Global Game Jam 2014 大阪会場 中間発表レポート(2日目)
昨日よりお伝えしているGGJ2014大阪会場、いい塩梅に温まったコワーキングスペースより中間発表をお伝えします。
なお、毎年設定されるジャムのテーマは、本年度は”We don’t see things as they are, we see things as we are.”。詳細は不明ですが、簡単に調べて出てくるのは作家Anaïs Nin。Wikipedia では「私達は物事をあるようには見ないで、私達が在るように見ている。」と訳されています。主観と客観の対比・物事の多面性・観測の在り方などが考慮すべきポイントになるでしょうか。
コインを争奪する1画面対戦アクション『Janken Tag』。テーマの多面性はチーム名にあるとおり「じゃんけん」で表現されています。三すくみの力関係は「じゃんけん」ごとに変化し、追う立場と追われる 立場が入れ替わるシステム。あいこの場合は連打ゲーにります。プログラミングはくるくるさん単独。
タイトルにある英語”Tag”は「鬼ごっこ」の意。命名者はChrisさん。チーム内では『Janken Tagger』か『Janken Tag』か意見が割れたものの、最終的にChrisさんの提案に沿ったそうです。
ゲームジャム的にもう1つの見どころは追加課題へ の挑戦。情報元をご確認いただけると一目瞭然なのですが、ようするにあらかじめ決められた要件を満たす作品には別枠で評価されるというもの(会場では「実 績解除」と表現されていました)。本作が狙いをさだめたのはマルチプレイ。プレイ可能人数はいわく「最大何人でもいける」。クライアントがフリーズするま でいけるのでしょう。
シングルプレイヤーの横スクロールジャンプアクションです。テーマについては「人間と猫の視点で通れたり通れなかったりする」。任意のタイミングで2種類の足場ブロックを切り替えることでステージを踏破していくというもの。
量子的な方の猫を想像しそうですが、妖怪・物の怪のたぐいだそうです。なぜ猫なのか? というと、おそらくこれも追加課題「人間ってつまら~ん: このゲームは猫が遊ぶべき。」を意識したからでしょう。
思わずうなってしまったのが本作、『TRIRIS』。見てのとおりベースはテトリスなのですが、最大のポイントは「落下中のテトリミノを立体的に回 転させられる」という点。メインテーマはもちろん追加課題も複数満たしつつ、かつシンプルでわかりやすいルールながらも奥深さを十二分に感じられる上、開 発猶予残り20時間を残しすでにかなりの完成度へ到達している印象です。
写真ではわかりづらいですが NEXT ブロックが常に回転表示されているため、よく観察すれば総当りでくるくる回すのではなくきちんと表示ブロックを認識することができます(できるはずです)。
ありそうでなかった系の筆頭であり、それゆえに面白さの予感は抜群。あとは『テトリス』としてのゲーム部分、たとえばスコアやオブジェクティブ、HOLD 要素、難度カーブあたりが追加されたら相当遊べそうです。
パズルアクション『Change Gravity』。映画『サカサマのパテマ』や『アップサイドダウン』に着想を得た作品です。画面には4つの重力があり、4匹の”ウサギ”を操作して全員 をニンジンにありつかせるとクリア。ウサギを切り替えながらブロックを動かし道を作るというルールです。レベルデザインが難しそうです。
『GET BRAVE』。ゲームのコンセプトは「子どもならではの視点と冒険ごっこ」。ただの犬でも子どもの視線ではケルベロスになり、ただの棒きれも剣や魔法の杖になるというもの。主人公は男の子・女の子・メカに強い男の子と、どこかで見た構成。ジャンルはパズルアドベンチャー。
現状はコンセプトアートのみで動いていません。プログラマーが Unity を勉強しながら製作しているそうで、ややデス進行の香りがします。進捗について問われたところ、「これがすべてです」と返し会場の笑いを獲得していました。
白黒のアートが印象的なパズルアクション。タイトルは不詳。2人プレイ専用という異色作です。黒いプレイヤーには黒ブロックしか見えず、白いプレイ ヤーには白ブロックしか見えません。ポイントは押すべきスイッチがもう片方のプレイヤーにしか視認できなくなっているところ。隣り合って声をかけながらプ レイする、アクティブなスイカ割り的味わいが想定されます。言うまでもありませんが、相方の画面を覗き見るのは禁忌。
通信部分には Photon を使っておらず、Unity の Network View を採用しているそうです。
横スクロールアクション『The Orthodox』。タイトル通り「オーソドックス」に挑戦するというコンセプトです。「オーソドックス」と一口に言っても解釈は十人十色となるであろ う、というのがスタート地点。たしかに外観はオーソドックスそのものですが、ここから意外性を盛り込む方針とのこと。ギミック製作のセンスが重要そうで す。なお、ステージ数は3から4ほどの予定。
パズルアクション『Axis Rotation』。このチームだけ開発スタート時刻が遅かったため、まだコンセプトアートのみですが、チームリーダーのヒロポンさんはゲームジャムでの実績があります。
ステージはキューブ状になっており、見る方向を変えることにより足場が変化するなどの影響がうまれます。カギやタイムなどを取得しつつ、制限時間内でゴールを目指します。時間に制約を明確にもうけたのは全チーム中唯一。
タイムリミットは明日の15:00ごろ。残り18時間弱、はたしてこの中から快作・怪作は生まれるでしょうか。