PS4『ゴースト・オブ・ツシマ』で負いたくない責任。『クラッシュ・バンディクー4』の難易度高し。『SUPERHOT』の新作をプレイ。今週のゲーミング

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。244回目です。雨が続きますね。


アクションの難易度の高さも過去作譲り


今週は『クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース』のメディア向け先行体験版をプレイ。ゲーム中盤のステージを体験しました。まず「こごえるみなとまち」は、雪山のコースや川を流れる氷の足場を、奥・横スクロールにて進んでいくステージ。クラッシュのスピンアタックで敵を倒し、木箱を壊してリンゴを集めていく、シリーズおなじみのゲームプレイを楽しめる。新要素として「量子仮面」があり、このステージでは一定時間スローにすることが可能。敵の攻撃の隙間を縫ったり、滝に降ってくる足場を止めたり、すぐに消える木箱を利用するには、この能力を上手く活用する必要がある。

このステージは、ネオ・コルテックスでプレイできるバージョンもあり、レイアウトが異なる。彼が持つブラスターで敵を撃つと硬い足場に変化し、もう1度撃つとゲル状に変化してジャンプ台になるのが特徴。空中ダッシュも可能で、ステージではこうした能力をタイミングよく使いながら進んでいく。

もうひとつの「きょうりゅう だいぼうそう!」ステージは、迫る恐竜から逃げていく、こちらもおなじみのスタイル。新アクションのグラインドで進むエリアもあります。ここの量子仮面では、木箱や障害物を出現させたり消したりでき、素早い切替が求められる場面も。今回の内容は10月2日発売の製品版とは異なる場合があるそうですが、新旧の要素を上手く融合しており、さらなる量子仮面に興味津々です。
by. Taijiro Yamanaka


その「数分前」で物語は終わる


ジオラマのようなビジュアルが何ともキュートな『The Almost Gone』をプレイしました。ポイント&クリック式の定番スタイルなアドベンチャーです。部屋のベッドで目を覚ました主人公があちこち探索すると、いろいろな秘密がわかってきます。パパはなぜママと一緒に寝なかったのか。ママはどうして薬を飲んでいたのか。何でパトカーが駐まっているのか。

本稿で伝えられず惜しいのが音響効果です。お菓子のような色使いからは考えられない重々しい環境音。真相に迫るほど不協和音は大きくなってゆき、ドアを開ける物音にすら罪の意識が芽生えます。決してホラー作品ではありませんが、ヘッドホンで遊ぶのが怖くなるほどのサスペンスでした。パズル本編もシンプルでストレスにならず、かといって緩すぎずシナリオを楽しむのにちょうどいい難易度。

物語の明かし方も絶妙です。アクト1「そのすぐ後(何の?)」から始まり、「1時間後」「30年前」「1年後」を行き来することで“何が起きたか”がわかります。みなまで語らずとも、ひとつの結論に至らざるを得ない。残酷に引き算された謎解きの美しさに唸らされました。
by. Yuki Kurosawa


変化を求めて同じことを繰り返す


『SUPERHOT: MIND CONTROL DELETE』は、『SUPERHOT』のローグライト化と、そこから生まれる停滞感の物語化を特徴とした作品です。ライフが尽きる前に、5〜10数個のマップを連続してクリアするとステージ攻略成功。選ばれるマップ、プレイヤーのスポーン位置、敵の出現パターンはランダム。ステージの途中ではアップグレードの選択機会あり。自分が動いている時以外は時間の流れが緩やかになるという根幹部分は残しつつも、パズルを解くような感覚であった『SUPERHOT』とは異なる方向性のゲームになっています。

マップの種類は10数個と決して多くはなく、何十回と繰り返し攻略するため、すぐに安全地帯や角待ちスポットを覚えてパターン化可能。慣れから生じる停滞感に自覚的なゲームであり、そうした性質は物語ともシンクロしています。ゲーム後半では立ち回り方の変更を強いる新型の敵が登場。何十回と繰り返した、慣れ親しんだ景色・展開が徐々に異化。また、種類を増やし続けたパワーアップが重荷となっていきます。ローグライトな構造が持つ特徴を物語に落とし込んだ、『SUPERHOT』の開発元らしい風変わりな作品です。
by. Ryuki Ishii


ネクロバリスタ


世間ではGo To 対馬キャンペーンなるものが行われていたそうですが、ちょっとオーストラリアまでコーヒーを飲みに行ってきました。滞在時間はおおむね4時間ほど。死者も訪れるというカフェで味わったのは、甘さとちょっとした苦味、芳醇な香り漂う一杯でした。もちろん実際に行ったのではなく、『ネクロバリスタ』の話です。

メルボルンの裏路地にあるカフェ「ターミナル」。このカフェは、実はあの世とこの世の境界にあり、死者が紛れ込んでいるといいます。ただし、死者がこの世界に留まれるのは24時間だけ。今日もまた新たな死者がターミナルを訪れ、去ろうとしていました。カフェにやってきた新しい死者、秩序を守ろうとする評議会、負債、旧い友情。死者が通り過ぎていくカフェでは、苦味のある出会いと別れの物語が描かれていました。あと本作には魔術というか、作中で錬金術や死霊術と呼ばれる要素も登場するんですけど、インタビューで触れられていた作品の影響が感じられると共に別の良さもあり、全体的な雰囲気も良かったです。
by. Keiichi Yokoyama


背負いたくねぇよ


『ゴースト・オブ・ツシマ』をエンジョイ中。じっくりねっとり遊んでおりますが、さすがにもう終盤です。本作は何かとお話が暗め。救いのないお話もガンガン出てきて、やるせない展開に直面することは珍しくないです。暗いお話はそこまでは好きじゃないのですが、『ゴースト・オブ・ツシマ』なら苦痛ではないんです。理由を考えていたところ、「選択の責任を負う」必要がないからかなと。

海外産の大作RPGにおいては、プレイヤーの決断によって展開が変わることが多く、それが物語に重厚さをもたらしていて。ただ、自分としてはあまり決断に責任を持ちたくない。自分の選択でNPCの命が決まる。そして思うように救えなかったら、深い悲しみに包まれます。望む結末を求めて再プレイするのもフラストレーションがたまるし、結末を変えられないのも苦しい。そのジレンマがエンタメになっていると思うのですが、苦しみが楽しみに勝る。でも『ゴースト・オブ・ツシマ』の物語は基本選択で変わらないんです。悲しい話でも、最初から決められている「仁の物語」であって僕の物語ではない。だから受け入れられるんだと思います。なので、冥人として遊んでも武士として遊んでも結末が変わらないのも、僕としてはありがたい仕様です。選択により物語が変わらないのは、誰かにとっては物足りなさになるのかもしれませんが、一方で僕が安心して遊べる理由のひとつになっています。
by. Minoru Umise

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