PS4『P.T.』ハックでループする館の外に出ることに成功したユーザー現る。エンディングで見られるあの場所を散策

TwitterユーザーのLance McDonald氏は、本作のカメラをハックするなどして、『P.T.』の作り込まれた世界観の裏側を暴いてきた。今回は1年がかりの作業にて、ゲームプレイの舞台となった館の外に出て、探索することに成功したという。

コナミ在籍時の小島秀夫氏が、のちに開発中止となった『Silent Hills』のプレイアブルティザーとして手がけ、2014年にPS4向けに配信された『P.T.』。すでに配信終了しており、それから4年ほどが経つが今なお話題に事欠かない。

TwitterユーザーのLance McDonald氏は、本作のカメラをハックするなどして、『P.T.』の作り込まれた世界観の裏側を暴いており、弊誌でもいくつか紹介してきた(関連記事)。そして同氏は12月21日、また新たな映像を投稿。1年がかりの作業にて、ゲームプレイの舞台となった館の外に出て、探索することに成功したという。

『P.T.』ではループする廊下を彷徨い、最終的にその館から出ることに成功すればエンディングを迎える。やや靄のかかった夜の街の通りを主人公のノーマン・リーダスが歩いていくが、カットシーンであるためプレイヤーは操作できない。また、短いシーンのため周囲の環境をつぶさに観察することはできず、道路の先には何があるのかも霞んでよく見えない状況だ。

McDonald氏は、本作をハックすることで館の外に出ることに成功。街灯がほとんど点いていないためエンディングで見られる様子よりかなり暗いものの、懐中電灯で照らしながら街の様子を紹介している。まず、エンディングの冒頭では路上の血痕が意味ありげに映し出されるが、これは路肩近くまで血の跡が続いていたことが分かる。そして建物は細かなディテールまで作り込まれており、周囲には物が散乱。街は廃墟というほどの状況には見えないが、人の気配も感じられない微妙な空気感を醸し出している。

Image Credit: Lance McDonald

映像ではさらに、エンディングシーンではほとんど見ることのできない道路の奥の方へと進んでいく。密度は減っていくものの引き続き建物が並んでおり、街路樹のふもとにはプレイヤーからは絶対に見えないであろう、小さな植物まで植えられていたことが分かる。そして道路上に突然高架が現れ、その下をくぐったところでマップの終端にたどり着いた。今回の発見からは、見えないところまで作りこむことで、あのエンディングの映像を生み出していたことがうかがえる。

なおMcDonald氏によると、単純に館の外に出ただけでは地面を抜けて落下し続けてしまうため、カメラを浮かせた状態に固定させる必要があったという。また、どういう訳か地面を落下した際には、本作に登場する女性の幽霊リサに襲われ、ゲーム開始地点の部屋まで強制的に引き戻されるようになっていたそうだ。それが映像冒頭のシーンだ。今回のようなハック、あるいは何らかのバグにより館の外に出るプレイヤーが現れることを見越して、開発陣はあらかじめリサを仕込んでいたのかもしれない。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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