『ポケモンチャンピオンズ』でようやく対人戦が“入門ハードルなし”に生まれ変わる。「生まれつきの強さ(個体値)」廃止など、先行体験会で育成の手軽さと対戦の奥深さを知る

『Pokémon Champions』配信前先行体験会にてわかった本作の育成システムの詳細と、熱い駆け引きを持つ対戦について紹介する。

「ポケットモンスター」シリーズの対戦は、奥深く面白い。そう友達にオススメしても、「育成が大変なんでしょ?」、「本編シリーズをクリアしないといけないんでしょ?」と、対戦をはじめるまでのハードルの高さを指摘されてしまう。この歯がゆさを抱えていたポケモントレーナーたちは筆者に限らず多いと思う。

しかし、ついにそのハードルは取り払われる。この対戦の面白さを誰でも手軽に味わえるようになる『Pokémon Champions』が4月8日にリリースを控えているのだ。本作は基本プレイ無料かつ、Nintendo Switch、スマートフォン間でのクロスプラットフォームにも対応している(スマートフォン版は今夏に配信予定)。ポケモンの入手や育成がより手軽になる一方で、対戦そのものはこれまでの本編シリーズと同様のものが楽しめるとのこと。

そんな『Pokémon Champions』の配信前先行体験会がこのたび開催された。本稿では、体験会にてわかった本作の育成システムの詳細と、変わらず熱い駆け引きを持つ対戦について紹介する。

手軽にいろんなポケモンでバトルの試行錯誤が楽しめるデザイン

対戦で共に戦うことになるポケモンは、「スカウト」と呼ばれるメニューにて紹介を受けるのが基本の入手方法となっている。スカウトメニューにて「ポケモンの紹介を受ける」を選択すると、10匹のポケモンがランダムに表示され、そのうち1匹をスカウトできるようになる。演出的にはいわゆる“ガチャ”のようだが、毎回10匹の候補が登場するため、今のバトルチームに必要のないポケモンばかりをスカウトしてしまうということは少なそうだ。

スカウトには、ゲーム内通貨である「VP」を消費する「レギュラースカウト」と、VPを消費しない「トライアルスカウト」が存在している。トライアルスカウトは7日間限定でのレンタルのような形であり、後述する「トレーニング」での技構成のカスタマイズなどが行えない。

しかし、スカウトで候補として登場するポケモンたちは、すでに対戦で十分に戦える技構成や能力補正が割り振られているため、そのままバトルチームに入れてオンラインバトルに臨むこともできる。そうして対戦を重ねていくうちに、いずれ自身のバトルチームにとってより良い技構成などが見えてくるかもしれない。

そうしたら「トレーニング」メニューにてさまざまなカスタマイズを行おう。トレーニングでは、VPを消費して、ポケモンの技、特性、能力ポイント(いわゆる“努力値”)、能力補正(性格)を自由に変更できる。本編では希少な隠れ特性と通常特性の切り替えも容易だ。トライアルスカウトをしたポケモンに関しても、トレーニングメニューでVPを支払って後からレギュラースカウトに変更することができる。

つまり、対戦に慣れていないプレイヤーにとって、トライアルスカウトはいろいろなポケモンでの立ち回りをどんどんと試せる要素になりうる。そうして対戦を重ねていくうちに、気に入ったポケモンがいたらレギュラースカウトに切り替え、カスタマイズを試す。それを繰り返すうちに、次第にお気に入りの立ち回りができるバトルチームが完成していく……というようなサイクルになっているのだろう。

もともと本編シリーズの対戦は、いわゆるトレーディングカードゲーム(以下、TCG)に近い駆け引きを持っている。しかし、これまではポケモンの入手と育成、つまりTCGでいうところの「デッキ構築」にかかる時間的コストが高すぎたのだ。

そういう意味で、この「スカウト」のシステムはこのデッキ構築のためのコストを大幅に下げるシステムになりうる。むしろ、10匹から選べるという仕様を考えると、既存のTCGのガチャシステムなどと比べてデッキ構築のためのコストは低いぐらいだ。

そのうえで、本作は『Pokémon HOME』を介して、本編シリーズから育成済みのポケモンを連れてくることもできる。スカウトだけでも十分に対戦に強いポケモンが揃うように思えたが、自分の好きなポケモンを連れてきて相手の意表を突いた立ち回りができるのも対戦の魅力であるため、ここは嬉しい部分だ。

本編シリーズと変わらない駆け引きが楽しめる対戦

今回の体験会では、他メディアとのシングルバトル(お互いの場に1匹ずつポケモンが繰り出される、本編シリーズのストーリーでも基本となるバトル)を何戦かにわたって楽しむことができた。ダブルバトル(場に2匹ずつポケモンが繰り出されるバトル)は今回は体験できなかったが、こちらもリリース時点で実装される。

対戦相手とマッチングしたら、まずお互いにバトルチームの6匹のポケモンを見せ合うことになる。そこから3匹を選出し、バトルが開始される。相手のポケモンのタイプや、初手で選出してきそうなポケモン、想定される立ち回りなどを考慮して、こちらがより優位に立ち回れるであろう3匹を選出するのだ。

そして実際にバトルが開始されると、お互いに初手のポケモンが場に繰り出される。ポケモンは「くさ」タイプや「ほのお」タイプ、「みず」タイプのように、お互いに有利不利があるタイプを持っているため、この時点でじゃんけんにおける勝利と敗北と呼べるような場の状態になっていることが多い。

しかし、ここから実際にポケモンにどんな技を選択させるか、もしくは場のポケモンを控えのポケモンと「交代」させるか、といった立ち回りによって戦況は容易に覆る。仮にこちらがくさタイプで、相手がほのおタイプだったとしても、みずタイプのポケモンに交代してしまえば相手の攻撃のダメージを最小に抑え、逆に有利な盤面を作り出せるのだ。

と思ったら、相手が交代を読んできて、「おにび」のような物理アタッカーに致命的なデバフ効果を与える変化技を撃ってくるかもしれない。でも大丈夫、なぜなら今交代したのは特殊攻撃を得意とするアタッカーだからだ。

ポケモンの交代は、そのターン何もできなくなる上、選出した3匹のうちの2匹を相手に公開してしまうという大きなリスクを負う行動である。しかし、この選択が功を奏して、今度はこちらに優位な盤面を作り出すことができた。今度は相手が交代するか、タイプ相性が不利なまま戦いを続けるかというリスクを負う番だ。

このように、ポケモンのタイプ相性など様々な要素が絡むリスクリターンの駆け引きを試合中何度も続けていくのがポケモンバトルの基本だ。『Pokémon Champions』の対戦もこれまでの本編シリーズの対戦とほとんど同様の仕様であり、熱い駆け引きが楽しめるものになっていた。

「生まれつきの強さ」の違い廃止など、ベテランのポケモントレーナー向けの情報

本作は、上述のようにさまざまな面で、これまで対戦に触れてこなかった人でも手軽に楽しめるような工夫がなされている。一方で、そのためにいくつかの細かな要素が変更になっているようなので、ベテランのポケモントレーナーに向け、今回明らかになった情報をいくつか記載する。

まず、ポケモンの生まれつきの強さ(いわゆる“個体値”)の違いがなくなり、本作では一定になったことが体験会後の質疑応答にて明らかになった。これは『Pokémon HOME』経由で連れてきたポケモンも同様とのこと。ポケモンののうりょくはHP、こうげき、ぼうぎょ、とくこう、とくぼう、すばやさの全ての値において、これまでのシリーズで生まれつきの強さが最大だった時と同じものになりそうだ。

そうなると、ポケモンのすばやさを逆転させる技「トリックルーム」を基調とした戦術が若干の優位性を失う可能性がある。また、あいてのこうげきの値を参照して攻撃する「イカサマ」および「こんらん」状態によるダメージも実質的な強化を受けたといえる。そのほかさまざまな面で、いくつかの戦術に影響があるかもしれない。

とはいえ、本作からはじめて対戦に入る人にとっては、まずは純粋にタイプ相性、すばやさ、技効果や特性など、シリーズの駆け引きのプリミティブな部分を楽しめるはずだ。これまでも、あらたな「ポケモン」本編シリーズが登場するたびに対戦環境が変化してきたが、新規プレイヤーにむけ大きくアプローチしている本作においては、生まれつきの強さの廃止も必然といえる変化かもしれない。トリックルームなどの戦術についても、全てのポケモンののうりょくが生まれつきの強さによって変動しないことを前提にまた別の立ち回りが登場するだけのようにも思える。

対戦の奥深い駆け引きと、バトルチーム構築の面白さがこれまでよりも手軽に楽しめる『Pokémon Champions』のNintendo Switch版は4月8日配信予定だ。

©Pokémon/Nintendo/Creatures/GAME FREAK
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの商標です。
Nintendo Switchのロゴ・Nintendo Switchは任天堂の商標です。
※画面は開発中のものです

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。

お茶缶
お茶缶

任天堂タイトル中心に、けど色々手を出すゲーム好きな人。ベストゲームは『ゼルダの伝説 時のオカリナ』。

記事本文: 9