『ウマ娘』新育成シナリオ「ごくらく♪ゆこま温泉郷」先行プレイ感想。ターン消費なしの回復に体力上限突破、「休むこと」がかつてないほど重要な究極のメリハリ育成体験
『ウマ娘 プリティーダービー』の新育成シナリオ「ごくらく♪ ゆこま温泉郷」の先行プレイ感想をお届けする。

Cygamesは『ウマ娘 プリティーダービー』の新育成シナリオ「ごくらく♪ ゆこま温泉郷」を2025年10月29日(水)に配信する。今回、新育成シナリオの先行体験会に参加する機会に恵まれたので、その先行プレイ感想をお届けする。都合12番目の育成シナリオとなる「温泉郷編」であるが、念願の全距離対応育成シナリオとなっている。中長距離向けの「無人島編」がそれ以前の育成シナリオと比べて得られる能力値やスキルPtに大きな差があったため、短距離マイルの育成を「Legends編」で行うのをためらうトレーナーも多かったのではないだろうか。筆者もその一人だ。
「Legends編」より搭載された「おまかせ育成」に加えて先日8月24日には「トレーナー手帳」が追加された。これにより現状ほぼすべてのウマ娘のデイリーコンテンツはわずかなステップで実行することが可能となり、日々の育成は過去最高レベルで楽になっていると感じているのは筆者だけではないだろう。そんな中実装される新育成シナリオがどのようなものだったかを紹介していきたい。
これまでの育成が「トレーニングの連続」だったのに対し、「温泉郷編」では「休むこと」そのものが育成の核になっている。温泉を掘り当て、体を癒やし、超回復した状態でトレーニングに挑む。そんな、これまでにない育成サイクルを体験できた。なお、体験会でプレイした新育成シナリオは開発中のものとなるため、リリース時とは異なる点があることをご了承いただきたい。


トレーナー室も温泉仕様になっている温泉郷編。
スティルインラブとゆく温泉ツアー。女将の案内でゆく温泉旅行とは
なお、今回の体験会の場では育成ウマ娘としてスティルインラブを選び、手動とおまかせ育成での育成を行った。スティルインラブを選んだ理由は実装時にも話題になった独特のシナリオでいたく彼女がお気に入りになったというのもあるが、「今回の育成シナリオは温泉が舞台」と聞いたためでもある。スティルインラブは現状唯一の「エンディング後に温泉旅行に行く」ウマ娘なのだ。そのため、「温泉に行くのであれば彼女を連れていかねばなるまい」と言う気分になってしまったのだ。結果的にその選択はいろいろな意味で成功となったのだが、それについては改めて語っていきたい。
「ごくらく♪ ゆこま温泉郷」(以降、温泉郷編)のストーリーは「日頃疲れているトレーナーやウマ娘が温泉効果の偉大さに感動。だが衰退の危機にある温泉郷を再び盛り上げていこうとする」というもの。キービジュアルにいるシナリオリンクウマ娘達以外に見慣れないメンバーがいるが、1人が温泉の女将である保科健子(ほしなきよこ)であり、もう1人のウマ娘が若女将として修行中のウマ娘・ユノハナブルームである。今回この女将、保科健子が友人サポートカード[ゆるり、ゆこま旅館]保科健子として実装されることとなる。


左が女将の保科清子、右が若女将のユノハナブルーム

SSRサポートカード[ゆるり、ゆこま旅館]保科健子
しっかり休んで超回復。上質な休みから生まれる上質なトレーニング
「ウマ娘」の育成シナリオで行くことになる温泉旅行はシナリオ終了後の慰安という印象があったため、温泉というのはお休みのために行く場所という印象のトレーナーも多いだろう。その認識はある意味正しい。今回の育成シナリオは「しっかり休んで激しく回復して激しくトレーニング」「激しくトレーニングして激しく疲れたらしっかり休む」を繰り返していく形になるからだ。


「休み」がテーマとなるストーリーでは温泉を掘ることに。
そのうえで温泉郷を再び盛り上げるために新しい温泉の源泉を掘ることになる。源泉を掘る?と思われた方もいたかもしれない。温泉郷を盛り上げるために新しい源泉を掘り、その温泉でさらなるトレーニングへのプラス効果を得るのも今回の目的となる。年に1回掘った温泉の評価を受ける「湯浴み会」で温泉は評価されるので、ここで高評価を目指そう。ただこの評価も頑張って狙うというものではなく、普通に源泉を掘っていれば問題なくクリアできる目標と思われる。なお、温泉旅行券を入手して行く通常の温泉旅行もちゃんと残っているとのことなので安心してほしい。運が良ければ両方の温泉をハシゴすることが可能というわけだ。
好みの効果がある源泉を探して掘りまくれ。「掘削」とは。
「掘削」だが、数種類ある源泉を選んで自動的に掘り進めていく。どうやらウマ娘達が掘っているらしいがどうも想像しにくい。というのも道具が妙に凝っており、ツルハシやシャベルではなく土木工作機械という印象を受けるからだ。それらの道具を砂、土、岩と異なる地層に合わせて使い分けていくのだが、たとえば砂の地層を掘るとそれ用の道具のレベルがあがり、砂の地層が掘りやすくなる。「どの源泉にどの道具が向いているか」は自動的に選ばれるため、あまり悩む必要はない。


妙にリアルな掘削工具達。掘れる温泉はどんどん増えていく。
源泉はクラシック、シニア級と進むごとに増えていくのだが、少なくとも体験会ではすべての源泉を掘り切る事はできなかった。そのため、新しい源泉が出てきたら現在の掘削を中止して新しい源泉を掘るほうがよいのか、という駆け引きも必要になってくると思われる。このあたりは前回の育成に比べるとやや難易度は高くなるのでは?と思わされるが、「Legends編」のローグライクほどに要素の複雑さは感じなかった。慣れてくれば「無人島編」の建物を立てる順番のように回せるのではないだろうか。掘った源泉にはさまざまな効果があるのだが、いよいよ温泉に入ってその効果を体感することとなる。
働かざるもの入浴するべからず。入浴券を手に入れろ!
温泉に入るには入浴券が必要となる。ここで重要なのが女将・保科健子のサポートカードとなる。女将を編成しているとおでかけイベントや源泉の掘削完了などのタイミングで入浴券が通常より多くもらえる。体験会のプレイでは「入浴券が足りない!」という事態に陥ることはなかったため、そういう意味ではサポートカードの編成が必要になると思われる。


温泉掘削はトレーニングにより完了で入浴券がもらえる。
なお、入浴券を手に入れる手段として「PR活動」というものが存在する。一応パラメータが少し上がるがどうしても入浴券が欲しいときに選ぶコマンドだと考えられる。ただ、チラシ配りに興じたり伝統行事に興じたりするウマ娘は大変愛らしいため、一度は選んでみることをオススメしたい。PR活動で何を行うかはジュニア期、クラシック期と年ごとに変化していくようだ。


温泉PR活動中のウマ娘たち。可愛らしくも微笑ましい。
ターン消費なく温泉パワーを獲得! 回復の進化系とも言える温泉の効果を体験。
温泉の効果だが、体力回復に加えやる気UP、一部の悪いコンディションの解消に加えて次のトレーニングに温泉効果の補正が加わる。この補正がどの源泉を掘ったかによって変化する。なお、温泉はおやすみやお出かけとは異なりターンを消費しない、ある意味画期的なシステムとなっている。
加えて、一定量以上体力を消費した後には抽選で超回復と呼ばれる状態になり、最高で体力が150まで上限を超えて回復する。これにより、今まで以上の激しいトレーニングに勤しむことが可能になるのだ。これが「温泉郷編」最大の特徴である「よくトレーニングしてよく休む」を表している。くわえて超回復状態にはスキルPt獲得やスキルヒント獲得もあるため、率先して温泉に入ることになる。


超回復について女将たちの説明と超回復発動状態。
ただ、温泉の効果は2ターン続くため連続で温泉に入ることは出来ない。タイミングを見計らって温泉に入り、超回復を起こして激しくトレーニングすることになる。ただし、この回復効果のお陰で「友人とお出かけ」や賢さトレーニングを踏むことが若干減りがちなので、そこは注意する必要がありそうだ。また、温泉の効果は「無人島編」とは異なりすべてのパラメータが大幅に上昇するというわけではなく、編成しているサポートカードに依存する。そのため、たとえばスタミナのサポカを抜くとスタミナのパラメータは若干落ちるという印象がある。超回復で得られるスキルPt分を考えるとこのあたりは差し引きでトータルプラスになるようにも思う。
達成は容易だが突き詰めるには試行錯誤が必要な育成。温泉ライブといえば……「???」な最後のライブは必見
以上が「温泉郷編」の内容となるが、「どの源泉を選ぶか」に少々悩ましい要素こそあるもののそこさえ慣れてしまえば育成難易度はそこまで高くないのでは、と思われた。毎年の目標達成は容易であり、超回復をうまく出していければスキルPtも大量に手に入る。ただ、先にも書いたように回復手段が多い分賢さトレーニングを踏む回数が減ったり、編成によっては少し凹む能力値があったりもする。その辺りには注意が必要だろう。
育成を進め、温泉旅館の立て直しに成功するとおなじみのライブが発生するが、今回のライブは個人的にものすごくお気に入りである。「なるほど温泉といえばこれだな!」というものが見られるので楽しみにしていただきたい。また、個人的にはスティルインラブを選んでたいへん良かったと思わされる映像を見ることができた。今回のシナリオリンクメンバーに誰がいるか、に注目していただければと思う。
隣の彼女に人気は奪われても、君への想いは変わらない。スティルインラブと行くメディア対抗レース

最後になるが、今回もメディア対抗レースが行われることとなった。前回同様おまかせ育成を使ったウマ娘での参加となったが、今回はひたすらスティルインラブを育成していたためそちらで参加することとなった。


メディア大会のレース条件は阪神ジュベナイルフィリーズで晴れの良馬場。と、いうことはラインクラフト新衣装の固有継承「ずっとずっと輝いて」が使えるであろうとほぼ前回のチャンミ同様の継承およびサポカ編成で育成したはいいものの、体力はともかく根性が妙に凹んでしまった上、金スキルの多くが中距離用となってしまい半端に評価が高い状態になってしまった。上にも書いたが今回取得スキルPtが大変多いのでスキルはガンガン取れるのである。結果、スティルインラブは4番人気。その状況でマイルSに仕上がっている他のウマ娘たちを見つつ「参加することに意義があるのだ……」と思いながらレースを見ていた結果、なんとスティルが1着を獲得してしまった。


長い間ウマ娘の記事を書いていて恥ずかしい話だが、実は筆者は先日のチャンピオンズミーティングが初のプラチナ取得であり、その際の勝利バがスティルインラブだったのだ。これはもう今後彼女を勝利の女神として崇めるしかない。今後もできる限りスティルインラブといろいろなレースに出場していきたいと思わされた1日であった。 そんなスティルインラブとの勝利を得られたのは「ごくらく♪ ゆこま温泉郷」のおかげとも言える。単に体力を管理するだけでなく、「休むことの意味」を改めて考えさせてくれるシナリオだった。温泉を掘り、疲れを癒やし再び走る。その繰り返しの中で、ウマ娘たちだけでなくトレーナー自身もリフレッシュし、健康の大切さを再認識する物語となっている。冒頭に登場する「スティルインラブといつまでも走り続けていくためには健康でいなければ」というセリフが印象に残ったのは、特殊な育成シナリオだからというだけではない。全トレーナーとウマ娘の無事を願ってしまう、ちょっと大げさかもしれないがそんなことも考えさせられた育成シナリオだった。




