「GWにゆるくオススメしたいインディーゲーム」第二弾、お気に入りのカクテルのような『Osmos』

私が『Osmos』を購入した理由は単にbit Generationsの『ORBITAL』に雰囲気が似ていたからだ。bit GenerationsのArt Styleシリーズのアンビエントな音楽、お洒落な雰囲気が大好物だった私にとって、『Osmos』はまさに至高のゲームだった。

編集部より:
ゴールデンウィーク向けとして、各ライターに好きなインディーゲームに紹介してもらうという本企画。発売時期やプラットフォーム、価格など問わず、ただ好きなインディーゲームを紹介する。非常にゆるい企画なので、ゆるい気持ちで読んでいただければ幸いだ。第二弾『Osmos』をお届けする。筆者はMasahiro Yonehara氏である。

インターネットの普及に伴いゲームのダウンロード販売が登場し、インディーゲームという概念が定着したのは2009年頃ではないか。日本でもXbox LIVE Indie Gamesのサービスがはじまったり、あの『Minecraft』が登場した年でもある。私はその頃パッケージ版のゲームよりもPlayStation StoreやXbox Live Arcade、ニンテンドーWiiウェアやDSiウェアのダウンロード専用ソフトが大のお気に入りだった。既に社会人だった私にとって、大作ゲームをプレイする時間を工面するのは難しく、ダウンロード専用ゲームは「仕事帰りに気軽に立ち寄れて、尚且つ安い立ち飲み屋」のようなもので、ゲーム欲を気軽に満たしてくれる実にありがたい存在だった。インディーゲームとの出会いも、丁度そんな時だった。そして当時の私にとって『Osmos』は立ち飲み屋ではなく、好みのカクテルを出してくれるお洒落なバーのようなゲームだったのだ。

私が『Osmos』を購入した理由は単にbit Generationsの『ORBITAL』に雰囲気が似ていたからだ。bit GenerationsのArt Styleシリーズのアンビエントな音楽、お洒落な雰囲気が大好物だった私にとって、『Osmos』はまさに至高のゲームだった。対応プラットフォームはPC(Steam)で、iOS/Android向けに配信中。

『Osmos』はぼんやり輝く球体で自分より小さな球体を取り込んでいくシンプルなゲームだ。自分の質量を少しずつ放出することで作用反作用で進むことができる。質量を放出するので、放出を続ければ本体は次第に小さくなる。小さくなれば逆に自分より大きな球体に取り込まれてしまうというジレンマがゲームの核心部分だ。ルールは「一番ビッグになる」という矢沢永吉っぽいモードや、質量を放出しながら敵と大きさを競いあうモード、巨大質量の引力の渦の中で巨大化を目指すモードなどがある。

2019年現在、私は『Osmos』を42インチの巨大モニターでプレイしている。没入感は22インチモニターだった10年前の比ではない。グラフィックは今でも美しいし、アンビエントな雰囲気は画面の大きさに比例して豊かになる。令和になる今年、『Osmos』をはじめ多くのインディーゲームが10周年を迎える。しかしインディーゲームの輝きは、不思議と時が経過しても色褪せることがない。小さな画面で持ち歩けるスマホ版『Osmos』もまた、私にとっては「わずかな暇をみつけてプレイできる一杯のお気に入りカクテル」であり続けている。

Masahiro Yonehara
Masahiro Yonehara

ゲーム世界の散策とスクリーンショット撮影を趣味にしています。コア、カジュアルを問わず、ハードルが低く奥が深いゲームに惹かれます。

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