SIEの傘下に入った『Marvel’s Spider-Man』開発元Insomniac Games、買収金額は約250億円だったことが判明

ソニー・インタラクティブエンタテインメントは2019年8月、アメリカのデベロッパーInsomniac Gamesの買収を発表した。その額が248億9500万円だったことが明らかになった。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)は2019年8月、アメリカのデベロッパーInsomniac Gamesの買収を発表した。その買収額については契約条件により公表しないとされていたが、今年2月10日にソニーが米国証券取引委員会に提出した報告書が公開されたことにより、248億9500万円だったことが明らかになった。

報告書より該当部分を抜粋。

報告書によると、SIEによるInsomniac Gamesの買収は2019年11月15日に完了し完全子会社化。SIEワールドワイド・スタジオの一員として迎えることとなった。最終的な買収金額についてはInsomniac Games側の決算発表を待って調整がおこなわれる可能性があるが、SIEは248億9500万円(2億2900万ドル)の大部分を現金で支払ったとのこと。

今回の件のように、買収発表時に買収金額が公表されないことは多いが、たとえばEAが2017年に『Titanfall』シリーズで知られるRespawn Entertainmentを買収した際には、EAは1億5100万ドルの現金と1億6400万ドルの株式、そして将来の開発成果に応じて最大1億4000万ドルを現金で支払う条件だったことを明らかにしている(Business Wire)。合わせて4億ドル(約440億円)を超える買収劇だった。

このふたつの案件を単純に比較することはできないが、海外フォーラムResetEraでは、Insomniac GamesはSIEにとってお買い得だったのだろうという反応が多く見られる。また、同スタジオは『Titanfall』のような有力IPを保有していなかったことも、そうした金額に現れたのではと推測されている。

*SIEワールドワイド・スタジオ前チェアマンのShawn Layden氏は、Insomniac Gamesの買収直後に辞任。この買収は、同氏にとってもっとも大きな実績のひとつであり、正しい判断だったと振り返る。

Insomniac Gamesは1994年に設立。『スパイロ・ザ・ドラゴン』や『ラチェット&クランク』『RESISTANCE』といった人気シリーズをPlayStationプラットフォーム向けに手がけ、SIEとはかねてより強力なパートナー関係にあった。一方で、マイクロソフトと共に『Sunset Overdrive』を開発したり、『FUZE』や『Song of the Deep』のようなマルチプラットフォームタイトル、またVRゲーム開発にも積極的で、近年は活動の幅を広げていた。そして2018年には『Marvel’s Spider-Man』をPS4向けに開発。同作は、2019年7月末時点で1320万本を売り上げる大ヒットを記録している。

現在Insomniac Gamesは、どのようなタイトルを手がけているのかについては明らかになっていないが、社長兼CEOのTed Price氏は昨年の買収発表時に、より革新的で新しいゲーム体験を届けられるよう取り組んでいくとコメントしている(関連記事)。今年のホリデーシーズンにはPS5のローンチが予定されており、業界でも高く評価されるデベロッパーのファーストパーティとしての新作には注目が集まる。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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