新作オープンワールド『クラフトピア』が話題沸騰中、Steam好調スタート。全部盛りクラフトゲームの内容を改めて紹介
ポケットペアが、Steamにて9月4日に早期アクセス配信を開始した『クラフトピア(Craftopia )』。Steamでは、現在全世界売上の上位に位置しているほか、SteamDBによるとリリース直後には約2万4000人の同時接続を記録。Twitterでもトレンド入りし続けており、新作インディーゲームとしては破竹の勢いを見せている。Steamユーザーレビューは、一時は賛否両論になっていたものの、現在は1180件以上の評価を経てほぼ好評となっており、不具合を中心に評価を落としながらも、将来性に期待するプレイヤーもいるようだ。大きな期待によるスタートダッシュを決めた本作だが、実際のところ本作はどんな作品なのだろうか。本稿では、『クラフトピア』が早期アクセスであることも含め、本作の概要を紹介しよう。
現在の『クラフトピア』は、まだまだ開発中の、カジュアルめなサンドボックス系オープンワールドといったところ。クラフトピアの世界に放り出された直後はまだ、できることが少ない。木や石を殴り、ツールを作成して更に素材を集め、時代の祭壇を建てると、次の時代への移行が可能に。祭壇に素材を捧げて時代が進むと、プレイヤーがクラフトできるレシピが増え、より高度なものやできることの範囲が広がっていく。時代を進めるために必要な素材が少なめで、レシピの解放にさほど時間がかからない点も、本作のポイントだろう。
また本作のマップは、広大な一つのフィールドではなく、小さないくつものフィールドで構成されている。最初期の島から出るためには、まず時代の祭壇を使って農耕の時代まで進め、転移の祭壇を建設。祭壇へ素材を捧げ、転移先のマップを解放することで、異なるマップへの移動が可能になり、さまざまなロケーションを冒険できる。
敵との戦闘、経験値とスキルの習得、植物の栽培と収穫、ランダムなエンチャントの付くアイテム、『フォートナイト』風の板の設置や完成した構造物を設置する建築、自動的に木を狩るマシーンやベルトコンベア、モンスター・プリズムを使った捕獲、強制労働による発電といった自動化要素など、基本的な部分は用意されている。しかし、それぞれ発展途上な段階であり、特定の物を目当てにするよりは、あるものを楽しむような心持ちでプレイするのがいいかもしれない。特に現在の戦闘は、かなりざっくりとした仕上がりになっている。
また、現在の『クラフトピア』を紹介する上で、本作が早期アクセスであることには念を押しておきたい。前提として、Steamにおける早期アクセスとは、開発中の未完成なゲームを、未完成であると知らせた上でプレイヤーに向けて販売するもの。最近では、製品版に近いクオリティで早期アクセスが始まるケースも少なくないが、開発中のゲームには不具合やバランスの取れていない要素は付き物である。
『クラフトピア』にも、早期アクセスの例に漏れず、不具合や開発中の箇所が多数存在する。たとえば、敵がなかなか反撃してこなかったり、敵が壁にめり込んでしまったり、壁や天井を抜けて世界の裏側にたどり着けてしまったり、設置した大鍋が地中へと沈んでいったりなど、プレイ中にも本作の荒削りな部分に遭遇するだろう。笑えるバグばかりでなくシリアスな不具合も存在しており、少なくとも完成までまだ遠い作品であることは間違いない。
ポケットペアの代表urokuta氏も、リリースにあわせて投稿した記事内で、本作は全く新しい作品であり、自分たちにすらこのゲームのポテンシャルがわからないとした上で、「初めから完璧なものをお渡しするというよりは、残念ながら不具合があり、ゲーム性も発展途上で、コンテンツも足りない状況でも、皆様のフィードバッグを頂きながら、一緒にゲームを創っていけるアーリーアクセスという形で、素早くリリースするのが、長期的に見てクラフトピアというゲームを最もよく出来るのではないかと判断し、今回リリースを決断致しました。」とコメントしている。
しかし、本作には未完成でありながら多数の要素や、最高のゲームを作ろうという野心が込められている。シリアスな不具合には少々顔をしかめることもあるだろうが、広い心で大雑把な部分に目を瞑れば、ベルトコンベアと大鍋を使った牛の自動調理や、神や動物の養殖、チュートリアルNPCを活用した発電機など、本作ならではの混沌とした光景も広がっている。開発中の作品らしい大胆な仕様や笑えるバグも、許容できるなら魅力になるだろう。ポケットペアは、プレイヤーの意見に耳を傾け、不具合やコンテンツ不足を改善・拡充していくと語っており、今後のアップデートに期待したいところだ。
『クラフトピア』は、Steamにて現在2313円で早期アクセス配信中。公式DiscordやSteamのコミュニティなどでは、フィードバックやバグ報告が受け付けれられている。