SIEワールドワイド・スタジオ統括責任者に、Guerrillaのハーマン・ハルスト氏が就任。吉田修平氏はインディー開発者のサポートに専念
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは11月7日、Guerrilla共同設立者であり、マネージングディレクターを務めたハーマン・ハルスト(Hermen Hulst)氏が、ワールドワイド・スタジオ(WWS)の統括責任者に本日付で就任したと発表した。
ハルスト氏の出身スタジオGuerrillaは、『Horizon Zero Dawn』や『KILLZONE』シリーズなどを手がけたことで知られるデベロッパーで、2005年にSCE(当時)の傘下に入った。WWSはGuerrillaに加え、JAPAN StudioやPolyphony Digital、Naughty Dog、Santa Monica Studio、そして今年買収したInsomniac Gamesなど14スタジオを抱える大所帯。そのトップに就任したハルスト氏は、これらのスタジオを管轄しながらゲーム開発をリードしていくとのこと。SIE社長兼CEOのジム・ライアン氏は、ハルスト氏について以下のように述べている。
ハーマンは情熱に満ち溢れ、ゲーム業界において最も有能かつ尊敬されているリーダーの一人です。また、素晴らしい体験を創り出すために、才能あるクリエイター達にどのように力を与えればよいかを熟知している人物でもあります。WWSは、SIEの今後の成功に不可欠であり、私達がゲームファンの皆様にお約束している創造性に富んだエキサイティングなコンテンツ、『プレイステーション』ならではのエンタテインメントの世界を提供し続けていかねばなりません。ハーマンのリーダーシップのもと、今後も魅力的かつ多彩な体験をユーザーの皆様に着実にご提供できるものと確信しています。
Congratulations @HermenHulst on your new position as President of SIE Worldwide Studios! Thank you for two wonderful decades at the studio – we’re glad to know that you’ll remain close by! https://t.co/hQN3AYAfFl
— Guerrilla (@Guerrilla) November 7, 2019
またハルスト氏も、今回のWWS統括責任者就任について以下のようにコメントしている。
私は2001年以来、SIEやWWSと密接に仕事をしてまいりましたが、米国、欧州、日本の各スタジオにおけるクリエイティブな才能を持った人たちと、その意欲的なアイディアには常に大きな感銘を受けてきました。今、その素晴らしい才能を持つチームを率いて、『プレイステーション』のユーザーの皆様に最高のゲームをお届けするという重要なミッションを拝命し、大変光栄に思っています。
なお、Guerrillaでのハルスト氏の後任には、アンジー・スメッツ氏、ヤン=バート ファン・ビーク氏、そしてミヒール・ファン・デル・レーウ氏が、共同スタジオ代表として就任する。
#NewProfilePic pic.twitter.com/b6muptnev8
— Hermen Hulst (@hermenhulst) November 1, 2019
*明日11月8日に発売予定の『デス・ストランディング』は、Guerrilla謹製のゲームエンジンDECIMAを使用。その縁もあってか、ハルスト氏は同作にカメオ出演しているようだ。
また今回、現在WWSプレジデントを務める吉田修平氏がその職を離れ、外部のインディークリエイターの発掘や育成を支援する、新たなイニシアチブのヘッドに就任したことも明らかにされた。吉田氏はジム・ライアン社長兼CEOに直接レポートする立場として、インディーデベロッパーよるこれまでにない新しいゲーム体験の創造をサポートし、「プレイステーション」の幅広いユーザーにゲームを届けられるよう、ツールや技術ノウハウ、各種サービスの提供に専念するとのこと。ライアン氏は、吉田氏については以下のようにコメントしている。
新しいイニシアチブのヘッドを吉田に任せることができ、とても嬉しく思います。皆様もご存じの通り、吉田はインディーゲームに並々ならぬ情熱を持っています。インディーゲームはゲーム業界の生命力の源であり、同時にSIEのコンテンツポートフォリオをユーザーの皆様にとって特別なものにしています。こうしたクリエイティビティ溢れる体験の創出に、吉田が専念することは大変重要だと思っています。吉田は今後、SIEが横断的にインディーデベロッパーの皆様をサポートし応援することで、一層『プレイステーション』プラットフォームをご支援いただけるよう、よりよい関係を構築してまいります。
😀
— Shuhei Yoshida (@yosp) November 7, 2019
*今回の発表を受け、吉田氏は短く笑顔をツイート。
SIEの人事においては、先月10月にSIEワールドワイド・スタジオチェアマンを務めたShawn Layden氏が退任している(関連記事)。また、SIEでシニアディレクターを務め、PlayStation ExperienceなどのイベントではPS Vitaを積極的にアピールしていたことで知られるGio Corsi氏も、この11月にその職を辞した(Push Square)。
そして今回、Guerrillaを率いて数々の実績を残してきたハーマン・ハルスト氏をWWS統括責任者に迎え、また常日頃インディーゲーム好きを公言している吉田修平氏が、その仕事に専念できる環境に身を置くこととなった。SIEは、次世代PlayStationであるPS5の発売を2020年ホリデーシーズンに控えており、新たな体制でそのローンチに臨むことになる。