BitSummit 2014 作品ピックアップ by Okunokami Kuheiji 『Shapist』&『Block Legend』 &『キラキラスターナイト』

Dimitri とおなじく、筆者も BitSummit へ足を運ぶのは初めてです。プレス向けは金曜開催とのことだったので、休みをとって行ってまいりました。国内海外問わずさまざまなゲームが集まった今回の BitSummit。多くのゲームをプレイし、また開発者の方と直接コミュニケーションをとることができる貴重な機会でした。

完成品もあり、開発段階のものもあり、他方開発中のものまであるというカオスな状況でしたが、そのカオスさもまた本イベントにおける楽しみのひとつではないでしょうか。

 


『Shapist』  明快

 

頭をひねっている瞬間。
頭をひねっている瞬間。

 

まずは『Shapist』。 Yasuda と Dimitri が会場で猿のようにプレイしていた怪作です。今なにをすべきか・ゴールはどこか・このブロックはどう動くか、それぞれの提示が明確です。さらに、画面構成 も中央に据えられたパズル画面のみといった徹底ぶりで、自然とパズルに集中できます。

スライドパズルのもつシンプルな基本概念である「ブロックをスライドさせてゴールをめざす」ことをベースに、さまざまな効果をもったブロックがシン プルかつ難解なエッセンスとなっています。ちなみにゴールは「ゴールエリア上からすべてのブロックをどけること」。上記画像では表示されていませんが、中 央付近にゴールエリアがあります。

BitSummit 当日に販売されたとあって、クオリティ自体も見事なものです。各ブロックの動作も非常になめらか。特別な動きをするプロックもありますが、こちらの動作も 慣性がきいており、爽快感に近い楽しさの充実に貢献しています。なお、私がもっともうれしかったポイントは、制限時間がないこと。リセットが右上のボタン を押すだけという手軽さもあり、じっくりと時間をかけて解いていくことができます。

唯一残念なポイントをあげるとすれば、iPad のみ対応なことでしょうか。ただ、このプレイ感を iPhone や iPod Touch で出すことは難しいのではないかとも思えるため、取捨選択の結果としてiPad のみの対応としたのではないかと推測します。

 


『Block Legend』 – さめがめRPG

 

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次はこちら、ブースにおいてある兜が特徴的だった『Block Legend』 です。こちらは iOS/Android 対応。RPG といっても探索をするわけではなく、パズルでつぎつぎと出現してくる敵を倒していきます。戦闘が終了したら攻撃マスが経験値マスへと変化し、これらを消し て経験値を稼いでいきます。デモはiPadでしたが、動作も軽快で爽快感があります。マスを消すと上から補充されるため、下のほうに消せない構成のブロッ クを残さないことが要求されます。HP回復やブロック差し替えなど、さまざまな効果のあるアイテムもあります。

ただひたすら消すというシンプルさに、敵からの攻撃やアイテムの利用といったエッセンスがほどよく加えられており、無心にプレイしてしまいました。

 


『キラキラスターナイト』   ハードウェアDIY

 

まさに手づくり。
まさに手づくり。

 

最後はこちら、ファミコンで動作する『キラキラスターナイト』 です。ゲーム内容としてはジャンプして星を取るというものですが、本作で見るべきはそこではありません。なんと、エミュレーションや既存のROMカセット を云々するような非正規の方法ではなく、基板を発注し、チップをのせ、ROMを焼いてROM カセットを作成してしまったという気合の入れよう。感服いたしました。コミックマーケットにも出展されていたとのことで、たしかに電子系・基板系ブースの 香りを感じます。

 

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起動時にはBitSummitのロゴが表示されるという気合の入れよう。会場にUnity や Unreal Engine のようなミドルウェアのブースがあり、またおそらくほとんどのゲームはミドルウェアを利用していると思われるなかで、本作のようなハードウェア DIY をおこなうブースが出展されていたのには驚きました。

Hirokazu Saito
Hirokazu Saito

アルコール・お茶・コーヒーなど、飲むのに面倒な飲み物全般に強い興味があります。30代前半、既婚。都内から電車で1時間ちょっとの僻地住まい。メガネの女の子が好きですが妻はメガネをかけてくれません。

最近ようやく足を洗い始めましたが、オンラインゲームで時間を消滅させていました。激しく動く系のゲームは酷使した目がついていかないのであまり得意ではありません。30台から感じる老化です。

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