『PSO2 ニュージェネシス ver.2』に実装予定の、“オンラインゲーム内でカードゲームが遊べる”「ラインストライク」に触ってきた。やたら懐かしくエモかった

 

セガが開発・運営をおこなうオンラインRPG『PSO2 ニュージェネシス ver.2(以下、NGS)』にて今年7月に配信が予定されている新規コンテンツ「ラインストライク」。『NGS』内で遊ぶことができるカードゲームが新たに実装されるということで、4月23日の初報公開時から『NGS』ユーザーの注目を集めていた。今回、メディア向けに「ラインストライク」の先行プレイの機会をいただいたため、本稿では実際に「ラインストライク」に触れることで確認できた内容と、ファーストインプレッションを紹介していきたい。なお、実際に配信される際にいくつかの仕様が変更されている可能性がある点には留意してほしい。

「ラインストライク」の先行PVが公開された際には、『PSO』シリーズのカードゲームということで『PSO エピソード3 カードレボリューション』や、『ファンタシースターオンライン2 トレーディングカードゲーム』を思い起こしているユーザーも散見された。しかし、プレイしてみると先述した2つとはまた違ったルールのカードゲームになっていたため、まずは「ラインストライク」の基本ルールから紹介していきたい。

ラインストライクの基本ルール
・毎ターンお互いの3×3のマスにカードを出し合い、それぞれの縦列の合計値で勝負。
・各縦列には拠点が存在し、毎ターン列ごとの合計値が多い方が相手の拠点に縦列のカードの枚数ぶんダメージを与える。
・拠点の体力は5で、0になると破壊される。先に2つの拠点を破壊したプレイヤーの勝利。

カードの出し方
・毎ターン3ずつ回復するコストを使用してカードを場に出す。
・コストがある限り、1ターンに何枚でもカードを場に出すことが可能。余ったコストは次のターンに持ち越される。


たとえば上の画像なら、左列の拠点は2ダメージを受け、中列は3点、右列は1点のダメージを相手に与えることができる。これを繰り返し、相手プレイヤーよりも先に2列ぶんの敵拠点を破壊するのが目標というわけだ。


また、カード右上の数字は、この数字の合計によって列ごとの勝敗が決まる「戦力値」。左上の数字が「コスト」。右下にはカードが持つスキルが記載されている。そのほか、カードには「属性」の概念も存在し、属性ごとにそれぞれバフが得意、デバフが得意などそれぞれ持っているスキルの傾向もある程度決まっているようだ。


ほとんどのカードのスキルが発動するマス目があらかじめ決まっているということもあり、ある程度、相手プレイヤーの狙い(自陣のカードにバフをかけるのか、それともこちらのカードに干渉してくるのか)や、属性を考慮しつつ使用してきそうなカードを読むことが重要なポイントだろうという印象だ。

また、「ラインストライク」において基本的に場に出したカードが破壊する/されるということはなく、同じ属性の低コストのカードに高コストのカードを重ねて配置する「リライト召喚」、および自陣/敵陣のカードを移動させる効果を使用することでしか邪魔になったカードをどかすことはできない。そのため、敵味方のスキルの効果範囲を念頭に置いた場所にカードを配置することも大切になってくるだろう。

公式情報番組「NGS ヘッドライン」にて「ラインストライク」が初めてお披露目された際の触れ込みでは「シンプルながらも戦略性の高いミニゲーム」ということだった。たしかに自分のターンにできることはカードを出すだけ、というシンプルな内容ではあるものの、やり込もうとするとかなり沼が深いタイプのカードゲームという感触。先行プレイの際、筆者は残念ながらNPCとの対戦しか遊べなかったため、いざ対人戦になった際にどうなるのかを今回語ることはできないが、カードゲームという特性上やはり対人戦で遊んでこそ輝くミニゲームなのではないかという印象だ。


余談ではあるが、『NGS』は『PSO2』から世界観や一部の設定こそ引き継いでいるものの、約1000年後という設定になっており、『PSO2』のキャラクターたちはほぼ登場しない。(ムービーライブや一部のクエストでキャラクターソングが流れたりはするが)そのため、『PSO2』をプレイし、EPISODE6でグランドエンドを見届けた身としては、時折『NGS』でも『PSO2』のキャラクターに会うことができれば、なんて思ったりすることがある。

そんな折に実装が予告された新コンテンツの「ラインストライク」は、『PSO2』12周年のタイミングで実装予定の新コンテンツということもあり、ルーサーやマトイのようなストーリークエストに大きく関わったキャラクターをはじめ、ニャウ、アークマといったマスコット的なキャラクターまで、かつて『PSO2』をプレイしていたユーザーなら誰もが「懐かしい!」と声を上げたくなるようなキャラクターたちがボイス付きで登場。それにくわえて、デコル・マリューダやダガンのようなエネミーのカードもしっかり存在。総じて『PSO2』ファンサービスを意識させる内容になっている。そのため、かつて『PSO2』をプレイしていたユーザー同士で集まり当時を懐かしみつつ、ゆっくりと対戦をおこなうというのも一興ではないだろうか。


また、カードゲームというからには今後の「ラインストライク」コンテンツアップデートで新たなカードの追加、ひいては『PSO2』のキャラクターだけではなく『NGS』や過去のシリーズに登場したキャラクターのカード実装にも期待がもてそうだ。

ちなみに、「ラインストライク」にはレートバトルも存在するようだ。一般的な対戦型のゲームと同じように、お互いのレートを賭けて勝負するかたち。また、レートを上げることにより特別な報酬が得られる……なんて事はないとのことなので、対人戦が苦手なユーザーも安心してほしい。今のところ高レートプレイヤーへの報酬付与は考えておらず、「ラインストライク」のプレイを強制させるつもりもないため、レートはあくまで「ラインストライク」の腕前をはかるモノにとどめておくとのことだ。

先行プレイ時点での「ラインストライク」の総合的なインプレッションとしては、『NGS』からの新規ユーザーも、『PSO2』から続けているユーザーも楽しく遊べて、かつ『PSO2』を知っていればより楽しめる、その上で今後のコンテンツ拡張にも期待が持てるようなポテンシャルを秘めたミニゲームという印象。筆者が『PSO2』プレイヤーだったというのも大きいかもしれないが、過去作ファンへ向けた「遊べる」ファンサービスとしては、なかなか趣深いミニゲームだったと言っていいだろう。

なお、7月以降には新フィールドや、過去の『PSO』シリーズに登場した、SUVウェポンのような新たなアクションシステムの実装も予告されている。


「ラインストライク」のような既存のシリーズファンへのファンサービスに期待しつつも、今後の『NGS』の大型アップデートにも注目したい。

『PSO2 ニュージェネシス ver.2』は、PlayStation 4/PCおよびクラウド(Nintendo Switch/PC)向けに基本プレイ無料で配信中。