『ボーダーランズ3』開発者がガンサウンドについて解説する動画公開。バレル長やグリップで変化する5500種類の銃声へのこだわり
『ボーダーランズ3』のシニア・サウンドデザイナー、Joshua Davidson氏が銃声の制作過程を解説する動画を公開している。『ボーダーランズ3』では10億以上のランダムに生成された銃が登場することが発表されており、銃声も数千種類以上が存在していることが報じられていた(関連記事)。マリワン社のスナイパーライフルに焦点を当てたこの動画では、『ボーダーランズ3』で進化した銃声の仕組みを説明している。
『ボーダーランズ3』には『ボーダーランズ2』の15倍となる5500種類の銃声が存在しているそうだ。『ボーダーランズ2』では、350種類程度の銃声が収録されていた。Joshua氏によればJacobsのピストルは武器のレア度やパーツに関係なく「Jacobsのピストル」の音であり、見た目や性能の違いはあれど銃声のバリエーションは比較的少な目。
『ボーダーランズ3』の銃はモジュール化されたパーツで構成されており、それぞれのパーツが銃声に影響を与える仕様になっている。『ボーダーランズ』1作目と2作目はXbox 360とPlayStation 3向けに開発されたためメモリーに制限があり、銃にはランダムな銃声が割り当てられていたそうだ。3作目ではマシンパワーの向上に合わせて、サウンドデザインの方法を抜本的に変え、武器のそれぞれのパーツが銃声に影響を与えるシステムが採用された。
Gearboxの公式YouTubeチャンネルにもサウンドデザイナーのチームが銃声のこだわりについて解説している。こちらはJacobsのピストルについて解説しており、バレルの長短やサプレッサーの有無といった見た目や性能のバリエーションが、銃声にも反映されている。長いバレルには小さめの銃声で抑制の効いた音源、短いバレルは大きな銃声で鋭い印象の音源と、銃の見た目に対応した銃声が割り当てられる。
さらに開発チームは銃声を、前述の中低音を担うバレルと高音を担うマズルフラッシュという要素に分割した。マズルフラッシュ用の音源はサプレッサーなどのパーツで抑制された銃声となり、銃口の燃焼ガスの流れを感じさせる音源が銃声に合成される。銃の精度を向上させるフォアグリップの有無も銃声に影響し、銃声を短く調整するなどして、性能の差を感じやすくさせているという。
今回のJoshua氏の動画はマリワン社製のスナイパーライフルにフォーカスして解説した。マリワン社製の銃はエレメンタル系のダメージに特化した未来的なデザインの製品。マリワンの銃には3種類のバレルがあり、弾速が速いレーザータイプと遅めのプラズマタイプ、ビームを発射するタイプと銃の挙動を大まかに決めているそうだ。さらにそれぞれのバレルには対応する「バレルMod」が用意されていて、リロード時間や精度を決めている。銃声もバレルタイプとバレルModに対応していて、それぞれに音源が存在している。
Joshua氏はシンセサイザーソフトを使い、マリワン社製スナイパーライフルの射撃音の制作を実演している。EDMの製作などで使用されるソフトで基礎となるバレル用の音源を制作してから、派生するバレルModに合わせた音源へ加工していく。さらにシンセサイザーで合成した音源に加えて、実際の銃の射撃音もマズルフラッシュの音源として使用。最終的にマリワン社のスナイパーライフルの音には6種類もの項目(バレルタイプ/バレルMod/マズルフラッシュ/チャージ音/射撃後の音/リロード音)が設定され、バリエーション豊かな銃声を実現している。
Joshua氏のYouTubeチャンネルには、ボスのマウスピースが使用していたスピーカーやマリワン社のドロップシップの音源などの制作を解説した動画もある。開発者向けの専門的な内容の動画かもしれないが、『ボーダーランズ3』の開発について知りたい方は覗いてみてはいかがだろうか。