「GWにゆるくオススメしたいインディーゲーム」第九弾、電波系弾幕STG『Mecha Ritz:Steel Rondo』

『Mecha Ritz:Steel Rondo』は、電波系弾幕シューティングだ。 極彩色で彩られたグラフィックとピコピコFM音源のサイケデリックなBGMが五月病手前の脳にスーっと効くドラッギーな作品である。

編集部より:
ゴールデンウィーク向けとして、各ライターに好きなインディーゲームに紹介してもらうという本企画。発売時期やプラットフォーム、価格など問わず、ただ好きなインディーゲームを紹介する。非常にゆるい企画なので、ゆるい気持ちで読んでいただければ幸いだ。第九弾『Mecha Ritz:Steel Rondo』をお届けする。筆者はTakumi Kuriki氏である。

 

『Mecha Ritz:Steel Rondo』は、電波系弾幕シューティングだ。 極彩色で彩られたグラフィックとピコピコFM音源のサイケデリックなBGMが五月病手前の脳にスーっと効くドラッギーな作品である。

ツインテールで白衣を纏う理系少女のヴェローチェ、その正体は機械生命体「Mecha」によって全人類を滅亡させた張本人。 世界は彼女の描く現代アートの一部にされてしまった。 しかし、無惨に駆逐された全人類の無念がある1機のMechaに自我を生み出す。 プレイヤーは全人類の最後の希望となって、灰色の空を駆け抜けることになる。

初めてこのゲームをプレイした時、縦スクロールの弾幕STGなのに「まるで『REZ』みたいだ」と感じたのを今でもよく覚えている。 自機の行動に合わせて鳴るゴリゴリの電子音のなんと心地良いことか。 敵が破壊された時の爆破音ひとつを取っても、「ドカーン!」ではなく「ブヨヨーン」とか「ピリリ」といったなんとも形容しがたい音が返ってきて、いちいち脳が揺さぶられる。 FM音源を活用したテクノ指向のBGMも最高にサイケデリック。 レトロでありながら斬新さもあり、本作の世界観はこのBGMに規定されていると言っても過言ではない。

主人公機の境遇は絶望的で、鬱々とした灰色の背景がすでに終わってしまった世界を退廃的に描写している。 その一方で、デモではラスボス少女の優雅な暮らしが描かれ、たくさん出てくる(40体!)ボスたちの登場メッセージはだいたい不真面目。 このチグハグさがゆるい電波感につながっている。 その味わいはマイルストーン製STGに近いものがあるかもしれない。

猛々しい腕で大活躍 運び屋 コメダ

わんさかと押し寄せてくる敵と敵弾をショットとボムで切り抜けていくシンプルなシステムだが、ボムやシールドは贅沢に支給されるのでトリガーハッピーなプレイ感で遊ぶことができるだろう。 特徴的なのはランクシステムと時間制限の存在。 ランクが存在するSTG自体は特段珍しいものではないが、本作はその影響が上にも下にも非常に劇的なのだ。 ランクが下限近くまで下がると自機の目の前で敵弾がどんどん消えていくのが面白い。 とはいえランクはゲームの進行速度にも影響するため、ランクを下げて安全にプレイしていると制限時間が切れてラスボス少女に門前払いをくらったりするので気をつけよう。 大盤振る舞いされるアイテムはアグレッシブなプレイのためにあるのだと心得たい。

制作者は日本人のユキショウヘイ(HEY)氏。 もともとフリーゲームとして配信されていたゲームだが、Steam版はグラフィックやBGMなどへ大幅なアップデートがなされている。 購入する際は是非サントラもご一緒に。

Takumi Kuriki
Takumi Kuriki

気になった国内外のゲームをつまみ食いしながら過ごしています。LoLとハクスラは一生の友達。

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