
オンライン・マルチプレイダンスゲーム『Club M Star(クラブ・エム・スター)』は部活動みたい。交流、ガーデニング、収集、ファッションでふざけるゲーム
『Club M Star』は基本プレイ無料のソーシャルダンスゲーム。本稿では、ダンスマスターを目指して踊りまくってみたプレイレポをお届けする。

パブリッシャーのG・O・Pは8月29日、オンラインダンスゲーム『Club M Star(クラブ・エム・スター)』のクローズドβテスト(以下、CBT)を開始した。対応プラットフォームはPC。
『Club M Star(クラブ・エム・スター)』は、2012年より韓国向けに配信されている基本プレイ無料のソーシャルダンスゲームだ。今回のβ版は、日本向けの正式サービス開始に向けて先着1000名を対象に限定的に配信された(関連記事)。本稿では、音楽やリズムゲームの好きな筆者が、本作でダンスマスターを目指して踊りまくってみたプレイレポをお届けする。

改めて思う「音楽のある生活っていいな」
本作は、筆者にとって懐かしさを感じるところがあり、大変とっつきやすかった。なぜならば、かつてダンスや演奏などの要素があるMMORPGや、オンライン対戦機能を持つキーボード操作が基本のリズムゲームをプレイしていたからだ。キーボードのカーソルキー、スペースキー、Ctrlキーを音楽にノリながらタイプする形となるので、シンプルでわかりやすいし知らない曲でもリズムに合わせてキーを叩いていると段々と気持ちが盛り上がってくるのだった。

まずは、本作のさまざまな要素に広く浅く触れてみようと思い、チュートリアルやミッションをこなしながらロビーやホームなどを巡っている間も、常にランダムな曲が流れ続ける。今回のCBTでは、正式版に収録されている約2000曲すべてに触れられるわけではないようだが、数時間起動しっぱなしにしている間に同じ曲が二度流れることがないくらい多数の楽曲があった。アーティストや楽曲はほとんどが知らないものであったものの、ホームにキャラクターを放置しBGMを垂れ流しておくと、まるで音楽配信サービスでダンサブルな楽曲がランダムに流れるチャンネルを聴いているような感じがした。
マイルームでは、ガーデニングを行うこともできるので、ダンスの合間に部屋で息抜きがてら果樹や草花の世話をしながら音楽を聴いていると、「この曲を踊ってみたい」という曲が出てきたりして、そこでまたダンスフロアに戻るというような生活スタイルになった。音楽もリズムゲームも好きな筆者は、これまでにもリズムゲーム経由でお気に入りの楽曲やコンポーザーを見つけることがよくあり、今回も知らなかったアーティストと出会うことができた。邦楽アーティストとしては、シンガーソングライターさとう。氏や、オネェ系3人組ユニットENVii GABRIELLA、V系ラウドロックバンドlynch.らの楽曲がそれぞれにつき5~10曲ほど収録されていた。

こういった未知のアーティストと、ゲームを介して邂逅できることは音楽とゲーム両方が好きな者としては嬉しいことだ。また、「黒ネコのタンゴ」の韓国語によるアレンジバージョン「黒猫のネロ(The Black Cat Nero)」なども収録されており、これもまた面白い出会いだった。声優の蒼井翔太氏の楽曲も2曲収録されていて、正式版に収録されている2000曲では、ほかに一体どのような幅広い楽曲に出会えるのか興味が湧くし、楽しみになった。
マルチプレイがアツすぎて、終了時間ギリギリまで遊んでしまう
本作では、同時に6人までのプレイヤーが同じルームに入室して、協力や対戦のモードでプレイすることができる。ソロプレイではそもそも選択できないモードなどもあり、これが収集要素にも影響するということだったので、筆者もフレンドを誘ってマルチ専用のモードに触れてみた。

たとえば「星座モード」では、全員で協力してノルマよりも高い得点を取り続けることを目標とした遊び方となる。すべてのフェーズでノルマを達成すれば星が集まって、星座が完成する仕組みだ。簡単な譜面もあるが、序盤で全員が満点を獲得できる初級~中級の譜面でも、最終フェーズでは難易度が上昇するため、星座が完成しないことがあった。最後のひとつだけが獲得できず悔しい思いをするので、「もう一回! リベンジだ!」という感じで繰り返し遊んでしまった。

はじめは「簡単すぎてむしろ暇」などと言いながら余裕の面持ちで踊っていても、終盤になると突然流れが変わるので、通話しながらマルチプレイしていると誰もが悲鳴を上げ始めて楽しかった。あくまで、初見だとフルコンボをするのは難しいというくらいの塩梅で、理不尽というほどではないため、より一層「次もう一回やったらなんとかできるのでは?」という気持ちになり後を引くのだった。
しかも、星座には現実に存在しない「万里の長城座」「ブルーベリージャム座」のようなオリジナル星座も多く、どんな星座を収集できるステージになるかは開始するまでわからないので、「次は一体どんな星座が!?」と話しながら星座モードを楽しんだ。

また、4人以上いればルーム内のメンバーで複数のチームを編成して対抗戦ができるモードも何種類かある。筆者は4人でルームに入り、2対2の各対戦モードに挑戦してみた。特に気になったのは「オールキルチームモード」だ。「ダンスゲームでキル……? やけに物騒だな」などと話しながらスタート。
それぞれのチームから一人ずつが前に出て8小節ほど1対1のダンスバトルをして、各フェーズごとの勝者を決めて別プレイヤーに交代ということが繰り返される。各フェーズの終了時には、負けた印としてキルされたプレイヤーの頭にうんちの被り物が被せられるのだった。キルしたりされたり、はたまたドローだったりと、各フェーズで全員が一喜一憂。また、筆者ら4名の実力が拮抗していたため総合得点が出る最後の瞬間までどちらのチームが勝つかはわからず、プレイ中は全員がずっとヒートアップしていた。ダンスバトルをしているが、実態はうんちの押し付け合いだ。踊っている最中に頭にうんちを被せられるのは思いのほか屈辱的なので負けたくないし、押し付けられたうんちは次のターンで絶対に返してやるという対抗心が高まってしまった。


「全楽曲の中からランダムな曲を中級難易度で」というようなおまかせ設定で楽曲選択をして対戦した回は、中級譜面の中でもちょっと難しめのものに当たってしまい全員のスコアがボロボロだったが、大騒ぎになってプレイ自体は非常に盛り上がった。自分にとって「少し時間をかければ慣れそうな曲」と当たると、追々対戦することを考えながらソロで練習を積むのが楽しくなりそうだと思った。
ほかにも、ギャンブル性のある「ジャックポットモード」などは、プレイスキルよりも乱数との闘いという運要素が絡んでくるため、ただリズムゲームが上手いだけでは気持ちよく勝てない。賭けに勝って当選した場合にはキャリーオーバーされたポイントを全取りできるため、どういうペースで賭けていくか、何に賭けるかなどの駆け引きが楽しかった。また、NPCとのPvEモードやアイテムを使用できる対戦モードなどもあり、いずれも通話をしながらだと特に楽しめると感じた。

また、ダンスルームやラウンジなどで友達と一緒にいるときにショップやクローゼットを開いて、着替えて見せ合うのが予想以上に面白かった。なぜなら、事前に思っていたよりも身につけられるアイテムのバリエーションがかなり豊富だったからだ。さすが10年以上サービスを継続しているだけのことはあって、髪型・トップス・ボトムス・靴・アクセサリーなど、それぞれのファッションアイテムの数が尋常ではなく、中にはかなり尖ったデザインの“イロモノ”枠と言える服装や持ち物、多種多様なエモートもある。自分なりのコーディネートをするのはもちろんのこと、楽曲や友達との相性を考えたコーディネートを工夫するのも楽しい。服を揃えて友達と一緒に踊ったり、ラウンジで相互アクションを使ってポーズを取りつつ集合写真を撮ったりと、踊っている時間以外も着せ替えでワイワイ楽しむことができた。


さらに本作には、犬猫のみに留まらない多種多様なペットが存在する。たとえば、豚、タヌキ、狐、トラ、ペンギンや、果てはドラゴンなどの架空生物まで。基本はガチャで入手することとなるため、どんな動物がやってくるかは開けてみてのお楽しみだ。ファッションと同様に友達と「こんなペットを入手したよ~」と見せ合ったりするのが楽しく、図鑑への収集と育成の要素もあるので図鑑と動物好きの筆者としてはのめり込んでしまう要素だった。
腕に覚えのある音ゲーマー同士で集まったらすごそう
筆者は、これまでに複数の音楽ゲームを遊んできているが、最高難易度に挑めるほど上手くはない。しかし、リズムゲームというのは上手い人のプレイングを見るのもかなり楽しいものだ。ゲームセンターではよく上手い友達や、知らないプレイヤーのプレイですら後ろで見せてもらった記憶が俄に甦る。本作には5段階の難易度があり、筆者にとっては簡単な方から2段階目でも曲によって初見フルコンボできないものがある感じだった。この様子だと、観戦モードを使って上手な人の高難易度楽曲のプレイングも見てみたいと思った。上級譜面でもパーフェクト判定でコンボを繋ぎ続けられる実力の持ち主が複数集まったルームは、さぞかし見ごたえがあるに違いない。

また、上述の通り本作にはガーデニングやペット育成、図鑑埋めのコレクション要素などもある。たとえばMMORPGで音楽や着せ替え、栽培、育成、収集の要素を楽しむことが多いプレイヤーには、ぜひ触れてほしいと思うものが詰まっていた。今回のCBTは正味3日間という短期間の開催だったが、筆者はソロとマルチの両方で楽しみつつ入り浸ってしまった。いわゆるギルドシステムのような「クラン」の仕組みやカップル機能などもあるので、友達と一緒に始めるのも楽しそうだし、ゲーム内で知らないプレイヤーと交流を深めていく遊び方も良さそうだ。
『Club M Star』はPC(Pmang)向けに、2025年内に基本プレイ無料でサービス開始予定。
