映画「ソニック・ザ・ムービー」ソニックのデザイン変更にかかったコストは、高かったか安かったか。さまざまな噂が飛び交う
セガの人気ゲーム『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の主人公ソニックを主演に、パラマウント・ピクチャーズが制作する実写映画「ソニック・ザ・ムービー」が、2020年3月27日に日本で公開される。地球にやってきたソニックは、ひょんなことから出会った保安官(ジェームズ・マースデン)と相棒になり、ソニックのスーパーパワーを狙うドクター・ロボトニック(ジム・キャリー)から仲間を守るために世界中を駆け回るという、ゲームとはまた異なるオリジナルの物語が描かれる。
本作は、もともと今年12月に国内公開される予定だったが、主演ソニックのデザインおよびCGアニメーションを制作し直すこととなり延期を余儀なくされた。作り直すには追加の費用がかかっているはずだが、その金額が一部で報じられている。
本作は昨年12月に発表。ソニックのデザインについては、シルエットなど全体像はまだ分からない形で紹介されていたが、当時から物議を醸し、そして今年4月に公式トレイラーが初公開されファンの懸念は決定的となった。本来のソニックと比べて頭身が高く、目は小さい。また脚は妙に筋肉質に見え、手袋ではなく白い毛の手をしているなどあちこちに違和感があり、ファンから批判的な意見が大量に寄せられることに。そして、5月になってソニックのデザイン変更と公開延期が正式発表された(関連記事)。
海外メディアIndieWireは11月19日、本作の制作に近い筋から得た情報として、ソニックの再デザインにかかったコストは500万ドル(約5億4300万円)未満だったと報じている。その情報提供者によると、公開延期を決断した今年5月の時点では、ソニックのVFX制作はまだ完成には程遠く、初公開トレイラーで見られたシーンだけが完成していた状態だったという。映画の大部分のVFXを制作し直すとなると巨額の追加費用が予想されるが、まだ制作途上の段階だったことがソニックのデザイン変更の決断を後押ししたのかもしれない。また情報提供者は、今回のデザイン変更が本作のVFXチームを苦しめることとなったのではという一部の指摘については否定している。
*デザイン変更前のソニックが見られる旧トレイラー。
また、アニメ作品のニュースを報じるTRAFON氏は、ソニックのデザイン変更にかかるトータルでの追加費用は3500万ドル(約38億円)だったとし、これにより予算総額は当初の9000万ドルから1億2500万ドル(約136億円)に膨れ上がったと伝えている。この追加費用には、ソニックのVFX制作のやり直しだけでなく、広告やマーケティング、グッズ制作、公開延期などにかかる費用すべてが含まれるとのこと。ただ、この数字はパラマウント・ピクチャーズのマーケティングチームが正式に認めたものではないとも述べており、こちらもあくまで噂である。
なお、本来の姿により近いデザインに生まれ変わったソニックの制作には、『ソニックマニア』や『チームソニックレーシング』のアニメなどを手がけたアニメーターTyson Hesse氏が携わっているという(関連記事)。両目が繋がっていなかったりと細かな違いは依然として見られるが、たとえば赤いPUMAのスニーカーは、トップに白いラインが入ったオリジナル風のデザインに変更されるなどこだわりも確認できる。新予告編のトレイラーは高い評価を得ており、ソニックのデザイン変更にかかった費用を回収して余りあるヒットを期待したい。「ソニック・ザ・ムービー」は、2020年3月27日公開予定だ。