PCゲーム『EARTH DEFENSE SATELLITE』無料化。月を引力で振り回して、宇宙戦艦を破壊するゲーム

インディーゲーム開発者のニカイドウレンジ氏は8月27日、月を使って地球を防衛するアクションゲーム『EARTH DEFENSE SATELLITE』を無料化した。ユーザーがゲームの価格を決めるName your own price形式にて公開されている。

インディーゲーム開発者のニカイドウレンジ氏は8月27日、月を使って地球を防衛するアクションゲーム『EARTH DEFENSE SATELLITE』を無料化した。『EARTH DEFENSE SATELLITE』は、東京ゲームショウ2017内のイベント「センスオブワンダーナイト2017」にてベストプレゼンテーションアワードを獲得し、同年にItch.ioにてリリースされていた作品。対応プラットフォームはPC。無料化されたことにより、現在はユーザーがゲームの価格を決めるName your own price形式にて公開されている。

『EARTH DEFENSE SATELLITE』は、地球を操作し、引力によって月を振り回して防衛するアクションゲームだ。舞台となるのは、敵の宇宙戦艦が地球を破壊しようとしている世界。月と同等のサイズ感を誇る宇宙戦艦は、次々と周辺宙域に現れ、レーザーを放って地球の存亡を脅かしてくる。一方の地球には行動範囲が定められており、宇宙スケールの戦いを前にして、出来ることはその範囲内を動き回るだけ。レーザーに当たると地球のHPが削れてしまうが、地球自身に核ミサイルなどの攻撃手段は用意されていない上、ハリウッド映画のようなスペクタルも起こらず、滅亡待ったなしの状況となっている。

そこで役に立つのが、いつも夜空に浮かぶ太陽と対の存在にして、地球の衛星である月だ。本作における月は、何があっても地球の引力に囚われており、地球が動くことで月も引っ張られて位置を変えていく。その月をぶつけることによって、敵の宇宙戦艦が破壊できる。月はとても頑丈で、同サイズの宇宙戦艦にぶつかっても満ち欠けは起きない。安心してぶん回そう。ただし、月は地球も一撃で葬り去る。宇宙戦艦以上の驚異でもあるので、地球自身がぶつかってしまわないように注意しなければならない。

本作の特徴は、月を振り回す独特の操作感だ。月を宇宙戦艦にぶつけるためには、上手く引力で月を引っ張り、狙った軌道に飛ばす必要がある。一定範囲から動けない地球から、ある程度離れた周回軌道を取らせることや、引力が距離によって強まることも相まって、操作にはコツがいる。

反面、狙った軌道で飛ばせた時の爽快感は本作ならではのもの。ゲームパッド使用時には、引力によって引っ張られているかのような振動もあり、気持ちの良いゲームプレイが実現されている。ゲームモードは標準的なハードと、より宇宙の範囲が広がったウルトラハードの2種類。どちらもWave形式で、数種類の宇宙戦艦が地球へと襲いかかってくる。スケールの大きなゲームが好きな方や、一風変わった小作品が好きな方は、まずはダウンロードしてみてはどうだろう。

なお、2017年にリリースした作品だけあって、開発者のニカイドウレンジ氏には、本作に対する反省点があるという。地球と月を紐で連結するアイデアや、月が地球と近い場合に重力を無くすこと、敵の攻撃にゆっくり飛んでくる弾を入れればよかったことなどが、Twitter上では語られている。氏がゲームデザインを手掛けている、2019年内にリリース予定のiOS/Android向け作品『ロケットパズル』の仕上がりに期待が持てそうだ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

Articles: 2555