Global Game Jam 2014 大阪会場 成果物発表(3日目)


先日よりお伝えしている2014年度 Global Game Jam が48時間を経て閉幕しました。 本日26日の16時半より製作物の発表会にて各作品が開帳されましたので、その様子をお伝えします。

なお、「ゲームについて他人の意見をだらだらと聞かされるのは御免こうむる」という高邁なゲーマー各位は直接 GGJ のオフィシャルページをご参照ください。現時点(26日23時)では実際にチェックできるのは一部だけですが、すべての作品は Unity 製ですのでプレイにあたっての障壁はほぼありません。


『TRIRIS』
TRIRIS

 

一番手は変わり種テトリスの『TRIRIS』。 昨日時点の品質をさらにブラッシュアップ、難易度やスコアなどの要素が追加されました。コアは完成の域に到達しており、「ゲームジャムとかいうので創られたやつ一本 とりあえずさわってみたいんだけど」な向きに最適。否が応でも比較対象が世界最高峰のパズル『テトリス』シリーズになるため、あらを探そうと思えば探せて しまうかもしれませんが、数名・2日で製作されたと説明されて引き下がらない人もいないでしょう。

 

ゲーム画面は見ての通り。 タイトル画面とゲームオーバー画面もあり。 Live2Dとのマージには若干の苦戦があった模様。
ゲーム画面は見ての通り。

タイトル画面とゲームオーバー画面もあり。

Live2Dとのマージには若干の苦戦があった模様。

 

 


『Janken Tag!』
『Janken Tag!』

 

どこかで見たことがある風のタイトルはともかくとして、”ローカルで”4人プレイすることを想定した作品です。一定時間ごとに発生する「じゃんけ ん」により属性が変化し、プレイヤーには逃げるか接近するかの判断が求められるます。なお、バトルロイヤル式に全員が敵。”ミスると収拾アイテムばらま き”系タイトルは洋の東西を問わず数多ありますが、その構文に沿う形です。

1つのキーボードを4人で奪い合う形になるだけに、操作に使うボタンは2つだけ。いわく、「あまり直感的ではない」「やっていてイライラする」けれども「そのフラストレーションを解放する」内容。こだわった音づくりもその一助となっています。

大阪8チーム中、AI対戦を織り込んだのはこのチームだけ。

 

やや怪しい対戦光景。 AIは「強くて勝てない」。
やや怪しい対戦光景。

AIは「強くて勝てない」。

 


『What you see is What I can touch』
『What you see is What I can touch』

 

2人協力専用のパズルアクション。想定されているのは対面でのプレイで、ローカルIPを打ちこむことで接続するタイプです。

プレイヤーは自キャラのカラーのブロックしか見えず、また目標物である”カギ”も見れません。お互いが声をかけあって位置情報を伝えあいながら進め ます。全9面となかなかのボリュームとなっており、とくに最終面は「こだわりがある」とのこと。チップチューン風味のBGMも印象的です。

 

このようにあそぶのだ。 相手の画面を見るのはスイカ割りで目隠を外すごとき所業です。
このようにあそぶのだ。

相手の画面を見るのはスイカ割りで目隠を外すごとき所業です。

 


 

『Grabity Rabbity』
『Grabity Rabbity』

 

4匹のキャラ(ウサギ)を操作しながらそれぞれの目標物(ニンジン)へ進めるパズルゲーム。”風船”と”分銅”のオブジェクトが用意されており、触 れるとそれぞれの重力方向へ移動します。ギブアップもあり。記者がふと想起したのは『倉庫番』ならびに『真・女神転生3』の「アサクサパズル」。全7ス テージ。レベルデザインが容易ではなさそうですのでボリュームは充分でしょう。

 

分銅につぶされるとウサギは死亡してGAME OVER。 風船では死なないあたりに微妙なこだわりが見え隠れします。
分銅につぶされるとウサギは死亡してGAME OVER。風船では死なないあたりに微妙なこだわりが見え隠れします。

 


『T4U』
『T4U』

 

横スクロールジャンプアクション。プレイヤーは操作キャラをスイッチすることで足場に着地したり壁を貫通したりできます。

これだけではきわめてシンプルな作りなのですが、面白かったのが「理想の変身回数」がクリア後に提示されるという点。スコアを明示するという意味では『TRIRIS』も同様だったのですが、こちらのほうがより明確な目的を与える形といえるでしょう。

ストーリーらしきものもあり。
ストーリーらしきものもあり。

 


『The Orthodox』
『The Orthodox』

 

その名の通りベースはオーソドックスなジャンプアクション。ただし、「オーソドックスにたいする先入観の裏をかく」というコンセプトでギミックが配 置されています。いくつか例をあげると、触れても死なない針・襲ってこないボスキャラ・落ちたら死亡ではなくクリア等。どちらかといえば『I Wanna Be The Guy』系の死にゲーDNAです。会場からの質問「どこまでがバグなのか?」にたいし「ぼくらもよくわかりませんでした」で笑いをとっていました。

オープニングムービーとエンディングムービーが挿入されており、物語上のオチがつくところも評価点でしょう。

 

はたして”オーソドックス”とは何なのか……
はたして”オーソドックス”とは何なのか……

 


『Axis Rotation』
『Axis Rotation』

 

開発時間の短さを克服し完成、1画面パズルアクション。1面は4つのレベルで構成されており、プレイヤーは任意のタイミングでそれぞれに切り替える ことができます。「スイッチ時に座標はかわらない」ルールを駆使して”カギ”を回収、ゴールへ向かうというもの。全3ステージ、リザルト評価もあり。ポッ プなデザインのほか、新規に作曲された楽曲も雰囲気作りに貢献しています。

制限時間を設けている点に(おそらくゲームジャム全体を俯瞰しても)レアリティがあります。

 

タイムリミットゆえか、マップ構成をつめきれなかったようです。
タイムリミットゆえか、マップ構成をつめきれなかったようです。

 


『stand by me』
『stand by me』

 

「勇気を出して告白すると、完成しませんでした。」とくやしさがにじみでたのが本作。ターンバトル方式のパズルアドベンチャーといった風味です。

ゲームとしての完成度はともかく、世界観の創り込みは抜きん出ていました。「女の子にさそわれ冒険に出る」という切り出しから始まり納得感のある結 末が準備されていたほか、100枚以上も書かれたイラストによるアニメーションはテクスチャを貼った多関節モーションでは表現できない品質でした。GIF アニメだけでも鑑賞に耐えるのではないでしょうか。


以上、大阪会場作品を簡単なご紹介でした。興味をもたれた方は各作品の情報元をご参照ください。