みを変えるノベルゲーム。』Steam版は、10月22日まで10%オフの1620円で配信中。同期間中は、サウンドトラックも10%オフの720円で購入できる。