「ポケモン」新作『ポケモンフレンズ』は「クリエイター手作りのパズルが無限に遊べる」知育ゲーム。ぬいぐるみ付き

リリースに先駆けて、メディア向けの試遊会が開催されており、一足先に本作に触れることができた。

株式会社ポケモンは、ワンダーファイ株式会社と共同で開発した新作ゲーム『ポケモンフレンズ』を発表した。毎日ポケモンたちと「ひらめき問題」を解くパズルゲームとなっており、Nintendo Switchおよびスマートフォン向けに配信中だ。

リリースに先駆けて、メディア向けの試遊会が開催されており、一足先に本作に触れることができた。「ひらめき問題」と呼ばれるパズルを実際に触ったり、報酬として手に入れた「ぬいぐるみ」を部屋に飾るといった一連のサイクルを体験できたので、そのレポートをお届けする。

1200以上のパズルであたまをほぐす。ある種「脳トレ」な新しい『ポケモン』

試遊会では、本作を子供たちの知育ゲームとして活用してほしいということがアピールされていた。実際に、ワンダーファイ社はカンボジアの小学生らにむけて2018年に「Think!Think!(シンクシンク)」というアプリの実証実験を実施し、子供達の算数の成績やIQの向上を確認したということだ。『ポケモンフレンズ』も、毎日の生活に取り込むことでそういった効果が期待できるという。

しかし、弊誌をご覧になっている読者の方にとっては、そんなことより「ゲームとして面白いの?」ということのほうが気になっていることだろう。結論からいえば、本作は「手作りの質の高いパズルを無限にやりたい」という人にはおすすめのできるゲームだと感じた。

本作のメイン要素となる「ひらめき問題」は、さまざまなジャンルのパズルで構成されている。いわゆる水道管パズルやひと筆書きパズルといったおなじみのものから、ポケモンというモチーフならではなパズルまで、その種類だけでもかなりの数がありそうだった。用意されている問題のすべてはスタッフの手で考えられているらしく、その数は無料版で1200以上にものぼるという。難易度のレベルも1から9まであり、高い難度になってくると大人でも苦戦させられるとのことだ。

知育に謎解きやパズルが合わさったゲームという意味では、本作はニンテンドーDS世代以降に一定の需要がみられた『やわらかあたま塾』や『脳を鍛える大人のDSトレーニング』、『レイトン教授』シリーズに近いジャンルといえるかもしれない。

「ひらめき問題」は同じジャンルのものを数問解いたら次のジャンルの問題へ、というように続き、すべて終わらせると後述するぬいぐるみをつくる材料「イトダマ」を入手できる。同じジャンルの問題でも、出題数が進むごとに少しずつ難度が上がっていく印象で、特に最終問題になったときに難度がグッと上がる調整が秀逸だった。ひらめき問題は残り時間と正答数で最終的なスコアが出るようになっているため、単にクリアするだけでなく、より高いスコアを目指す遊びもできそうだ。

試遊では、ゲーム冒頭で遊ぶことになる比較的簡単な問題だけでなく、難易度レベル7の高難度な問題にも挑戦することができた。レベル7になるとさすがに歯ごたえがあり、冒頭の問題と比較して、考慮すべきことや手数が多くなってくるので、ちゃんと「制限時間が足りない」と思う難易度になっていた。そうなってくると、最大の難度であるレベル9はどれほどの難しさなのか気になるところだ。

妥協のない「ぬい部屋」作り

問題を解いて「イトダマ」を入手したら、それを「ぬいマシン」に入れる。すると、さまざまなポケモンのぬいぐるみがランダムで排出される。ぬいぐるみは3Dモデルになっており、おなじみのポケモン達がぬいぐるみらしい縫い目や質感をもって立体物になっているのはかわいらしい。イトダマと排出されるポケモンはタイプで紐付いているものもあるようで、たとえば試遊で入手できた「ちょっといい 火のイトダマ」をぬいマシンに入れると、ほのおタイプのポケモンである「ウインディ」のぬいぐるみが排出された。

つくったぬいぐるみは、部屋に飾ることができる。3Dのぬいぐるみを上下左右や前後に自由に移動し、好きな場所にぽすっと落とすように配置する。なんと少し前にもどる機能までついており、かなり快適に模様替えができそうだった。操作感についても、今回の試遊はスマートフォン版のプレイだったが、タッチ操作でもストレスなくぬいぐるみを配置することができた。部屋も単一ではなく複数あるので、いろんなテーマの「ぬい部屋」を作れそうだ。

ぬいぐるみは、部屋に配置するだけでなく、ほしがっている街の住人にあげることもできる。たとえば特定のポケモンのぬいぐるみをほしがっている住人がいたり、特定の「イトダマ」やサイズのぬいぐるみをほしがっている住人がおり、ぬいぐるみをあげればお礼に家具などが入手できる。家具は部屋に配置できるので、より模様替えがはかどる。

作ったぬいぐるみはカタログに登録され、いつでも見返すことが可能となっている。コレクター癖のある人にとっても安心だ。さらに、カタログからは主人公による説明を読むことができるほか、ぬいぐるみの3Dモデルを自由に回転させて眺めることもできるようになっていた。

本作は毎日遊んでもらうことを目的としているため、カレンダー機能もある。毎日「ひらめき問題」を解くことでスタンプが押されていくのだが、カレンダーから過去の日付を選択することでその日遊んだ問題をもう一度遊ぶこともできる。

こういった、カレンダーでのパズルの再プレイ機能であったり、模様替え時のアンドゥ操作であったり、カタログ機能であったり、細かなところまで手が行き届いている印象なのは、毎日遊ぶタイトルとしてうれしい部分だ。

メインターゲットは子どもの生育を目的とする親御さんたちかもしれないが、単にパズルゲーム好きだという人にとっても、かわいらしいポケモンのぬいぐるみが気になっているという人にとっても、無視できないタイトルに仕上がっているかもしれない。

『ポケモンフレンズ』はNintendo Switchおよびスマートフォン向けに配信中だ。

画面は開発中のものです。

お茶缶
お茶缶

任天堂タイトル中心に、けど色々手を出すゲーム好きな人。ベストゲームは『ゼルダの伝説 時のオカリナ』。

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