『League of Legends』 君が操作するチャンプを把握するために スキル編

AUTOMATONの『League of Legends』シリーズ企画「Super LoL Rocket!!」にて連載中の初心者向け講座。第3回の「『League of Legends』君が操作するチャンプを把握するために ロール編」に引き続き、第4回は「スキル編」として、各チャンプを彩るスキルについての"読み方"を紹介する。

基本的には選んだチャンピオンのスキルについて入念に確認し、動画などの例を見てイメージし、さらに実際に使用してみる、という流れが理想的だ。スキルの詳細な内容についても公式を見るのが確実だろう。日本語版のWikiを参照しても問題ないが、最新情報に更新されていないかもしれない、という点だけは気に留めておこう。

 

  1. 『League of Legends』最初の一歩を踏み出すために
  2. 『League of Legends』基本ルールと専門用語で戸惑わないために
  3. 『League of Legends』君が操作するチャンプを把握するために ロール編
  4. 『League of Legends』君が操作するチャンプを把握するために スキル編
  5. 『League of Legends』君が操作するチャンプを把握するために パラメータ編
  6. 『League of Legends』 君が操作するチャンプを把握するために アイテム編

 


各チャンプは5つのスキルを持つ

 

基本能力も勿論だが、何よりもチャンプの性能、性質を決定づけているのはやはりスキルである。多くのチャンプは原則として以下の5つのスキルを備えており、固有の戦術やコンビネーションを形成している。

Passive

常時効果が発揮されているか、特定の条件下で自動的に効果を発揮するスキルが割り当てられている。チャンプの基本的な使い方に関わる事も多いのできちんとチェックしよう。特定条件で自動的に効果を発揮するタイプの場合、再度使用可能になるのに180秒以上の長時間を要するものもあったりするので注意が必要だ。

Skill(Q/W/E)

Lvアップと共に取得・強化していく事ができるスキル。通常はキーボードのQ/W/Eにキーが割り振られているのでこう呼ばれる。ほとんどのスキルはキーを押して使用するアクティブスキルだが、一部は常時効果を発揮するPassiveスキルや、Passiveの効果と両方得られるようなスキルも存在する。

Ultimate(R)

基本的にはLv6から取得可能なスキルで、言うなれば超必殺技。キーは通常Rが割り振られている。効果は強力無比だが、そのかわり一度使うと再使用可能になるまでの時間が長いものがほとんどである。当然だが、Rのスキルが例外的な効果になっているチャンピオンも多少存在している。そのあたりは個別のチャンピオンに関する資料を参照してほしい。

 


スキルで注目すべきポイントは「効果」と「指定方式」

 

どんな効果がメインなのか?

主にどういう効果がメインとなっているのかを見てみよう。
勿論チャンピオンによってはこれまた例外が色々あるが、多くの場合は

・ダメージを与える。(物理、魔法、True)

・相手の行動を妨害する(スタン、打ち上げ)

・相手の能力を下げる(Armor低下、移動速度低下)

・自分/仲間を強化する(攻撃力UP、移動速度UP、シールド等)

・Health等を回復させる

・高速で移動する(瞬間移動・移動速度UP等)

などの性質を有するものが多い。さらに細かく挙げると

・相手の攻撃を無効化する

・ステルス状態になる

・ステルス状態を無効化する

・敵を引き寄せる

・別形態に変身する

・壁を発生させる

・倒されても復活する

・その他

といった様々な効果、あるいはその組み合わせを持っている。

 


どんな方式で対象へ使用するスキルなのか?

そのスキルを使うときにどんな形で対象を指定するのかを確認しよう。これは、「そのスキルがどのぐらい確実な効果を期待できるか」に関わるので、実際のプレイ時に非常に重要な要素となる。

・対象指定

対象になるチャンピオンやミニオンを直接指定する方式。効果が確実に発揮されるため信頼性は高い。

・方向指定

スキルを発射する方向を指定する方式。概ね対象指定のスキルより高威力だったり、貫通して複数の敵に当たるなどといった差別化がされている。弾速にもよるが軸がズレると回避されたり狙いを外したりする事もあり、慣れないうちは効果を引き出せない事もある。

・範囲指定/地点指定

方向指定とは若干異なり、ある地点を指定するとその周辺に効果が及ぶタイプ。実際の指定から効果発動までの時間の遅れ等で使用感はまちまちだが、方向指定同様に練習が必要になる事もある。

・対象指定不要

自分に対してシールドを張るとか、次の通常攻撃を強化すると言ったようなタイプのスキルは、ボタンを押すだけで自動的に効果が発揮されるので信頼性は高い。また、自分を中心に攻撃判定が発生するタイプもこれに近い。

 


その他の無視できない要素色々

・コスト

ほとんどのチャンピオンのスキルはManaコストを要求する。GarenやKatarinaなどの一部チャンプは全くコスト不要であったり、和風世界観出身のニンジャ系チャンピオン達は気(Ki)を使ったりするが、基本的にはスキルを使うたびに要求されるコストが存在する。Manaの量やMana回復能力とのバランスを見ることで、「そうそう使えない一発技」なのか「気軽に使っていけるジャブ」なのかを見る事ができる。この連載の以降の回でもう少し詳しく取り上げる予定だ。

・CD(Cooldown)

ほぼすべてのスキルに設定されているのがCDである。CDとは一度使ったスキルがもう一度使えるようになるまでに必要な時間であり、単位は秒で表記される。強力なUltimateの多くは100~80秒程度の非常に長いCDを要求してくる。一方でCDが2~3秒程度の、連射するような使い方を想定しているスキルも存在する。

・射程

効果の方を重点的に見ていたが、もちろんスキルの射程は非常に重要な要素である。通常、スキルの射程が相手よりも長ければ打ち合いでは優位に立ちやすいし、そうでない場合は覚悟なり戦略なりを持って相手と相対する必要が出てくる。

 


スキルセットについて考える

 

チャンピオンのスキルを一通り確認したら、実際にそれらをどのように組み合わせて戦うのかを考えてみる必要がある。もちろん実際にプレイしている動画を見てみるのも良い。例えばAmumuの場合を考えてみよう。

 

ケーススタディ:Amumu

Tank、Junglerとしてその性能が設定されているチャンプ。
Tank、Junglerとしてその性能が設定されているチャンプ。

Amumuのスキルについては、Riot Gamesの公式サイトに掲載されているほか、日本語wikiで翻訳されたものを確認できる。また、チャンプとそのスキルについての動画を見る事もできる。チャンプ名+Spotlightで検索することで他のチャンプについても同様の動画を見られるだろう。

まず第一に気づくのは、「Cursed Touch」を除くスキルが全て魔法ダメージを与えるという点である。そして、「Cursed Touch」の効果は「通常攻撃で攻撃した相手のMR(魔法防御力)を低下させる」とある。つまり、通常攻撃することによって他のスキルのダメージをさらに効率よく与えることができるのだ。

このようなあるスキルが別のスキルの効果をより引き出すように働くことをシナジーと呼ぶ。チャンプ単体の持つスキルの中でシナジーすることもあれば、他のチームメイトと組み合わせることでより強力になる例もある。色々想像したり試したりして効果的な組み合わせを見つけていくといいだろう。

Q/W/E/Ultの各スキルについても順番に確認していこう。

「Bandage Toss」はスキルを当てた対象の場所までAmumuが移動するスキルで、見た感じは「飛びつき」といった形に見える。1秒間相手が一切行動不能になる点も強力で、何か厄介な動きをしようとした相手の貴重な1秒を奪う事ができる。

残った三つのスキルである「Despair」、「Tantrum」、「Curse of the Sad Mummy」は、いずれもAmumuを中心として周囲に影響を及ぼすスキルという点で共通しており、それ以外の点ではそれぞれに異なる特徴を持っている。「Despair」は、効果をONにしている限りダメージを与え続けるため、生存している時間が長いほど周囲の敵に破滅的なダメージを与える事が可能である。「Tantrum」は、Passiveのダメージを軽減する効果と攻撃されるたびにCDが減少する効果がシナジーしている。そしてUltである「Curse of the Sad Mummy」は、Amumuを中心とした広範囲のキャラクターの移動と攻撃を2秒間止めるというすさまじい効果を持っている。

以上を踏まえると、Amumuは、

「Bandage Toss」で相手チームの中核(耐久力の低いMarksmanがねらい目)に飛びつき、そのまま他のスキルを使って周囲に出来る限りの被害を与え続ける。「Curse of the Sad Mummy」でまず相手の反撃の意図を挫き、耐えられる限り「Despair」と「Tantrum」を使って戦う。時折通常攻撃を行うと「Cursed Touch」の効果で魔法ダメージを与えやすくなってなおよい。

というような動きをすることがわかる。
これは試合のある局面(いわゆる集団戦と呼ばれる、多数同士でのぶつかり合い)を想定した、いわば動き方の一例だ。試合中の各時間帯に合わせて、その時に最適と思われる行動を見つけていくのが理想といえる。

 


動画を見てみる

 

実際に自分より上手いプレイヤーがチャンプを使っているシーンを見て、それを真似るというのは重要な行程だ。そもそもスキルのコンビネーションや、基本的なハラス(Harass、嫌がらせ行動の総称)の手順についてゼロの状態から試行錯誤を続けるというのは、結構な負担となるのは確かだ。適切な動画を探し、それを参考にしてチャンプの動きを模索していくのは悪くない選択肢という事になる。

たとえば「チャンプ名 + Spotlight」「チャンプ名 + LCS + S5」「チャンプ名 + Guide + S5」といった組み合わせで検索をかけてみるといいだろう。Spotlight以外については情報の鮮度も問題になるのでシーズン5を意味する「S5」を加えている。もしファンになっているプレイヤーが居るなら、その名前を検索語に加えてみるというのも楽しい選択だ。

 


最後に

さて、選んだチャンプのスキルについて新しい視座は得られただろうか?

一気に間合いを詰めて撃破する、足を止めてダメージを積み重ねる、耐え続ける限りすさまじいダメージを叩き出す。チャンプは各々に設定されたロールを実現するために様々なスキルを備えている。それらを試行錯誤しながら少しずつ習熟していけばチャンプの能力を十分に引き出せるようになるだろう。

百聞は一見にしかず、百見は一如にしかずだ。

 

[記事原案 ユラガワ@Team Wired-Lynx]
[構成編集 岡野繁浩]

Shigehiro Okano
Shigehiro Okano

京都在住。ゲームと名のつくものはとりあえず食べる雑食系。FPS、格闘ゲーム、MOBA系が最近の主食。アナログゲームにも目がなく、和製、海外製を問わない。最小限のコンポーネントによる洗練された小さなゲームが好み。

TRPG関係書籍ではライティングやリプレイ参加もしている。趣味はドラム演奏と八極拳。どちらも最近練習する時間がなかなかとれず難儀している。

記事本文: 12