『スマブラSP』で“不知火舞の不参戦”が脚光浴びる。セクシーすぎるあまり参加できなかったことが国内外でイジられる
ソラの桜井政博氏は11月6日、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』番組「テリーのつかいかた」を放映し、4人目の追加ファイターのテリー・ボガードの性能を解説する動画を公開した。昨日より配信開始された『餓狼伝説』、『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズのテリーへのこだわり、そしてNEOGEOなどの愛を存分に語る45分間の映像となっている。しかしテリー参戦と同様に話題にのぼっているのが不知火舞の「不参戦」だ。
「パワーウェイブ」「バーンナックル」「クラックシュート」、そして「ライジングタックル」「パワーダンク」など多彩な技を揃えるテリー。格闘ゲームキャラらしい特性も備えており、ユニークなファイターとなっている(関連記事)。そのほか、新ステージKOFスタジアムには、背景にSNK作品のキャラが登場しステージを盛り上げる。アンディ・ボガードやビリー・カーンギース・ハワードなどの『餓狼伝説』のキャラクターや、KOFから麻宮アテナ、草薙京、八神庵、大門五郎、リョウ・サカザキなど、20体のキャラクターがゲストとして登場する。
一方で桜井氏は『餓狼伝説』の大事なキャラクターが不在であることに言及していた。今回不参戦になったのは不知火舞。不知火舞は、ナンバリング第二作目より登場するくノ一。不知火流忍術を継承しており、大きな扇子を武器として戦う。大きな胸と、露出の多い大胆な衣装を身にまとう人気キャラクターのひとりだ。桜井氏は、不知火舞の不参加の理由について「『スマブラSP』は良い子のCERO Aなので、出すことができませんでした。お許しください。」と、くだけながら説明している。
CERO Aとは、つまりCEROレーティングがA区分であるということ。『スマブラSP』はCERO A(全年齢対象)作品として通過している。それらのレーティングが変わる場合には、審査をし直すために販売停止や再発売するなどしなければならない。当然、幅広い年齢層のプレイヤーが遊ぶ『スマブラSP』をCERO Bに引き上げるつもりもないだろう。『スマブラSP』では、レーティング区分をあわせるために原作キャラの表現を調整する例はいくつかあり、たとえばスピリッツとして登場する『ゼノブレイド2』のヒカリは、原作の谷間が見え太腿を露出した衣装から、胸元が閉じ黒スパッツを履いた衣装に(関連記事)。『ファイアーエムブレムif』で露出の多いキャラのカミラもまた衣装が変更されている。いずれも自社タイトルである。
不知火舞は前述したように、露出の多いキャラである。これまでの基準を考えると、登場させるにあたっては、衣装になんらかの変更を加えることは必須。他社から借りているゲストキャラクター1体を手間をかけてアレンジし、レーティング機関と調整することを、躊躇した可能性があるだろう。ただし、今回の映像にて桜井氏が妥協なく追加ファイターを作ってきたと強調していたことを考えると、不知火舞の特徴(アイデンティティ)を変更してまで参戦させるということを、見送ったのかもしれない。
そんな不知火舞の不参戦が、国内外で話題を集めている。不知火舞がセクシャルであるということを、桜井氏が公に認めたこと。それによりレーティング機関に引っかかり、唯一彼女が参戦させられなかったことが笑いを誘い、国内では「不知火舞」だけでなく「CERO A」がTwitterのトレンドにあがる。そうした反応は海外でも同じであったようで、不知火舞をイジる投稿が大量に投下されている。
不知火舞に「エロ過ぎてスマブラから出禁を喰らった女」の称号が付いた
— ゲームブロガー双葉ラー油 (@daikai6) November 6, 2019
“Access Denied”#SmashBrosUltimate #SmashDirect #Mai #SmashUltimate pic.twitter.com/nKFGbnu6Ex
— RayDango (@ray_dango) November 6, 2019
主に突っ込まれているのが、「ベヨネッタが問題なく、不知火舞がNGである」という基準について。『ベヨネッタ』シリーズの主人公は、ベヨネッタ。天使を狩る魔女である。身体のラインがくっきりで、背中を大きく開けた衣装が特徴なほか、黒髪を使って魔神や魔獣を召喚する「ウィケッドウィーブ」発動時には、肌が露わになるといったセクシーな演出も。『スマブラ』シリーズに参戦においても、多少マイルドにはなっているものの、根本としてのデザインや演出は変わっていない。
そうした経緯もあり、ベヨネッタの参戦が許可され、不知火舞が門前払いとされたと、ユーザーは面白がっているわけだ。両者の差異については、よく見ればベヨネッタは背中を開けているものの、胸元や太腿は露出していないという大きな違いがある。胸元や太腿は、レーティング区分において重要視されるのかもしれない。『スマブラSP』に参加するために、胸元を隠した衣装を着るという、キュートな不知火舞のイラストなども投稿されている。
https://twitter.com/BeaPeaBear/status/1192115747255771136
#SuperSmashBrosUltimate #MaiShiranui pic.twitter.com/EmB8AJYdgi
— Fran (@franmm127) November 6, 2019
https://twitter.com/TheAfroSmash/status/1192085525060104193
また桜井氏は日本語では「『スマブラSP』は良い子のCERO Aなので、出すことができませんでした。」と表現しているが、英語では「Super Smash Bros. Ultimate is for good boys and girls of many different ages」と表現している。英語圏では、もちろん氏の本来の意図は伝わっていると思われるが、あたかも不知火舞が「boysとgirlsには良くない」ともいいたげな言い回しになっていたことが、ちょっとしたネタになっている。
Petition to rename the Streisand Effect to the Mai Shiranui Effect pic.twitter.com/IvHpCyyTuD
— Arlieth (@Arlieth) November 6, 2019
不知火舞こそ不参加になった『スマブラSP』だが、テリーの作り込みはもちろんのこと、20体のゲストキャラクターそれぞれが制作されている。サウンド面については、新アレンジを含む楽曲が50曲収録されるなど、コンテンツとしては盛り盛り。相変わらず、税込662円とは思えないほどぎゅっと中身が詰まった追加コンテンツとなっている。どうしてもNintendo Switchで不知火舞を動かしたいユーザーは、女体化したテリーも登場する『SNKヒロインズ Tag Team Frenzy』を購入してみるのもいいかもしれない。同作のCERO区分はDである。