夜の学校へ忍び込む短編ホラー『受験地獄』Steamにて配信開始。スペインのインディースタジオが描く、日本の受験テーマの恐怖体験

スペインのインディーゲームスタジオW & H Game Systemsは1月16日、『受験地獄』をSteamにて配信開始した。『受験地獄』は、夜の学校を舞台にした短編ホラーゲーム。

スペインのインディーゲームスタジオW & H Game Systemsは1月16日、『受験地獄』をSteamにて配信開始した。『受験地獄』は、夜の学校を舞台にした短編ホラーゲーム。価格は310円。1月24日までの1週間は、20%オフの248円となっている。インターフェイス及び字幕は日本語に対応していない。ゲームエンジンはUnity。レトロゲーム風のフィルターは、オプションからオフにもできる。

『受験地獄』は、夜の学校へ一人で忍び込むホラーADVだ。期末試験を前日に控えた12月。主人公とクラスメイトには、冗談みたいな量の宿題が課されており、教師たちは更にその量を増やそうとしていた。主人公とMitsuki、Sochiroの3人は、良い成績を取って更なる課題を回避するため、試験内容と答えを盗むことを思いつき、賭けを実施。賭けに負けた主人公は、一人夜の学校をさまよい、試験を盗むことになる。

窓から差し込む月の光。どこからか鳴り響くチャイム。暗く、静まりきった教室。時折視界に映り込む、白い少女。主人公は、真夜中の学校を一人懐中電灯で照らしながら進んでいく。昼間の慣れ親しんだ校舎と違い、夜の学校には誰もおらず、静寂がよからぬ想像を掻き立てる。本作には、襲いかかってくるような異形は登場しない。しかし、夜の校舎が持つ雰囲気はしっかりと描かれており、鍵を求めて校内を歩いている最中、背後に何かの気配を感じずにはいられないだろう。

校内にはノートや日誌などが設置されていて、成績などに纏わる生徒の悩みや教師側の苦悩なども描かれている。また、スペインのデベロッパーの作品ながら、ゲーム中に掲示されたポスターや黒板の文字などはすべて日本語。果たし状が靴箱に置かれていたりなど、本筋と関係のないオブジェクトも設置されていて、日本の学校を描こうという熱意は伝わってくる。また、エンディングは複数用意されているようだ。

本作を開発したW & H Game Systemsは、スペイン・マドリードの小さなインディーゲームスタジオ。『受験地獄』は、日本の受験生が経験する恐怖や不安をテーマにしたホラー作品で、SteamやTwitterを見る限り同スタジオの初作品となる。現実の日本においては最後のセンター試験が行われているが、スペインから描かれた日本や、夜の学校でちょっとした恐怖を体験したい方は、本作をプレイしてみるのもいいかもしれない。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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