『スマブラSP』関係者に“参戦キャラ要望”を送りまくるユーザーを、バンナム原田氏が一喝。迷惑行為であると退ける

バンダイナムコエンターテインメントの原田勝弘氏は、Twitter上にて『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』で特定のキャラクターの参戦を希望し、関係者にリプライ(メンション)を大量に送りつけるユーザーに警告を発した。

バンダイナムコエンターテインメントの原田勝弘氏は、Twitter上にて『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(以下、スマブラSP)』で特定のキャラクターの参戦を希望し、関係者にリプライ(メンション)を大量に送りつけるユーザーに警告を発した。

本日10月18日、アメリカのTwitterにて「#Sora4Smash」なるハッシュタグがトレンド入り(Trend 24)。このタグは、『キングダム ハーツ』シリーズの主人公であるソラを『スマブラSP』に参戦するように求めるキャンペーンタグである。このソラのトレンド入りに触発され、数多くのユーザーがお気に入りのキャラの参戦を求め、Twitter上で活発な動きを見せている。具体的には、日米任天堂公式やディレクターの桜井政博氏、そして開発を手がけるバンダイナムコのアカウントなどにメンションをつけて、リクエストを飛ばしまくるといったもの。そんな動きを見て、原田氏が立ち上がった。

原田氏は「クラッシュ」「ソラ」「アルル」「マスターチーフ」「ジョンジー」らの参戦を求める7ユーザーの名を具体的にあげ、あなたたちはスパマー(大量にメッセージをおくる迷惑行為者)であると通告。桜井氏とバンダイナムコの『スマブラSP』開発チームと話すので、これらの要望は受け入れられないだろうとコメント(※ 原文は「可能な限りあなたたちの要望が承認されないようになる」というテキストであるが、ニュアンスを和らげて表現している)。そして今後はミュートすると話し、別れを告げた。もしそれでも執拗に参戦要望を送り続けるのであれば、それは桜井氏や開発チームの邪魔をしていることになると警告。参戦リクエストを送るならば一回のみにするべきで、自分達にスパムをしないでくれと訴えかけている。開発者は、スパマーやテロリストとは話をしないとも。
【UPDATE 2019/10/18 22:55】
原田氏の「your request will NOT be approved as much as possible.」の訳について、注釈を入れました。

原田氏の主張に対して弁解するユーザーもおり、そうしたユーザーは仲間が不便をかけていることを申し訳ないとしながら、参戦リクエストを送り続ける人々はスパムしたいのではなく、関心を分かち合いだけだと説明。原田氏はこうしたユーザーの弁解に対し、「XX for smash」というタグは、無関係な話題や無関係な人々にタグ付けられトラブルのもとになっていると反論し、そうしたハッシュタグがスパムになっているとコメント。実際に原田氏はこのハッシュタグに巻き込まれており、迷惑を被っていると話している。

一方、原田氏はユーザーに耳を傾ける姿勢はあるとしており、意見やリクエストやフィードバックは歓迎して聞くとしている。ただし、大量のタグ付けスパムは通常のコミュニケーションを迫害し、そうした行為は歓迎していないとスタンスを明確にした。また、スパム行為をするユーザーがゲーマーのイメージを悪くしているが、多くのゲーマーが原田氏をリスペクトしていると訴えかけるユーザーに対しては、99%のゲーマーはスパマーではなく、ごく少数のみがイメージを悪くしていることはわかっていると返信。一方で、そうした少数の大きな声が大多数だと誤解されることもあり、苛立たしいものであると嘆いている。

https://twitter.com/xNMCx/status/1185088442012700672

実際のところ、『スマブラSP』への参戦希望スパムを送りつけるユーザーは大量に存在している。1400万本以上を売り上げ、全世界で屈指の人気を誇るオールスターゲーム。実は昨年11月にも桜井氏は、自身のTwitterアカウントにて大量の参戦要望を送りつけるのはやめてほしいという旨のメッセージを英語圏向けに出していた(関連記事)。桜井氏が直に声明を出していながらも、止まない参戦要望に、開発チームであるバンダイナムコ関係者として原田氏が声をあげた形だ。エスカレートする参戦要望の動きに自重を求める原田氏の声明は、多くのユーザーから支持を得ている。

原田氏から名指しされたユーザーたちの反応はそれぞれ異なっており、たとえば原田氏の呼びかけを受けてショックを受け氏に長文の謝罪をするユーザーや、コミュニティのためにそうした運動をすることはやめないと決意を固めるユーザー、原田氏から反応がきたことではしゃぐユーザーなどもさまざま。どうやら迷惑行為であるという自覚のなかったユーザーも多いようだ。参戦希望運動を起こすコミュニティの中でも、スパム行為の是非を問う議論が生まれており、少なくとも氏の呼びかけは問題提起として機能しているように見える。

いくら名のしれた著名人とはいえど、無関係なリプライやメッセージ性のないメンションが大量に飛んでくれば、参ってしまうのは当然。ファンの声を大切にし、個別にリプライをおくることは珍しくない原田氏のような人物にとっては、スパムはなおさら苦痛なものだろう。多くの国内ユーザーはこうしたスパム行為とは無縁かと思われるが、改めてそうした参戦リクエストの大量送信について、その意味が見直されることを期待したい。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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