『鳴潮』Ver3.0実装予定の「バイク」に先行して乗ってきた。高速爆走も、キャラの二人乗りドライブも、痛バイク遊びもできちゃう、乗っても見ても楽しい面白乗り物
バイクによる探索は端的にいってかなり自分好みだった。最高とすら言っていい。その理由を、4つの項目に分けて語っていきたい。

KURO GAMESは『鳴潮』Ver3.0「星空を瞳に映して」を、12月25日より配信する。同バージョンでは、主人公が学園生活を送ることのほか、中世ヨーロッパ風だった直近のVer2.X台とは異なる現代的な学術都市を舞台としており、SFの世界観が色濃くでている。
そんな『鳴潮』のVer3.0をひと足早く体験する機会を得た。中国・広州で行われたメディア向け試遊イベントに招待され、約2時間試遊した感想を本稿でお届けしたい。なお、今回の試遊には新ストーリーは含まれていなかったため、新要素のバイクを中心とした探索重視の試遊となったことをあらかじめお伝えしておく。詳細はこのあとに述べるが、バイクによる探索は端的にいってかなり自分好みだった。最高とすら言っていい。その理由を、4つの項目に分けて語っていきたい。
1.バイクはVer3.0のSF世界観のぴったりの探索手段
そもそも『鳴潮』は、移動が際立って快適なオープンワールドのゲームだ。リリース当初から崖を垂直に駆け上がるスピードは速かったし、Ver2.0からは空を自由に飛ぶことのできる「ソアー」と呼ばれる探索機能が加わった。ソアーの高い快適性はほかのオープンワールドと一線を画しており、プレイヤーにとっては快適そのものだった。
しかし、ソアーがVer2.0でプレイヤーから受け入れられたのは、Ver2.X台の舞台が中世ヨーロッパ風の「リナシータ」であったことも影響していると考えられる。ファンタジーなら羽の翼で空を飛んでも許容できる。一方で、現代的な学術都市であるVer3.0の舞台である「ラハルロイ」にマッチしないおそれもあるだろう。そうした意味では、Ver2.0からVer3.0の変化に応じて、世界観にふさわしいバイクを新たな移動手段に採用したことは賢明な判断だといっていいだろう。
バイクは主人公が新入生として入学するスタートーチ学園で流行しており、いわゆる「オタクに優しいギャル」である新キャラのリンネーも、バイクにかなりハマっているようだ。メインストーリーは体験できなかった今回の試遊ではその詳細はわからなかったが、どうやら学生たちの間でもバイクは人気の高い趣味のひとつとなっている模様。それだけ、バイクは新マップのラハルロイで暮らす人たちにとって必要不可欠なものとなっている。
公式PVでは主人公とリンネーがバイクでツーリングしているようなシーンも存在したので、2人は共通の趣味であるバイクを通じて仲良くなっていくのかもしれない。放課後にちょっとした買い物に出かけたり、休日は待ち合わせをしたりと、あるかどうかもわからない展開に期待してしまう。青春はだれにとっても懐かしく、現実では過ぎ去ってしまったとしても……ゲームで体験できるものなら何度でも体験してみたい。

2.楽曲をBGMで自動運転で移動できる探索の充実感が最高
バイクはあくまで地上での乗り物。空を好きに飛べるソアーから移動の利便性が劣化してしまったのではないか、という意見があるとして、筆者も理解できる。ソアーは導入当初こそ操作方法や使えるエリアが限定されていたが、度重なるアップデートによって空の探索は改善してきたからだ。それから地上に戻ってしまうのは、いささかもったいないと言えるだろう。
しかし、そうした事情を踏まえてもVer3.0の移動モジュールとしてバイクを選んだ開発陣は正しかったと考えている。そもそもVer3.0で搭載されたバイクは空を飛ぶことこそできないが、ちょっとした段差や坂道をも進んでいくことが可能だ。バイクに乗った状態でもフィールドに落ちているアイテムはそのまま拾えるし、移動しながらのアイテム収集などはソアーよりもバイクのほうが利便性が高い。
そして、バイクにナビ機能が搭載されたのも便利。ナビに目的地をセットすれば推奨ルートがミニマップなどにも表示され、そのルートをバイクで進んでいくだけで目的地に到達できる。道路に入って「パイロットモード」を起動させることで、目的地まで自動運転で連れて行ってくれる機能も搭載された。ブーストやジャンプといったバイクアクションはありつつ、プレイヤーの快適な移動を実現してくれる自動運転の搭載は気が利いている。
少々細かいことかもしれないが、作中の楽曲をバイク運転中のBGMに設定できることは個人的に大歓迎したい。『鳴潮』の楽曲は美しさと繊細さ、あるいは熱さを兼ね備えた音楽が揃っており、筆者は毎日聴いている。お気に入りの楽曲を流しながらバイクで走行するのはドライブを楽しんでいるような感覚であり、美しい景色で目が幸せになり、BGMで耳まで幸せになるという体験をもたらしてくれた。

3.主人公と仲間キャラの2人による「相乗り」がエモーショナル
バイクは移動の快適さだけでなく、お気に入りのキャラクターと大切な時間を過ごさせてくれるコミュニケーションツールのひとつだ。道路に入って「パイロットモード」へと移行する際に、仲間キャラクターをバイクに招待できる。このときパイロットモードはシネマティックモードへと名称がかわり、主人公と招待したキャラクターで「相乗り」できるのだ。
筆者が「相乗り」を試したときは夕暮れ時で、目的地へとひた走る主人公と仲間キャラクターがエモーショナルな雰囲気を醸し出していた。ツーリングでもなく、主人公の運転するバイクの後部座席から主人公に捕まっている仲間キャラクターの姿は健気でなにはなくともグッとくるものだった。
そして、相乗りに招待できるキャラクターはなにもVer3.0には限られない。正式リリースからこれまでに登場した数多くのキャラクターを、相乗りに招待することができる。筆者は推しキャラクターのフローヴァを招待してみた。フローヴァは普段から自分の足で走ることすら嫌がる言動をするが、とくに文句をいうでもなく、バイクで相乗りする姿がいじらしかった。
このように、バイクはVer3.0の新システムでありながらも、新旧キャラクターとのコミュニケーションツールのひとつでもある。キャラクター同士の交流が増えるバイクの相乗りは、Ver3.0の試遊でもっともうれしかった新コンテンツかもしれない。さすがに約2時間の試遊では相乗りできたキャラクターが少なかった。正式リリースではさまざまなキャラクターと相乗りすることが待ち切れない。レギュレーションにより相乗りがどのようなシーンであったかのスクリーンショットをこの場で紹介できないのが残念ではあるが、自ら試してみてほしい。
4.バイクの外見はカスタム可能。リンネー痛車なども実現可能
ラハルロイには、一部の道路は整備が必要だ。主人公が集めてきた資材を投入することで道路を整えていくことができるため、街作りの観点でちょっとした貢献ができるのが面白い。バイク乗りが自分のために道路を整えていくというのは当然のことでもあり、かなりやり甲斐のあるものとなっている。

バイクの性能や外見はカスタム可能となっており、その点についてもソアーよりはプレイヤーの個性を表現しやすい。各種のイベントをこなすことでカスタマイズできる幅が広がっていくことは、『鳴潮』を継続的にプレイするモチベーションのひとつとなりそうだ。外見用のペイントパーツの使い方によっては漆黒に包まれたクールなバイクにしたり、Ver3.0に新キャラクターとして登場するリンネーのデザインがガッツリ入った“痛車”も作れそうなほどバラエティ豊かなものとなっている。スクリーンショットでお伝えできないのは心苦しいものの、かなり自由度の高い外見のカスタマイズができるようだったことは伝えておこう。
このように、バイクはこれまでの乗り物と差別化もされつつ、機能性および装飾性にも優れた作品だ。乗って楽しい、キャラと相乗りして楽しい、いじって見つめても楽しい。バイクは、KURO GAMESの開発力の改めて感じる目玉要素であるといえる。Ver3.0の正式リリースが待ち遠しいばかりだ。
『鳴潮』は、PS5/iOS/Android/PC(Windows/Steam/Epic Gamesストア)向けに基本プレイ無料で配信中。Ver3.0からの新舞台で新たなストーリーが展開されていく『鳴潮』に今後も注目したい。
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