『ダンガンロンパ』15周年フェスに行ってきた。歴史大振り返りコーナーに『スーパーダンガンロンパ2×2』モノミ声優サプライズ公開、これまでとこれからの決意詰まったイベント

イベント「ダンガンロンパ15周年フェス -超高校級の大感謝祭-」が11月29日にベルサール東京日本橋で開催された。

『ダンガンロンパ』シリーズの誕生から15周年を記念して、イベント「ダンガンロンパ15周年フェス -超高校級の大感謝祭-」が11月29日にベルサール東京日本橋で開催された。イベントではシリーズの歴史を振り返る展示が多数登場したほか、2026年発売予定の『スーパーダンガンロンパ2×2』の試遊も行われた。

ステージイベントにはプロデューサーの榊原昌平氏が登壇し、『スーパーダンガンロンパ2×2』に関する公開インタビューが実施。本作の重要キャラクターであるモノミのボイスを演じる大代キヌ太も登壇し、会場ではその場の状況に応じてモノミのボイスで喋るという離れ業をやってのけた。弊誌は幸運にも『ダンガンロンパ』の15周年イベントに参加することができたので、その模様をお伝えしたい。

シリーズ15周年の歴史を凝縮した展示

イベント会場では、『ダンガンロンパ』をもとにしたさまざまな展示がなされていた。このイベントのためにイラストレーターのORIHARA氏が描き下ろしたメインビジュアルがあしらわれたパネルが来場者を迎えると、そこにはモノクマの着ぐるみが登場。モノクマはシリーズを代表するマスコット的な存在だ。愛らしい右半身と邪悪な印象を与える左半身という独特な見た目をしており、ファンで賑わうイベント会場でも際立った存在感を放つ。

モノクマの着ぐるみはこちらに手を振ってくれるなどファンサービスも旺盛で、ツーショットを希望するファンによる長蛇の列ができていた。会場のファンからは「モノクマがいる!」や「かわいい」と絶賛の声が相次いでおり、依然としてモノクマの人気の高さがうかがい知れる。このパネルの前にはさまざまな『ダンガンロンパ』公式プレイヤーが登場することもあり、江ノ島盾子や王馬小吉といった人気キャラクターの写真を撮ることができた。

イベントビジュアルがあしらわれた裏は、シリーズの大勢のキャラクターが一堂に介する巨大なイラストが描かれたパネルとなっている。シリーズ作を彩ったキャラクターのイラストが集合するインパクト抜群の1枚となっており、眺めているだけで個性豊かなキャラクターたちの活躍が脳裏に自然と蘇ってくるかのようだ。

『ダンガンロンパ』15年の歴史を振り返る巨大ボードも展示。各タイトルの発売日はもちろん、公式イベントの開催履歴や各種のゲームアワードの受賞歴もまとめられている。時系列で『ダンガンロンパ』が歩んだ栄光の歴史を追うことが可能で、ファンはその歴史に思いを馳せることが可能だ。

各タイトルのパッケージ版も展示されており、それには限定版などの特典グッズまでもが展示されているのは見事だ。いまとなっては入手困難なグッズも展示されているため、発売されたパッケージ版の歴史をまとめる展示としてはここでしか見られない。シリーズ作品が表紙を飾った雑誌も紹介されているのも、長年のファンにとっては感慨深い。

スタンプラリー制覇で参加可能な学級裁判

会場に設置された6つのボードを探し、その謎を解き明かすスタンプラリーも実施された。各問で3択から正解と思う答えをQRコードで読み取ることで、正解すればスタンプを押してもらえる。すべての問題に正解することでスタンプを集めれば「学級裁判」を模したアクティビティに参加可能だ。

問題文はイベントのメタフィクション的なものとなっているが、正解した場合は解説文で詳細を知ることができる。この仕組みは謎を解き明かす『ダンガンロンパ』の世界観にふさわしい。なにより、学級裁判のアクティビティに参加してみたいファンが数多いこともあって、スタンプラリーは会場内でも人気コンテンツの1つとなっていた。

学級裁判が行われる場所では、モノクマが待ち受けていた。作中で生徒の生き死にを決める場所であるためか、こちらのモノクマはどこか厳粛な雰囲気を醸し出している。スタンプラリーを終えた来場者は学級裁判の席につくことができる。学級裁判の席はゲームを彷彿とさせるデザインとなっており、まるで自分がダンガンロンパのキャラクターになったかのような気持ちにさせてくれた。

学級裁判の席にタブレットが置かれており、画面にタッチするとプレイヤーのジャッジが始まる。その結果が「シロ」ならば無罪であり、「クロ」ならば事件の犯人として有罪だ。筆者もスタンプラリーを終えて学級裁判に挑戦してみたが、「クロ」となってしまった。ゲームではクロに対して強烈な「オシオキ」が行われるが、今回のイベントではそれがなかったので助かった。

大盛況な最新作試遊のほか、オリジナル版の試遊も

イベントでは『スーパーダンガンロンパ2×2』の世界最速となる試遊も実施された。数十台の端末が並ぶ試遊スペースは圧巻で、イベント会場の多くのスペースを占めている。同作はシリーズのなかでも屈指の人気を誇る『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』の本編をリメイクしつつ、オリジナル版とは異なるストーリーも収録する新作だ。イベントに来る数多くのファンにとっても思い入れのある作品であるようで、試遊の待機列は絶えることのなかった。弊誌では『スーパーダンガンロンパ2×2』の試遊感想を掲載しているので、試遊版の詳細についてはそちらをチェックしてほしい(関連記事)。

オリジナル版の『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』が試遊できるコーナーが存在したのも見逃せない。イベントに協賛しているマウスコンピューターのコーナーでは同社のPCで『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』がプレイ可能だった。イベント開催日はダンガンロンパ15周年を記念したセールがSteamで開催されている最中でもあったため、あらためてPC版に興味を惹かれたユーザーも散見された。

もはや新作ともいうべき『スーパーダンガンロンパ2×2』を最大限に楽しむ方法として、オリジナル版を含むシリーズ作品をあらためてプレイしておくというのはいい考えだ。Steamでは『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』が12月1日までの期間限定で94%オフの128円(税込)。『スーパーダンガンロンパ2×2』のオリジナル版である『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』はSteamで12月13日まで80%オフの427円(税込)とお買い得価格となっている。

モノミ役の新声優による公開アフレコにファン驚愕のステージ

イベントでは時間帯に応じて4つのステージイベントが実施された。最終回の第4回目には『スーパーダンガンロンパ2×2』でプロデューサーを務める榊原昌平氏が登壇。ファミ通編集部の三代川正氏も登壇し、榊原氏に『スーパーダンガンロンパ2×2』のさまざまなことを質問する公開インタビューが行われた。

公開インタビューの実施に先立ち、『ダンガンロンパ』の生みの親の1人である小高和剛氏からのビデオメッセージが会場に届いた。小高氏はスパイク・チュンソフト退社後もシリーズの行方を気にかけており、『ダンガンロンパ』新作の可能性を模索していたらしい。小高氏とスパイク・チュンソフトは良好な関係を築いており、『超探偵事件簿 レインコード』の開発終了後に『スーパーダンガンロンパ2×2』へ向けて動き始めたそうだ。オリジナル版の本編と新しいシナリオが収録される同作について小高氏は、新作でも「キャラクターの生き様と死に様に期待してほしい」とコメントしている。

火の車のような状態で開発が進められていると榊原氏が語るように、公開インタビューでは『スーパーダンガンロンパ2×2』の詳細について現時点では「いえない」として伏せられた。それでも、同作でキャラクターボイスがすべて新録となっていることや重要キャラクターであるモノクマとモノミの新声優が決定したことに言及。モノミの新声優はイベント前日の11月28日に発表されたばかりだったが、『スーパーダンガンロンパ2×2』でモノミを演じる大代キヌ太氏がサプライズゲストとしてステージイベントに登場した。

亡くなった貴家堂子(さすがたかこ)氏が作り上げたモノミのイメージを忠実に再現することを試みたという大代氏は、その演技をステージでも披露してくれた。生徒を導く先生として明るくポジティブに振る舞うモノミの健気さと、どこか舌っ足らずな喋り方で愛らしいモノミの魅力を見事に受け継いでいる。大代氏はモノミの着ぐるみの横に立ちながら、リアルタイムでモノミのアフレコをしていく。その様子はモノミが目の前に実在するかのようであり、ステージイベントを観覧しているファンからは次々に「すごい」と感嘆の声が漏れた。

本格的に声優として活動するのは『スーパーダンガンロンパ2×2』が初という大代氏は謎に包まれており、モノミの着ぐるみに寄り添う形で登場したときはだれもその顔に気づかなかった。モノミの着ぐるみを誘導するスタッフかのように振る舞っていたその人こそが大代氏だったのだ。誰も気が付かなかった人がモノミの声で喋る様子は衝撃的で、ステージイベントでもっとも多くの歓声が上がった瞬間だったのかもしれない。

ステージイベントでは『スーパーダンガンロンパ2×2』の試遊版の映像が流れるなかで、プロデューサーの榊原氏による新作の特徴が解説された。グラフィックが一新されており、キャラクターの立ち絵もやや頭身が上がっているらしい。キャラクターの表現方法としては、シリーズ初となるアニメーションも搭載されているそうだ。

榊原氏によると、『スーパーダンガンロンパ2×2』は2026年の発売に向けて鋭意開発中とのこと。キャラクターボイスの新録などもこれから本格的に行われるそうだ。『スーパーダンガンロンパ2×2』をシリーズの新作として楽しみにしていてくださいとコメントし、ステージイベントは幕を閉じた。スパイク・チュンソフト公式YouTubeチャンネルにアーカイブ動画がアップロードされているので、ステージイベントの詳細に興味がある場合はそちらを視聴してほしい。

15周年イベントは『ダンガンロンパ』復活の狼煙に

アドベンチャーゲームの歴史に名を残す『ダンガンロンパ』は、生誕から15周年を迎えたいまでもファンの心に残り続ける作品となっている。そうしたファンの熱意が会場にいるだけでありありと感じられ、来場者のそれぞれがプレイした当時の記憶に想いを馳せながら幸せそうにしている様子が印象的だった。

『ダンガンロンパ』を愛する開発者、出演者、ファンのそれぞれが集結したイベントは、『ダンガンロンパ』の復活を遂げる狼煙といえるほど盛り上がっていたといっていいだろう。とりわけ新モノミ役がサプライズゲストとして登壇したステージはファンの期待を超えるものであり、会場のボルテージは最高潮だった。そうした熱狂を生む『ダンガンロンパ』は特別なシリーズであり、今後の展開にも注目したいところだ。『スーパーダンガンロンパ2×2』は2026年発売予定。対応プラットフォームは、Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PS5/Xbox Series X|S/PC(Steam)となっている。

Ryuichi Kataoka
Ryuichi Kataoka

「ドラゴンクエストIII」でゲームに魅了されました。それ以来ずっとRPGを好んでいますが、おもしろそうなタイトルはジャンルを問わずにプレイします。

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