高評価SF人狼ADV『グノーシア』Nintendo Switch版本日発売。グノーシア事件を繰り返し、ループの果てへ
ゲーム制作サークルプチデポットは4月30日、Nintendo Switch版『グノーシア(GNOSIA)』を発売した。価格は税込2750円。ダウンロード専用タイトルとして、ニンテンドーeショップにて配信中だ。
『グノーシア』は、閉ざされた宇宙船の中で人狼ゲームを繰り返すSF人狼ADV。プチデポットが開発し、2019年6月にPlayStation Vita向けとして発売。プレイヤーから高評価を受けた作品の初の移植版である。舞台となるのは人類が宇宙に進出し、多様な種族が存在するSF世界。主人公はプレイヤーの分身であり、とある事情から記憶を失った人物だ。
ある時、主人公が乗っている宇宙船の中で、人類を消し去りたいという衝動を持った存在「グノーシア汚染体」の反応が検知される。グノーシア汚染体、通称グノーシアは衝動のままに宇宙船から人類を1人ずつ消し去り、船の乗っ取りを狙っている。しかし、グノーシアに外見上の特徴はなく、誰がグノーシアで誰が正常なのか判断はつかない。グノーシア事件に巻き込まれた主人公は、当事者の一員として議論に参加。疑わしい人物を議論によって決定し、1日に1人コールドスリープさせることで、事態の収拾を図る。また、同時にグノーシア事件が発生するループに巻き込まれており、ループの果てを目指す物語が描かれていく。
ゲームプレイでは、人類として、あるいはグノーシアとして議論に参加。話し合いを通じて互いの役割を見極め、投票結果によってコールドスリープ対象1名を決定する。全てのグノーシアが眠りにつけば人類の勝利となるが、そうでない場合は船内から1人が消失。勝敗が決するまで議論と凍結を繰り返し、グノーシア/人類の排除をしていく。議論中は、疑う、かばう、といったコマンドによって発言したり、誰かの発言に対して弁護や同意を示すことで印象を操作。役職を持っているかグノーシアである場合は、役割を明かしたり、判定結果を共有したり、またロジックによって明らかになった事実を指摘したりしつつ、自身の生存と勝利を目指す。
役職は、対象がグノーシアかそうでないか調査できるエンジニア、コールドスリープした人物がグノーシアだったかわかるドクター、グノーシアの襲撃から対象を守れる守護天使、論理的にグノーシアではない留守番、グノーシアに協力的なAC主義者など6種類。序盤は役職と人数は少ないが、ループが進むと徐々に役職と人数が解放されていき、最大15人、グノーシア6人でのプレイも可能。ループする度に配役は変化し、ゲームが進むまで誰がグノーシアなのかはわからないようになっている。
またグノーシア事件を体験することで、主人公は経験値を獲得。カリスマ、直感、ロジック、かわいげ、演技力、ステルスの6ステータスに割り振ると、数値に応じて新たなコマンドを獲得したり、説得力が増したり、疑われづらくなったり、相手の嘘に気づけたりするようになり、人狼ゲームを有利に進められるようになる。1周あたりのプレイ時間は15分程度。人狼ゲームそのものではないものの、人狼らしい緊張感と手軽さを併せ持った人狼シミュレーターに仕上がっている。
グノーシア事件の最中に条件を満たすとイベントが発生。どう見ても宇宙人なしげみち、話さないのに饒舌なククルシカ、土下座が印象的な沙明、高い影響力で場をかき乱す夕里子など、グノーシア事件の合間に14人のキャラクターとの一幕が描かれる。また、そうしてイベントを発生させていくと物語が進行し、ループや現状に対する謎が徐々に明らかになる。
イベントは複雑な条件が絡んでおり、狙って発生させるのは難しいが、イベントが発生する組み合わせを探知してくれるイベントサーチ機能もあり、世界を回していくうちに少しずつストーリーが紡がれていく。Nintendo Switch版では、PlayStation Vita版で好評を得たストーリーやイベント、レスポンスの良さなどはそのままに、音と画像をリファイン。バックログを含めた新機能を搭載し、バランスなどの100箇所以上の調整、コントローラーの両手持ち/片手持ちにも対応。基本的な体験は変わらないが、移植にあわせて少しだけパワーアップしたバージョンというわけだ。
「準備はいい?
じゃあ、行こうか」――それでは皆様、良い旅を!#グノーシア pic.twitter.com/zjxwO41WpR
— ことり (@cotoriGlobule) April 29, 2020
『グノーシア』を開発したプチデポットは、アパート経営タワーディフェンス『メゾン・ド・魔王』を手がけた名古屋在住の独立系開発集団だ。『グノーシア』の開発期間は約4年間。元々2017年に発売が予定されており、何度かの延期を経ているが、細かなイベントの数々やプレイヤーの反応を先読みしたような構造など、開発の長期化をクオリティによって納得させるような内容になっている。Nintendo Switch版『グノーシア』は税込2750円。ダウンロード専用タイトルとしてニンテンドーeショップで配信中だ。