Nintendo Switch『Untitled Goose Game』はそんなに面白いのか。『ゴーストリコン ブレイクポイント』果てなき装備品収集。さくっと『Hexcells』をプレイ。今週のゲーミング
Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。203回目です。
酷なキルカム
今週はNintendo Switch版『Sniper Elite 3 Ultimate Edition』が海外発売されまして、他機種にてプレイ済みですが、今回追加されたジャイロ操作を試したくなり購入。本作の場合、常用するというよりスコープを覗いてからの微調整用ですね。スティックで大まかなあたりをつけて、ジャイロで寄せていく感じ。Joy-Conのスティックでは精密な狙撃は難しいですが、はるか遠くにいる敵の“ナッツ”であっても、これなら難なく撃ち抜ける。このシリーズでは、毎回そんなキルカメラ見たさにプレイしてしまう。
ちなみに、Nintendo Switch版は日本語表示に対応しており、これに合わせてSteam版にも日本語が追加されました。また12月19日には、パッケージ版として国内発売されるようです。移植具合は申し分なく、ロードも速い。またジャイロ操作以外に、ローカルマルチも追加されています。
by Taijiro Yamanaka
ロンリー
ボリュームが多い作品ばかり遊んでると、たまに短くてサクッとプレイできるゲームがしたくなる。そんな欲求を満たしてくれたのは『Hexcells』でした。大量に並んだ六角形を塗りつぶせるのか否かの二択を判断していくパズルゲームです。ほかのゲームで例えると、マインスイーパやピクロスが近いでしょうか。ランダム要素は徹底的に排除されており、与えられたルールのなかでロジックを積み重ねていくことでのみ、クリアできるようになっています。最初のほうは簡単ですが、進めるにつれてルールが追加されて複雑に。ただしパズルゲームによくある、ひらめきは必要ありません。ひたすら論理的思考を求められます。こう説明すると難解な印象になりがちですが、実際にプレイしてみるとゲームの導線がしっかりしているためか、誰でも熱中できるかと。そしてアンビエントなバックミュージックが集中力を引き立たせてくれます。このミュージックですが、癒されると同時にどこか寂しさを感じさせるというか、やわらかい孤独感に襲われる感じがする。僕だけですかね。
by Nobuya Sato
アップデート待ち
『ファントムローズ』は、makaroll氏が開発したローグライク要素のあるデッキ構築型カードゲーム。Steamで8月にリリースされた、メイドのレイナがファントムの跋扈する屋敷の中を探索し、メイドを助けたり主人を探して彷徨う作品です。『Slay the Spire』に影響を受けたタイトルの一つで、キュートで可愛いグラフィックと、使い捨てのカード群が本作の特徴となっています。
リリース当時から定期的に遊んでいるのですが、最初の頃は敵が強い割にカードが使い捨てであることも相まってリソースが乏しく、進めば進むほどどんどんジリ貧になっていく印象でした。しかし、アップデートが精力的に続けられており、10月4日に行われたハロウィンアップデートでは、ハンドのカードを交換する「リドロー」機能が3枚からの選択性に。狙ったカードが引きやすくなったことで、リソースを使ったギャンブルから、現実的に使える選択肢となり、かなり遊びやすくなっています。万人にオススメできるわけではありませんが、『Slay the Spire』と似たなにかを探している方や、グラフィックに釣られた方は、セールで手を出してみてもいいかもしれません。ちなみに、『ライザのアトリエ』本編はクリアしたのでアップデート待ちです。
by Keiichi Yokoyama
ヒットの理由探り
国内外でやたらとバズっている『Untitled Goose Game 〜いたずらガチョウがやって来た!〜』のNintendo Switch版をプレイ。ネットミームになったり、専用コントローラーが作られたり、RTAが盛り上がったり。日本・北米のニンテンドーeショップではランキング上位を走っていたりと、何かと話題に出てくるゲーム。発売当初は別タイトルに忙しかったのですが、1週遅れでプレイしてみました。
プレイしてみた感じ、本当に見た目/宣伝どおりの楽しいゲームです。ガチョウの操作はちょっとクセがありますが、直感的に遊べます。醍醐味はインタラクション。いたずらをした際に、NPCがいい感じに反応をしてくれる。その連鎖が楽しい作品ですね。わかりやすくて、ガチョウがかわいい。『GTA』みたいと呼ばれるようにほどよく自由度が高い。そういうところが盛り上がっているんでしょうね。……とはいえ、一方でそんなに売れまくるのか!?という感想もあったり。これはネガティブな気持ちではなく、売れるゲームというのは、わからないなあという感想です。ひとり向けゲームですが、複数人で遊びやすいという評価も。確かに、クリアしてもなんとなく遊び直したくなるゲームではあります。
by Minoru Umise
心に麻酔を打って遊ぶ
『ゴーストリコン ブレイクポイント』をクリアし、今後もライブサービスとして遊び続けたいかと聞かれると、ちょっと口ごもってしまいます。サバイバルやRPG要素の追加、有名俳優の起用といった、宣伝しやすいキャッチーな足し算が中途半端に組み合わさっているという印象を受けました。もちろん舞台となるアウロア島は美しく、鑑賞対象として優れています。しかしながら前作のボリビアとは違い、ときおり魂が抜けているようにも感じます。悪役ウォーカーを演じるジョン・バーンサルの演技は、登場時間こそ少ないものの、目を引き付けるものがあります。ただ大半のNPCはフェイシャルアニメーションや声(英語の場合)が現代AAAタイトルとしては劣り気味なこともあり、バーンサルの演技が本来よりも光って見えているというのも事実です。
装備レベル差があっても敵兵はヘッドショットで一撃なので、軽RPG化により敵が不必要に固くなったとは感じません。性能差がプレイ体験にさほど影響を及ぼさないため、RPG化は面白さにつながっていないのではないかという疑問はあります。ただ装備品の果てなき収集は、ライブサービス化にあたり、同じ拠点を繰り返し制圧するインセンティブとして必要なのだとは思います。敵基地に侵入し、ドローンで偵察し、狙撃銃で頭数を減らし、敵に発見されたら暴れまわるといった前作のルーティンが好きだった方にとって悪いゲームだとは思いません。しかしながら明確に面白くなった点を指摘することが非常に難しいという理由で、内心苦しんでいます。
by Ryuki Ishii