『PSO2 ニュージェネシス ver.2』新アクションシステム「M.A.R.S.」(マルス)は、新クラスといっても過言ではないアクションの幅広さ。先行プレイ感想


セガが開発・運営をおこなうオンラインRPG『PSO2 ニュージェネシス ver.2(以下、NGS)』にて、7月31日に新たなアクションシステム「M.A.R.S.」(マルス)が実装される。今回、メディア向けの「M.A.R.S.」先行プレイの機会を得たため、本稿では実際に新アクションシステムに触れた上で確認できた内容と、ファーストインプレッションを紹介していきたい。なお、先行体験のため正式リリースの際にいくつかの仕様が変更されている可能性がある点には留意してほしい。


新たなアクションシステム「M.A.R.S.」とは

「M.A.R.S.」は、クラスに関わらず、すべてのプレイヤーが使用することができる新たなアクションシステム。クエスト開始から時間経過によって上昇するゲージ「M.A.R.S.バッテリー」を使用することでサブパレットから特殊兵装「M.A.R.S.」を呼び出すことが可能になっている。ゲージは25%以上ならばいつでも呼び出すことができ、100%の状態だと2分間使用することが可能だ。

また、「M.A.R.S.」の呼び出しは自由に解除可能かつ、1クエスト中に何度でも呼び出し可能なため、『ファンタシースターオンライン2(以下、PSO2)』に存在したシステム、A.I.Sやダークブラストのように「クエスト中のここ1番というタイミングを見極めて使用する」というよりも、自己強化をするクラススキルのように、クエスト中に複数回使用するような扱いかたがメインになりそうな印象だ。


「M.A.R.S.」には4種のメイン兵装と3種のサブ兵装が存在する。これらの中からアクションの根幹となるメイン兵装を2つ、自動効果を発動してくれるサブ兵装1つを自由に組み合わせてクエストに出撃していくことになる。ここからは、兵装ごとにそれぞれ使用できるPAや、兵装の特徴について見ていこう。

VA-1SRM ガルム
大剣のような見た目のオーソドックスな近接型の兵装。他の兵装に比べてクセが少ないことにくわえて、通常攻撃をエネミーにヒットさせると自身のHPが回復するという特性も持っており、どんな場面でも安定して戦える印象を受けた。


・通常攻撃
→大剣で周囲を薙ぎ払い、最終段で振り下ろす攻撃をおこなう。クセが少なく扱いやすい。

・PA「アブソリュートシャター」
→素早くエネミーに突進する攻撃をおこなう。また、長押しでPPをすべて消費し、突進後に周囲を薙ぎ払うアクションに変化するほか、突進モーション中はエネミーの攻撃を無効化する。モーションは『PSO2』のA.I.S搭乗時のPA「フォトンラッシュ」にやや近いイメージだ。

・武器アクション
→前方に斬撃を飛ばして攻撃する。武器アクション発生時にガードポイントが付与されており、エネミーの攻撃に合わせて使用することで被弾を防ぐことができる。また、長押しで「ガルムデトネーション」という強力な攻撃を発動することが可能。

ガルムの大きな特徴として、攻撃を一定回数ヒットさせることで、2段階まで大剣が赤熱していく「ガルムヒートチャージ」というスキルが存在。大剣が赤熱化している間は攻撃の威力がアップするほか、通常攻撃によるHP回復量も上昇。それにくわえて武器アクション長押しの「ガルムデトネーション」のチャージ時間も短縮されるため、積極的にエネミーに張り付いて攻撃し、武器が赤熱化したら「ガルムデトネーション」で締める、という戦いかたが良さそうだ。

VA-2MRM ニズヘッグ
大鎌やチェーンソーのような見た目の、ややテクニカル寄りな性能を持つ近接兵装。攻撃によってエネミーにマーカーを付与することができ、そのマーカーを起爆することで、エネミーに短時間の被ダメージ上昇デバフを付与することができる特性をもつ。感覚的には『PSO2』に存在した「ファントム」というクラスのシステムに近い印象だ。

・通常攻撃
→武器を振り回し、周囲を攻撃する。攻撃の出始めにはガードポイントも付与されているほか、ボタン長押しでマーカー蓄積量の多い攻撃をすることも可能。

・PA「ワールウィンド」
→周囲のエネミーを素早く斬りつける攻撃。モーション中はエネミーの攻撃を無効化するほか、PAボタンを長押しすることでPPをすべて消費し、高速回転後にエネミーを切り裂く攻撃をおこなう。最終段がエネミーに命中すると、一定時間ニズヘッグのマーカー蓄積量が上昇する効果も。

・武器アクション
→前方に斬撃を連続で飛ばしたのち、最終段でエネルギー弾を発射する。ボタンを長押しすることで、エネミーに付与したマーカーを起爆し、被ダメージを上昇させる効果を持つ「ニズヘッグエクスキューション」を発動することが可能。

ニズヘッグは通常攻撃、PAのモーション中や攻撃発生時にガードポイントが存在するため、エネミーの行動にあわせてこちらも攻撃をおこなうことで攻撃と防御が両立できる特性を持つようだ。それらのガードポイントを活かしながらエネミーに張り付いてマーカー付与、起爆のサイクルを何度もおこなうというのがニズヘッグでの戦闘の肝になるだろう。

VA-3LRM ハイドラ
大砲やランチャーのような見た目のオーソドックスな遠距離兵装。射撃を中心に戦闘をおこなうタイプの兵装で、後述するPAによって味方の支援をすることも可能。


・通常攻撃
→長押しすることで発射レートが徐々に上昇する射撃をおこなう。発射レートが最大の状態になると、レーザーを発射するフィニッシュ攻撃が発動可能になる。

・PA「ブレッシングナパーム」
→着弾地点で爆発し、自分以外のキャラクターのHPを回復するフィールドを展開する。PAボタン長押しでPPを全消費し、自分以外のキャラクターのPP消費量を軽減するフィールドを展開することも可能。

・武器アクション
→フォトンを充填し、次に放つハイドラの通常攻撃を連射速度が上昇した状態から開始する。ボタンを長押しすることで、隙が大きい反面、強力な攻撃「ハイドラターミネーション」を発動可能。

ハイドラは通常攻撃長押しを続けることで通常攻撃が強化され、 レーザーを放つ強力なフィニッシュ攻撃が発動可能になるため、合間にPA「ブレッシングナパーム」で味方の支援をしつつも、武器アクション→通常→フィニッシュ→武器アクション→通常……というサイクルで戦闘していくのがオーソドックスな戦い方になると思われる。また、エネミーがダウンした際や自分にターゲットが向いていない場合には、武器アクション長押しの大技「ハイドラターミネーション」を積極的に狙ってみるのも良さそうだ。

VA-4XRM スカイラ
魔法使いをイメージさせるような見た目のテクニカル寄りな操作感を持つ中・遠距離兵装。条件を満たすと、短時間の無敵がプレイヤーに付与されるため、それを利用して武器アクション長押しによる大技を安全に放つことができるという特徴がある。


スカイラ使用中は、周囲にエネミーが存在する場合、時間経過で「星紋」を獲得する。「星紋」は最大3つまでスタックされるものの、ステップ回避を使用してしまうか、エネミーの攻撃を受けてしまうと「星紋」を失ってしまうため、後述する通常・PA・武器アクションでの位置調整が重要となる。

・通常攻撃
→PPの回収や位置調整に使用するアクション。

・PA「ミーティアライザ―」
→変形して高速で移動しながら、自動的に周囲のエネミーにフォトンを浴びせるPA。PAボタンを長押しすることで、PPが0になるまで変形状態を維持することが可能。

・武器アクション
→「星紋」を全消費して、前方にフォトンの爆発弾を放つ。ボタンを長押しすることで、強力な「スカイラリタリエーション」を発動することが可能。

スカイラは、大技の「スカイラリタリエーション」が超強力な反面、いかにして「星紋」を3つ溜めて武器アクション長押しを発動させるか、言い換えるとステップ回避を使用せずに「星紋」3スタックまでの時間をどうやってしのぐかが重要になってくる兵装と言えるだろう。ステップ回避が縛られる特性上、PAでの高速移動で回避するか、ガルムやニズヘッグの武器アクションでガードしながら時間を稼ぐというのが肝になってくる印象だ。

試遊ではかなりクセの強い兵装という印象を受けたが、武器アクション長押し「スカイラリタリエーション」による攻撃力は「M.A.R.S.」の各兵装の中でも随一。そのため、回避に自信のあるプレイヤーはスカイラをメインにして戦闘に挑戦するというのも面白いだろう。


サブ兵装

「M.A.R.S.」にはプレイヤーにさまざまな支援効果を付与してくれるサブ兵装も存在する。移動速度を上昇させ、連続ステップが可能になるフェンリル、被ダメージを軽減する効果を持つファブニル、PP回復量が増加するリントヴルム、これら3種から1つを選択して戦闘をおこなうことになる。

メインの2種の弱点を補うようなサブ兵装を選択しても良いし、逆に長所を伸ばすような選択をとるのも良いだろう。また、「M.A.R.S.」には専用のスキルも存在するため、どのメイン兵装を使うか、それに合わせてサブ兵装はどうするのか。そのあたりはユーザーのプレイスタイルや遊び方、向かうコンテンツの種類によって変わってくるとは思うが、新アクションシステムと銘打たれているだけあって、「M.A.R.S.」は『NGS』ユーザーにバトルコンテンツ中の新たな選択肢を多数与えるアップデートであることは間違いないという印象だ。


冒頭にも記したが、『PSO2』には今回の新アクションシステム「M.A.R.S.」と同じように、クエスト中のここ一番で使用するような、プレイヤーを大幅に強化するシステムA.I.Sやダークブラストが存在した。

だが、A.I.Sとダークブラストには、せっかくキャラクリを頑張ったのに、いざ使用すると自キャラがまったく見えなくなってしまったり、クエスト中一度きり(A.I.Sは再使用可能なパターンもあったが)で再使用不可なため、慣れたプレイヤーでなければ、使いどころの見極めがやや難しいというような問題も抱えているようだった。

しかし今回実装される「M.A.R.S.」は、A.I.Sやダークブラストを使用した際の爽快感はそのままに、より使いやすく、場面に応じた兵装の使い分けができるようにしつつ、さまざまなプレイスタイルのユーザーが遊べるよう『NGS』向けにA.I.Sやダークブラストを進化させたアクションシステムという印象を強く受けた。進化を遂げ、生まれ変わったダークブラストとも言える新アクションシステム「M.A.R.S.」。アップデートが配信され、実際に遊ぶことができる日が楽しみだ。「M.A.R.S.」実装後の『NGS』の環境にも注目したいところである。

PSO2 ニュージェネシス ver.2』は、PlayStation 4/PCおよびクラウド(Nintendo Switch/PC)向けに基本プレイ無料で配信中。