ゲーム実況者が配信世界記録を樹立するために、“1日19時間”配信中。睡眠を犠牲にした危険なデッドヒートは続く

ゲーム実況者Andrew “GiantWaffle” Bodine氏が、世界記録を樹立するために現在、途方も無いチャレンジに挑んでいるようだ。その目標とは、月間570時間以上の配信である。

ゲーム実況者Andrew “GiantWaffle” Bodine氏が、世界記録を樹立するために現在、途方も無いチャレンジに挑んでいるようだ。その目標とは、月間570時間以上の配信。今年9月にJayBigs氏が打ち立てた月間569時間配信を上回るべく奮闘している。その詳細をKotakuなどが伝えている。

GiantWaffle氏はサンドボックスゲームなどを中心に遊ぶ26歳のストリーマー。フォロワー87万人を抱える人気配信者だ。『レインボーシックス シージ』なども実況しており、同作には氏をモチーフとしたチャームが登場するほどのインフルエンサー。そんな氏は、さらなる飛躍のために11月から配信を進めている。

初日の配信時間は19時間。単純計算をすると、11月は30日までなので、全日19時間以上の配信が必須。氏はこの19時間配信を1か月続けるようだ。初日はまず『ルイージマンション3』をクリアした後、『Escape from Tarkov』や『ロケットリーグ』などをハシゴ。2日目は『Kerbal Space Program』で主に時間を使い、3日目はカジュアルゲームから始めるが、やはり『Escape from Tarkov』と『Kerbal Space Program』で時間消化。5日目となる11月5日には『レッド・デッド・リデンプション2』をスタート。ただし、日に日にゲーム時間は減っていき、退屈な時はとにかく『Escape from Tarkov』と『ロケットリーグ』で押し切ろうとするのが氏のスタイルだ。

“時間の消化”と表現せざるをえない氏の配信であるが、やはりどの日も19時間以上を配信している。そんな氏へのプレゼントとなったのが『デス・ストランディング』の発売である。氏はとにかく同作を気に入ったようで、発売以来ぶっ続けで配信を続け、翌日にはクリア。プレイ時間17時間時点でも絶賛していたが、34時間をかけてクリアしてもなお楽しめたようで、10点中9点をつけている。そして11月11日には、月の1/3が経過し合計の配信時間が190時間に。体調を壊さず順調に数字を伸ばしている。なお氏は現在『Factorio』をプレイ中だ。

GiantwaffleのStreamvember – Day 11!

順調に月570時間配信にむかって突き進んでいる氏であるが、Kotakuの取材によると、GiantWaffle氏の睡眠時間は3時間半なのだという。配信せず起きている時間はわずか30分。かなり人間離れした生活であるが、このチャレンジをするにあたっては、3か月をかけて体内時計を調整したそうだ。3時間半睡眠でも耐えられる肉体づくりをしたからこそ、氏はまだ元気に配信できるのかもしれない。

かなり危険な挑戦であるが、こうしたマラソン配信は効果があるのだという。視聴数や訪問者数、購読者数といった重要な数値の平均が4倍から10倍にまで跳ね上がっているとのこと。実際にTwitch Trackerでも各数字平均は11月になりうなぎのぼりだ。フォロワーを80万人以上抱えていてもなお数字は重要で、稼いでいく必要がある。氏はマラソン配信には100%価値があるといい切ったのは、そうしたビジネス的な背景が存在するからだろう。

Image Credit : Twitch Tracker

一方、1日19時間の配信は健康的ではないと認めつつ、十分にそれを理解しているともコメント。記録を破るには、健康的ではない、容易ではない方法を採ることもやむなしであるとも主張している。一方、今回のチャレンジを実現するにあたっては、ダイエットやエクササイズを始めたようで、結果的には健康になり幸せを感じられるようになるなど、生活をポジティブにしたとも語っている。

GiantWaffle氏は現在チャレンジ真っ最中ということで、とにかく今回の挑戦を肯定的に捉えているようだ。Dr Disrespect氏のようなトップ配信者も『Call of Duty: Modern Warfare』発売の際には24時間配信をするなど、一時的に長時間配信をすることはある。ただし、健康に害を及ぼしかねない1か月配信などになると話は別。GiantWaffle氏は昨年11月に月間402時間(1日平均13.4時間)配信という世界記録を樹立し脚光を浴びたが、その記録から1年の間に記録が何度も塗り替えられ、長時間配信レースもなかなかにインフレしている印象だ(関連記事)。デッドヒートが続くと、今後死人が出てもおかしくないが、視聴者に需要があり、配信者に旨味がある以上はやめられることはないと思われる。プラットフォーマーが規制をかけるのが、やはり最良の対処法になるのだろうか。ひとまずGiantWaffle氏が無事に11月を乗り切れることを願いたい。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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