『イモータルズ フィニクス ライジング』が改題したのは「モンスターエナジー」との“商標登録”争いが原因か。Ubisoftへの異議申し立てが確認される

『イモータルズ フィニクス ライジング』が『ゴッズ アンド モンスターズ』から改題したのは「モンスターエナジー」との“商標登録”争いが原因か。Ubisoftへの異議申し立てが確認される。

Ubisoftが『イモータルズ フィニクス ライジング』のタイトルを旧題『ゴッズ アンド モンスターズ』から変更したのは、エネルギー飲料「モンスターエナジー」との争いが原因かもしれない。海外メディアのTechRaptorなどが報じている。

『イモータルズ フィニクス ライジング』はギリシャ神話の世界を舞台としたアクションゲームだ。対応プラットフォームはPC/Nintendo Switch/PlayStation 4/Xbox One/Stadia。サイクロプス・ミノタウロス・メデューサといった巨大モンスターの軍勢を相手に、英雄フィニクスが神々の力を駆使して戦うオープンワールドゲームだ。開発を手がけるのは『アサシン クリード オデッセイ』を担当したUbisoft Quebecで、古代ギリシャへの深い造詣を活かしたデザインに注目が集まっている。本作はもともとE3 2019にて『ゴッズ アンド モンスターズ』とのタイトルで発表されていたが、今年9月2日、現在の名称に変更されることが明かされた(関連記事)。この際、副ゲームディレクターJulien Galloudec氏が海外メディアVGCのインタビューに答えており、改題はゲームのビジョンに従ったもので権利上の問題によるものではないとしていた。


その言葉とは裏腹に、変更の背景には商標登録に関する争議があったのではないかとする推測が報告されている。アメリカ合衆国特許商標庁のページによれば、Ubisoftは2019年6月に『ゴッズ アンド モンスターズ』の商標を登録していた。ところが今年4月、モンスターエナジー側から異議申し立てが提出される。その言い分によればモンスターエナジーブランドはすでにゲーム業界に浸透しており、Ubisoftの商標登録によって消費者に混乱をきたすとのことだった。

モンスターエナジーはeスポーツ支援を積極的に行っており、米国Team Liquidや英国Fnaticなど数多くのチームとパートナーシップ契約を結んでいる。また『デス・ストランディング』とコラボし、商品自体がゲーム中に出演したことも記憶に新しいだろう。『アサシン クリード』シリーズとタイアップを行ったこともある。いずれにせよ、確かにゲーマーにとって馴染み深くないといえば嘘になるかもしれない。対するUbisoftは5月、異議に対する回答を提出。モンスターエナジー側の申し立てをほとんど否定しており、「モンスター」との単語はすでに多数の商標ですでに使われていることなどを指摘している。

*改題前のトレイラー

その後両者は3度にわたり裁判の延期を申し入れており、直近では9月11日に受理されたばかり。ただしすでに『イモータルズ フィニクス ライジング』へ改題されているため、こちらは追って撤回される可能性が高いだろう。Ubisoft側がモンスターエナジーに譲歩するかたちになったことについて、海外メディアDestructoidの記者は、同作がすでに発売延期を経ており、さらにリリースを遅らせる事態を避けたかったためではないかと推測する。本作は今年12月3日の発売を予定している。

Yuki Kurosawa
Yuki Kurosawa

生存力の低いのらくら雰囲気系ゲーマーです。熾烈なスコアアタックや撃ち合いを競う作品でも、そのキャラが今朝なに食ってきたかが気になります。

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