『グラブルヴァーサス -ライジング-』新キャラ「ガレヲン」先行プレイ感想。投げアビリティ“だけではない”攻めの多彩さが、インファイトのプレッシャーを生む
本稿では『グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-』に追加される「ガレヲン」の先行試遊プレイ感想をお届けする。

Cygamesは5月28日、『グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-』(以下、GBVSR)の追加キャラクターDLCとアップデートVer2.10を配信する。こちらのDLCでは新プレイアブルキャラクター「ガレヲン」が追加される予定となっているが、弊誌では幸運にも今回実装に先んじてこのガレヲンを試遊する機会をいただいた。本稿では以下に、試遊レポートとしてガレヲンのプレイ感想をお届けする。試遊バージョンでのプレイであるため、製品版とは内容が異なる場合があるので注意してほしい。
今回追加されるガレヲンは原作『グランブルーファンタジー』にも登場するキャラクター。「六竜」と呼ばれる存在の一人であり、美しい女性の形こそ取っているもののその本質は竜だ。『グランブルーファンタジー』では敵として、召喚石として、そしてプレイアブルキャラとしても登場している人気キャラの一人だ。

『GBVSR』でのガレヲンは近~中距離を得意とするインファイターで、3種類の投げアビリティを持つ「投げキャラ」寄りのキャラクターだ。また特殊技や投げアビリティに反応して起動する設置技も持ち、これと投げアビリティの組み合わせによるコンボや攻めが強みとなっている。

通常技には素直なものが揃っているが、杖を武器として使っているのもあり意外とリーチは長めだ。特に杖を突き出す遠距離中攻撃は発生・リーチともに優秀で、中距離でもプレッシャーを出せそうな性能に感じられた。なお、ダッシュ中攻撃は下段であった。

ではガレヲンのアビリティも順番に見ていこう。なお、以下に紹介するコマンドは基本的にキャラクターが右向き状態でのものとなる。まずレバーニュートラル状態でアビリティボタン、もしくは↓↘→+攻撃ボタンで発動するのは「土の理」。土を操ってキャラの前方に攻撃を発生させる打撃技となっており、どのボタンで発動させるかによってリーチと性能が変化する。弱攻撃版で出る衝撃波はリーチこそ短いが発生が早く、コンボや連携に組み込みやすい技となっている。
中攻撃版では杖を回すモーションが入り、土の竜巻のようなものを前方に出現させる。こちらは発生こそ遅いが、弱攻撃版よりリーチが若干長くヒットした相手を浮かせるため、他のアビリティに繋ぐことが可能でリターンが高い。ガードさせても有利なため攻めの継続にも使える技だ。強攻撃版は目の前に土の拳を突き出す攻撃となり、リーチも大幅に増加。発生も早くガードされても有利、またヒット時に吹き飛ばし+壁に当たればバウンドがあるため画面端付近ではそのままコンボに繋がる性能となっている。

→+アビリティボタン、もしくは→↓↘+攻撃ボタンで発動するのは「破嵐岩」。ガレヲンの3つの投げアビリティのうちのひとつで、いわゆる対空投げとなっている。モーションは短く前方空中に飛び上がりつつ腕を伸ばすもので、弱攻撃版と中攻撃版では前進距離が異なる。投げ判定なのでガード不能だが、そもそもこのゲームでは基本的に地上攻撃は空中ガード不能なので、対空として使う限りでは普通の対空アビリティとあまり使用感は変わらないだろう。やられ中の相手も掴めるのでコンボに利用でき、前述の中攻撃版「土の理」から弱攻撃版「破嵐岩」が繋がるようになっている。また、どんなに密着していても地上の相手にはヒットしないのでそこには注意が必要だ。強攻撃版では性能が変化し、飛び上がりモーションの頂点で前方斜め下に向かって岩を投げつける派生が追加される。この岩石投げは投げ部分がヒットしてもしなくても発生するため、ただのリターンの高い対空ではなく、中距離でのちょっとした牽制の飛び道具として使うことも可能だ。

←+アビリティボタン、もしくは→↘↓↙←→+攻撃ボタンでは「大地への回帰」が発動。こちらも投げアビリティとなり、ガレヲンの立ち回りと崩しの核となる地上コマンド投げアビリティだ。杖を突き出し前方の地面に土の渦を発生させるようなモーションで、地上の投げアビリティとしては比較的投げ間合いが広い方だと言えるだろう。弱・中・強攻撃版では派手な性能の変化はなく、掴み後に相手が吹き飛ぶ量と有利時間が変化する。やられ状態の相手も掴むことが可能であり、試遊版でも画面端で近距離強攻撃から強攻撃版「大地への回帰」が連続ヒットしたため、コンボに組み込むことも可能のようだ。通常技をガードさせている時にキャンセルで出せるので、特に画面端ではガード崩しの手段として活躍しそうなアビリティとなっている。

空中でアビリティボタン、もしくは↓↙←+攻撃ボタンでは「泥濘の抱擁」が発動。ガレヲン3つめの投げアビリティとなっており、空中から前方斜め下に急降下し触れた相手を投げる技となっている。空中もしくは立ち状態の相手にヒットする投げであり、しゃがんでいる相手には当たらない。こちらも各攻撃ボタンで大きな性能変化はないが、強攻撃版ではヒット数もダメージも高くなっている。ジャンプ攻撃に立ちガードを固めている相手へ対して有効な揺さぶりになりそうなほか、対空ずらしとしても使えそうな性能のアビリティだ。

最後に↓+アビリティボタン、もしくは↓↓+攻撃ボタンでは設置技の「落石」が発動する。「落石」は設置時に相手をサーチする設置技となっており、発動した瞬間の相手の足元に魔法陣が発生する。この魔法陣は最大で4段階まで強化することが可能で、弱攻撃版は発生が早いが1段階強化、中攻撃版は発生が遅いが4段階一気に強化、そして強攻撃版は発生が早い3段階強化となっている。強化段階に応じてダメージと範囲が上昇していくが、基本的には最初に設置した場所(発動時の相手の足元)から動かすことは出来ない。また、発動は「大地への回帰」、U版「落石」、特殊技の激震のどれかがトリガーとなり、上空から巨大な岩石が落下してくる。なお特殊技の激震については後述する。特筆すべきは落石ヒット後に特定の通常技が繋がるところで、これによって画面端で落石込みのコマンド投げが成立した時の火力が高く、かなりプレッシャーの高い攻めが展開できそうだ。

各アビリティのU版についても見ていこう。まずU版「土の理」は強攻撃版の素直な強化版と言うべき性能で、地上ヒット時は膝崩れダウン、空中ヒット時は壁バウンドを誘発するためコンボ性能の高い技となっている。U版「破嵐岩」は対空投げの前に地上の打撃が追加される。打撃部分にはリーチはかなり短いが無敵が付いており、地対地性能が皆無の通常版「破嵐岩」と違い、ガレヲンにとっては貴重な地上での切り返し手段となる。U版「大地への回帰」は発生が早く、崩しだけではなくコンボパーツとしても使いやすくなっている。U版「泥濘の抱擁」もU版「大地への回帰」同様に奇襲として有効なほか、スロー効果により相手の地上技をジャンプでかわした時の遠めからの差し返しとしても使えそうだ。最後にU版「落石」だが、こちらは「魔法陣を一段階強化した上で、即座に相手の位置をサーチして落石を発動させる」という特殊な仕様になっている。魔法陣が設置されていない場合は相手の頭上に一段階強化の落石を即座に発動、三段階強化の魔法陣がすでに設置されている場合は(魔法陣の位置を問わず)相手の頭上に四段階強化の落石を発生させる、といった塩梅だ。発生が早く相手をサーチするため、牽制や差し返しに使いやすい性能となっている。

特殊技の「激震」はいわゆる「震脚」系の技。自身を中心に下段の攻撃判定を発生し、ヒットした相手を空中に浮かせることが出来る。タメることも可能で、その場合は発生の遅さと引き換えに攻撃判定が画面全体となる。どちらの場合でもヒットしてもダメージは発生しない。また「落石」の発動トリガーにもなっており、地震と同時に落石が発生する。落石付きでヒットした場合は相手を高く浮かせ受け身不能時間も長いため、コンボパーツとしても優秀な技となっている。

奥義は2種類。↓↘→+アビリティボタン、もしくは↓↘→↓↘→+強攻撃で発動する「大地の鼓動」は投げ判定の奥義。ヒットして投げが成立するとロックして演出へと移行する。地上投げだがやられ中のみ空中の相手にもヒットするため、コンボの締めとしてもしっかり活用することが可能。投げ間合いは広めではあるが、暗転後にジャンプできるため崩しとしてはあまり機能しない。無敵はあるためコンボ以外では基本的に無敵を利用した切り返し手段として使うことになるだろう。

↓↙←+アビリティボタン、もしくは↓↙←↓↙←+強攻撃で発動するのは同じく「大地の鼓動」だが、こちらは同名で飛び道具の奥義となっている。こちらは発動するとゆっくりと前方に進む光球が発射され、ヒットもしくはガードでその場で竜巻へと変化する。光球発生前の無敵はないため切り返しには使えないが、光球発生後に無敵があるため、コンボもしくは起き攻めのセットプレー、遠距離からの攻めの起点などに使うことになるだろう。

最後に解放奥義の「スワッター」だが、こちらはほぼ投げ版「大地の鼓動」と同じ性能となる。さらに間合いが広い無敵付き地上投げで、やられ中のみ空中の相手にもヒットする。暗転後にジャンプで避けられるのも変わらず、基本的には純粋な強化版「大地の鼓動(投げ)」として使うことになるだろう。

以上を踏まえた上で、試遊におけるガレヲンの全体的なプレイ感触としては、「ややテクニカルで攻撃的な投げキャラ」だろうか。長めの通常技やアビリティ、奥義ゲージを消費するものの相手をサーチする飛び道具なども持っておりいわゆる格闘ゲームの典型的な「投げキャラ」という感じは薄め。主力のコマンド投げはやや広めの投げ間合いを持っており、落石を絡めればリターンも高いため攻めの圧はかなり高そうだ。ただしやはり突進技等は持っていないので接近手段に乏しいのと、奥義ゲージを使わないと地上での切り返し手段を持たないという弱点がある。明確な強みと弱みを持った、『GBVSR』のキャラクターラインナップの中ではややピーキー寄りのキャラと言えるのではないだろうか。もちろんこれは限られた時間での試遊における感想なので、実際に攻略と開発が進めばまた違った側面を見せてくれる可能性も高いだろう。

なおガレヲンとは直接の関係はないが、今回の試遊はVer2.10で実施され、またトレーニングモードでの試遊も可能であったため、Ver2.10におけるトレーニングモードの新機能である「確定反撃トレーニング」を試す機会にも恵まれた。確定反撃トレーニングはコンボ練習モードなどと同じで、ゲーム側で指定された特定のシチュエーションをトレーニングモードで再現してくれる機能となっている。内容は確定反撃だけにとどまらずよく使われる攻めの連携への対策をシミュレートできる「キャラ対策センター」とも言えるもの。

例えば対ガレヲンの確定反撃トレーニングは3種類用意されており、それぞれ「不利フレームが大きいがヒット・ガード後にワープできるため反撃が取りづらいダッシュ強攻撃への確定反撃」「通常技をガードさせてからコマンド投げを狙ってくる連携への割り込み」「トリプルアタックをガードさせてからの落石設置への割り込み」の3つとなっている。暴れだけではなく回り込みや避けを利用しての対策などもしっかり用意されており、これらを一通りこなすだけである程度のキャラ対策が積める非常に優秀なモードとなっている。

また同じくVer2.10の新機能として「お気に入りメニュー」が存在し、こちらも実際に試してみることが出来た。こちらはゲームのモード選択画面で特定のモードだけを表示する改造メニューを表示出来る機能となっていて、例えば「トレーニングモード」と「オンラインロビー」だけを表示する簡易メニューを自分で作ることが出来る。背景も自分で設定することが可能で、自分の好みを出しつつQoLを上げていくことが可能となっている。

今回の試遊レビューは以上となる。『グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-』は現在PC(Steam)、PS5、PS4で発売中。今回試遊したガレヲンがプレイ可能となるDLCとVer2.10アップデートは、5月28日に配信予定となっている。