海外ファン、「マリオメーカー」にならい『ゼルダメーカー』を開発する。現在アルファバージョンが無料配信中

2015年9月、『スーパーマリオブラザーズ』30周年を記念してWii U向けタイトル『マリオメーカー』が国内外で販売された。

2015年9月、『スーパーマリオブラザーズ』30周年を記念してWii U向けタイトル『マリオメーカー』が国内外で販売された。同作は『スーパーマリオブラザーズ』シリーズに登場するコースを自分でクリエイトすることができるタイトルで、ほかのプレイヤーが公開しているコースに挑戦したり、あるいは自身の力作をオンライン上で共有することができる。この『マリオメーカー』にならい、海外のファンが無許可で『ゼルダメーカー』なるタイトルの開発を始めているようだ。

『ゼルダメーカー』の開発を進めているのはJustin Sink氏なる人物で、アルファバージョンの映像がYouTubeへとアップロードされている。『マリオメーカー』と同様、プレイヤーは『ゼルダの伝説』のルールの上でマップを制作し、ほかのプレイヤーと共有できる。開発はまだ始まったばかりだが、すでに『ゼルダの伝説』シリーズに登場する敵やアイテム、地形にメカニックなどはひととおり搭載されているようだ。

もちろん『ゼルダの伝説』は任天堂のIPであり、Sink氏の制作している『ゼルダメーカー』は明確な著作権違反だ。Sink氏もそのことは理解している模様で、おそらく任天堂はこのプロジェクトの開発停止を求めてくるだろうと伝えている。またそうなった場合には、Sink氏は『ゼルダメーカー』内のスプライト(絵)を変更できる機能や、『ゼルダの伝説』には無い体験を導入したいのだという。つまり現時点では『ゼルダメーカー』だが、任天堂からの開発停止命令が下れば、『ゼルダの伝説』要素は省くということだろう。

なお2015年9月のGame Informerによるインタビューにて、任天堂の手塚卓志氏と押野洋介氏は『ゼルダメーカー』が今後登場するかどうかについての質問を受けている。両名は『ゼルダメーカー』を作るとするのなら、難しい挑戦になるだろうとの考えを示していた。実際に1コース数分で終わる『スーパーマリオブラザーズ』とは異なり、『ゼルダの伝説』は広大なマップ上で立て続けに冒険を描く作品である。ダンジョンごとに区切ったり、あるいは共有したワールドが自動的につながるといった機能がないと、作るにしてもプレイするにしてもしまりのない体験となりそうだ。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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