BitSummit 2014 作品ピックアップ by Dimitri Toichi 『Shapist』&『Nova-111』

BitSummit は今年で2回目。筆者は今回が初めての参加です。ビデオゲームのために京都くんだりまで来てみれば、そこにはゲーマーとゲーム開発者の熱気溢れた空間がありました。

BitSummit は今年で2回目。筆者は今回が初めての参加です。ビデオゲームのために京都くんだりまで来てみれば、そこにはゲーマーとゲーム開発者の熱気溢れた空間がありました。イベント中にふと会場を見回すと、会場全体にもやがかかっていましたが、あれはいわゆるコミケ雲的現象だったのかは不明です。

 


『Shapist』 言葉のいらないパズル体験

 

shapist

筆者はあまりパズルゲームは嗜まないのですが、『Shapist』は今回の BitSummit で一番プレイ時間が長かったゲームでした。ゲーム内容は単純明快、枠内の指定された場所に乗っているブロックを別の場所へ移動させることだけです。

印象的だったのは、ブースにいた担当者(海外の方)からプレイする前に受けた説明が「ゲームのルールも、解き方も、自分で考えてほしいので説明しま せん」という内容だったことです。事前知識はもちろんゼロ。そんな説明を聞きながらプレイした1ステージ目は、適当にタッチしていたらいつの間にかクリア していました。

2ステージ目でルールがまだ把握できずにいたところに、開発者の方から「前のステージはどうやってクリアしたか、やり直して考えてみてください」と言われようやくルールを理解。筆者はこの瞬間に『Shapist』の魅力に引き込まれました。

面白いのは、ステージを進めていくうちに、「このブロックはここに置けばクリアできるのでは?」と気づき始めるところ。たった2つのブロックを逆の位置にするだけですんなりクリアできるはずなのに、どうしてもできない!なんてステージも存在します。

このゲームにはタイトル以外の文字が全く表示されません(もしかしたらスタッフロールはあるかも)。このタイプのオシャレさは、へたをすると「すま した」感じが逆に悪印象と説明不足を招くことがあります。ですが『Shapist』にはそのような心配は無用です。すべてが目の前のブロックで説明されて います。文字を取り除いたことが、このパズルにのめり込んでしまう要因のひとつでしょう。

ここまで書いてしまいましたが、このゲームは事前知識なしでプレイするのが一番いいのかもしれません。このゲームのおもしろさを言葉で説明すること自体がスポイラーになってしまう側面があります。なんとももどかしい。

『Shapist』は iTunes にて300円で販売中。Unity 製のようなので、Android 版への展開もあるかもしれません。

以下は熱中して姿勢が変化していく Yasuda 。

 

yasuda_with_shapist_1

yasuda_with_shapist_2

 


『Nova-111』 ターンベース&リアルタイムアクション

 

Nova-111』は Funktronic Labs が開発中のアクションゲーム。プレイヤーは宇宙船”Nova-111 ”を操作し、研究者を救出するべくリアルタイムとターンベースの時間が混ざってしまった世界をさまよいます。

 

 

 

 

このゲームの基本システムは、プレイヤーが移動すると敵も移動するターンベースです。ただし一般的なローグライクとは違い、こちらが攻撃すると相手 もすぐ攻撃してくるわけではなく、プレイヤーは攻撃して一歩退いてまた攻撃して……というように行動すれば、最初に現れる敵は無傷で倒すことができます。

ゲームを進めると、このターンベースの世界にリアルタイムで動くオブジェクトや敵が出現してきます。筆者が会場で体験したのは、プレイヤーが下直線上にいると落ちてくる鍾乳石と、こちらのエネルギーを吸収してくる敵。

鍾乳石はこちらが動いていなくても落ちてくるため、衝突を回避するため移動しなければいけませんが、一方で敵を誘導してダメージを与えることができ ます。やっかいなのはエネルギーを吸収してくる敵。近づくだけでエネルギーをリアルタイムで吸収されてしまうためすぐに始末しなければないのですが、ここ にターンベースで動く敵がからむとやっかいなことに。どの敵を優先して倒すかを素早く判断しなければなりません。

会場では体験することができませんでしたが、こういったターンベース / リアルタイムで動作する対象の動きを止めて一方的に行動できるタイムストップアイテムや、短距離のワープが可能なアイテムもあるようです。

販売形式はまず Steam を考えており、 PS Vita や PS4 も視野に入れているとのこと。2つの時間軸でどんな体験ができるのか、楽しみです。

 

テーブルにはひっそりとFUNKの文字が。
テーブルにはひっそりとFUNKの文字が。

 


これほど多くのインディーゲームを体験できる場所に、筆者は初めて訪れました。実際のところ、インディーゲームは荒削りな部分があるものが多く、実 際にプレイしてみなければ、その面白さがわからないこともよくあります。 Oculus Rift を利用したゲームなどは、その典型でしょう。

そのような中で、インディーゲーム開発者と話しながらゲームをできる BitSummit のようなイベントは貴重です。今後もこのようなイベントが開催されることを願っています。

Toichi Arisaka
Toichi Arisaka
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