PS4侍オープンワールド『ゴースト・オブ・ツシマ』とは、実際はどんなゲームなのか?先行プレイを踏まえ、Q&A形式でゲーム内容を紹介
今月7月17日に発売予定の『ゴースト・オブ・ツシマ』。アメリカのSucker Punch Productionsが手がけ、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが発売するPS4向けタイトルだ。同作においては、「蒙古襲来がテーマ」「舞台は対馬」「侍オープンワールド」など、日本人としてはなかなか魅力的な要素が揃っている。一方で、ゲームプレイ面においては、まだどのようなゲームであるかイメージできていない方もいるのではないだろか。今回は、先行してフルにゲームを楽しめる機会をいただいたので、そうしたユーザーに向けて、Q&A形式でゲーム内容を紹介していきたい。なお本記事は、ソニー・インタラクティブエンタテインメント提供によるゲームコードでのプレイにもとづき執筆している。
Q 物語はどのような形で進行していくのか?
A クエストを進めていく形式。
本作では、物語と呼ばれるクエストシステムが導入されており、メインクエスト(仁之道)を進めることで物語が進む。つまり、メインクエストを進めなければ物語は進まない。対馬の危機を気にせず、のらりくらりと島を放浪することもできる。サブクエストは数多く存在しており、人助けから蒙古退治。武器の伝承をたどるものから奥義を会得するものまで幅広い。ゲームの進行という点では、他のオープンワールドゲームと同様に自由度が確保されている。
Q オープンワールドの作品だが、マップの密度は濃いか?
A ほどほどという印象。
オープンワールドゲームにおける広さや密度の濃さについては、感覚的な部分になるので直接的な回答はしづらい。ただ、神社や狐の巣、稽古台に秘湯、和歌に石碑に、かかり火台に各種素材など、主人公の成長やカスタマイズにつながるスポットがフィールドには点在している。いずれのスポットも重要で、フィールドを探索する動機づけになっている。スポット同士の距離はそれなりに離れているが、マップ自体も大きいので、密度としてはほどほどといったところだろう。歯切れの悪い言い方になるが、広さや密度の解釈や「濃い」という基準もプレイヤーによって異なるので、「ほどほど」という表現を採用したい。またフィールドには、蒙古や賊がランダムにうろついている。これがランダムイベントにあたるだろう。時には島民を救うような展開になることもあり、敵を倒して助けた島民から新たなサブクエストの情報を得ることもできる。凝った収集アイテムも4種類用意されている。フィールド探索はかなり重要であるし、楽しみのひとつ。
Q 成長要素はどのようになっているか?
A 評判を上げることでスキルを会得していく。
本作には技量システムが存在しており、クエストをこなしたり道端の敵を討伐することで評判が上昇。一定までたまると技量と呼ばれるスキルポイントを取得する。スキルポイントを使って新たなスキルを取得。スキルの種類は、戦闘における技を増やすものから、弓矢や投擲武器といった消費アイテムの保持上限数を増やすもの、スポットを見つけやすくするものなど幅広い。スキルの種類は幅広いが、技量はすぐに溜まるため、どのスキルを取得するか大きく悩むことはない印象。ほか、特定の場所を見つけることで体力・気力の上限を上げられる。また特定の素材を入手することで、刀・弓・防具などを強化できる。成長要素は割とシンプル。
Q 建物の中に入れるか?
A 入れるが、建物自体が少ない。
対馬には多くの村があり、建物も散見される。それらの建物の多くが、中にも入ることができる種類のもの。建物の中には素材も落ちている。ただし、基本的にどの建物も似たような構造ではある。重要なエリアでは、独自に作り込まれた建物も存在するが、「それぞれ構造の異なる幅広い建物に入れる」わけではないので注意。また建物自体もそれほど多くない。基本的にはオープンなフィールドを楽しむゲームであると認識した方がいいかもしれない。
Q フィールド内から入っていくダンジョンはあるか?
A ない。
本作においては、基本的に探索やイベントがオープンワールドのフィールドで完結している。フィールドからどこか洞窟のような特別な場所に潜り込み、ローディングを挟み、その場所を進んでいくというシーンはない。一方で、ダンジョン探検同様の緊張感は楽しめる。ダンジョンのような入り組んだ形状をしている敵陣やフィールドが要所に存在しており、ダンジョンがないというより、フィールドに組み込まれていると表現したほうが妥当かもしれない。
Q NPCは殺せるか。村を焼き払えるか?
A できない。
本作においては、味方(村人)NPCを攻撃しても痛がる反応はするものの、倒れたりいなくなったりはしない。焚き火につっこませると燃えるが、何もなかったかのようにすぐに元通り。また村を壊して混沌を招いたりもできないので、破壊の方向の自由度には期待しないほうがいいだろう。
Q パラメータの概念はどうなっているか?
A 体力と気力を管理する。
主人公の仁には、生死を左右する体力ゲージと、その体力を回復する気力ゲージが存在する。気力を1消費することで、体力が一定量回復する。気力は奥義を使うことでも消費する。気力は敵を倒す、パリィをするなど、特定の行動で回復。体力に気を配りながらも、気力をマネジメントすることが重要になる。スタミナや空腹といったゲージは存在しない。ただずっと走り続ければ疲れたりはする。
Q 戦闘は難しいか?
A (通常難易度の場合)ほどよく難しいが、ストレスはたまらない。
敵はガードを駆使してくるので、ボタン連打では戦いに勝ちづらい。装備を厚くしておかなければ、敵の攻撃を受けるとごっそり体力が減る。また基本的に多数を相手に戦うことになるので、苦労する場面もあるだろう。体力と気力が少ないうちは、死ぬこともある。一方で、相手の隙を突けば一方的に攻撃できる。気力さえあればその場で回復でき、また死んだ時に何かをロストするわけでもない。気力使いながらのゴリ押しも時には可能。つまり、某高難度刀アクションほどではない。「ほどよく難しいが、ストレスはたまらない」というのが通常難易度の感想だ。
Q 戦闘における敵の攻撃への対応は、防御メインか避けメインか?
A 両方楽しめる。
本作ではステップによる避けと、構えによる防御に対応する。タイミングよく防御することでパリィを発生させることができるし、ギリギリ避けることで迅速な反撃が可能。一見するとステップが万能に見えるが、パリィすることで敵は大きな隙を見せるほか、仁の気力が回復する。一方でパリィ不可の攻撃をする敵も登場する。回避・防御、両方の手段を駆使することになるが、パリィとステップどっちをメインにしても楽しめると言える。
Q ステルスプレイはできるか。ステルスプレイ必須か?
A 正々堂々プレイもステルスプレイも可能。なお遊び方で結末は変わらない。
仁は、正々堂々の戦い(侍)もできるし、闇討ち(冥人)もできる。敵の拠点侵攻では、真正面から倒していくこともできるし、忍者の如く敵を減らしてもいける。一部ステルスプレイを求められる場面もあるが、ステルス行動が得意でない筆者も問題なく進められたので、必須ではないと結論づけておく。ちなみにディレクターであるNate Fox氏は侍と冥人どっちを多く使ったかによって、ストーリーは変化しないとPlayStatio.Blogにて語っている。
Q ハクスラ系アクションRPGのようなルート要素はあるか?
A ない。
武器や防具は強化していけるが、多彩な刀が用意されているわけではない。あくまで一本の刀がお供。武器・防具の外観を変更することは可能。敵を倒して武具を入手し、トレジャーハントするといったハックアンドスラッシュ要素は存在しない。
Q アメリカ生まれのゲームだが、日本観と日本語は大丈夫か?
A 筆者的にまったく問題なし。
日本観や日本語については、歴史への知識が精通していない身として回答することになるが、問題ないと感じた。世界観についてはかなり作り込まれており、日本語においても自然な表現に仕上がっているほか、かなり凝った言い回しも導入されており、没入感を高める手助けをしてくれる。なので、問題なしどころか素晴らしいと表現するほうが妥当だろう。ただし、本作の対馬は実在の対馬ではなく、日本本土から着想を得た独自の対馬に仕上げられたようなので、その点は注意。
Q ボリュームはどの程度か?
A PlayStation.Blogの記事を参考あれ。
前出のPlayStation.Blogの記事内「クリアまでどのくらいかかりますか?」の部分にて、前出のFox氏がボリュームについて回答している。肌感として同氏の回答が適切に感じられるので、そちらを参考にしてほしい。なお筆者としては、メインクエストだけを追えば20時間以内には終わるだろうが、本作では大量のサブクエストが用意されている。サブクエストを全部こなすとなると、相当な時間を要する印象だ。
Q 遊んでいて神経を使うか?
A あまり使わない。リラックスして遊べる。
基本的には、対馬の美しい景色を楽しみながら、フィールドを旅するのが本作の魅力。戦闘には緊張感があるが、死んだ際のロストなどはなく、敵陣に数多くのトラップが敷き詰められていることもないので、敵陣に討ち入る時も含めて比較的リラックスして遊べる印象だ。
以上が、『ゴースト・オブ・ツシマ』を先行プレイした上で作成したQ&Aである。気になりそうな部分をざっと列挙したので、うまく購入の上で参考にしていただければ幸いだ。平日自宅に帰宅後、疲弊してゲームできないことも多い筆者は、『ゴースト・オブ・ツシマ』については平日も楽しめている。ストイックなテーマの作品ではあるものの、遊びやすさへの配慮がなされており、ストレスなく遊べるゲームだ。企画上あまりふれなかったが、なんといっても対馬の自然の美しさは、本作の大きな魅力。あまり肩肘はらずに、のんびりと対馬旅行を楽しむといいだろう。