『ディビジョン リサージェンス』先行プレイ感想。モバイルでもリッチ、『ディビジョン』らしい体験アリ

ユービーアイソフトは、『ディビジョン リサージェンス』をモバイル向けに配信予定だ。今回、メディア向けの最新版体験会に参加し、体験版のプレイと合同インタビューを行った。インタビューで訊いたことを交えながら、本作のもつ魅力をお伝えしていく。

ユービーアイソフトは、『ディビジョン リサージェンス』をモバイル向けに配信予定だ。対応機種はiOS/Androidで、配信時期は2023年内を予定している。


『ディビジョン リサージェンス』は、MMOオープンワールドを舞台にした、基本プレイ無料のTPSRPGだ。ユービーアイソフト代表作のひとつである『ディビジョン』シリーズ最新作で、『ディビジョン』と『ディビジョン2』とは異なる視点で物語が展開する。新たなスペシャリゼーションや新たな敵勢力など、さまざまな新コンテンツが用意されているとのことだ。

 

*パブリッシングプロダクションディレクターのシム・カンハン氏(左)と、ビジネスデベロップメント&パブリッシングディレクターのオザン・コチョール氏(右)。


今回、メディア向けの最新版体験会に参加し、体験版のプレイと合同インタビューを行った。インタビューで訊いたことを交えながら、本作のもつ魅力をお伝えしていく。

AAAタイトルを高水準でモバイル化。いつでもどこでもオープンワールドを楽しめる

『ディビジョン』シリーズは、レベルとスペシャリゼーション(クラスのようなもの)をはじめとしたRPG要素と、装備を集めて厳選するといったハック&スラッシュ要素をあわせもった作品だ。一般的にRPGというとファンタジー色の強い作品が多いなか、『ディビジョン』の舞台は現代となっており、各種銃器やガジェットの利用、カバーアクションと位置取りを重視した戦略性の強いシューティング要素が持ち味。美麗なグラフィックと膨大なコンテンツ量も特徴で、過去作は主にコンソール版とPC版で展開されてきた。


シリーズ最新作である『ディビジョン リサージェンス』は、シリーズで初めてモバイル端末向けに開発された作品ということで、まず気になるのはグラフィックと操作性だろう。結論からいうと、どちらも期待以上の仕上がりだった。グラフィックはPC版やコンソール版と比べても見劣りしない水準で、リアルグラフィック系のモバイルゲームの中でもピカイチ。操作についてもモバイル版にあわせてしっかりと最適化されており、過去作品の操作感をほとんどそのままにプレイすることができた。また、グラフィック、キー設定ともにカスタマイズが可能なので、所持しているデバイスや理想とする操作にあわせ、各自調整すればより盤石だ。

気になった点としては、場面によってフレームレートの低下が発生することがあった。端末のスペックにもよると思われるものの、モバイル版であることを考えれば仕方ないのかもしれない。また、コンテンツの多さゆえに画面上の情報量が多く、画面がやや手狭な印象を受けた。ボタンも多めで、視点を動かすつもりが銃を撃つなど誤操作してしまうことがあったものの、カスタマイズ可能なのもあって、こちらは慣れてしまえば気にならなくなる部分だろう。

開発陣いわく、モバイル版でこの水準のグラフィックを実現するのは相当困難な道のりだったようだ。「モバイル版を通じて、より多くの人に『ディビジョン』の体験を届けたかった」と語っており、開発陣の熱意が感じられる一幕だった。


モバイル版でも変わらない、遊び尽くせないほどのコンテンツ

『ディビジョン』シリーズ共通の、ストーリーミッション、サイドミッションをはじめとした遊び尽くせないほどのコンテンツの数々は、本作においても健在だ。PvEだけでなく、チーム対チームでおこなうPvP、ダークゾーンと呼ばれるPvPvEエリアもしっかり搭載されている。開発陣によると、モバイル版だからといってコンテンツの量や質に変化はなく、コンソール版やPC版と同等の体験ができるとのこと。もちろんマルチプレイが可能で、スペシャリゼーションによる役割分担が面白い。また、継続的なアップデートを予定しているようなので、やり込み派のプレイヤーも安心だろう。


そのほか本作の新要素として、MMO要素の追加にも注目したい。今までの『ディビジョン』シリーズはMORPGであり、基本的にはパーティを組んだプレイヤーだけがゲーム内に登場する仕様だった。『ディビジョン リサージェンス』では、パーティを組んでいないプレイヤーともオープンワールド上で遭遇するようになっており、敵がいればその場で共闘するといったことも可能。ほかプレイヤーの存在をより身近に感じられ、遊びの幅も大きく広がっているのだ。


基本プレイ無料かつペイ・トゥー・ウィンなし

開発者自らが『ディビジョン』シリーズ入門にぴったりだと語る『ディビジョン リサージェンス』。その理由は、あらゆる意味でのプレイのしやすさだ。まずひとつめに、モバイル版であることが挙げられる。要求スペックを満たす必要があるものの、PCやゲーム機を所持していなくても遊べるのは嬉しいところだ。ふたつめとして、基本プレイ無料であること。前2作はいずれもプレイするためにパッケージの購入が必要であったことを考えると、シリーズ初の基本プレイ無料化はプレイしやすくはある。開発陣によると、いわゆるペイ・トゥー・ウィン要素は排除されており、課金要素はスキンなどのコスメティック要素、シーズンパスといったものに限定されるとのことだ。


そのほか、実際にプレイしてみると、カバーアクションを活用する戦略的なシューティング要素と、モバイル端末でのプレイの相性の良さに気づくことがあった。モバイル端末でゲームをプレイしていると、細かい操作を難しく感じることはないだろうか。本作はサードパーソンシューティングをベースとしており、オートエイム機能を搭載しているものの、ある程度のエイム操作が必要とされるシーンは多い。その難易度を、本作の特徴でもあるカバーアクションが緩和してくれるのである。カバーアクションとは、ざっくりいうと障害物を利用して身を隠し、敵の攻撃を防ぐアクションだ。カバーアクション中は敵の攻撃を受けないため、落ち着いて状況を把握し、任意のタイミングで攻撃に転ずることができるようになっている。激しく移動しながら撃ち合うというよりは、位置取りやガジェットの使い方といった戦略性を重視しており、シューティングゲームとしては展開がゆっくりで遊びやすい。『ディビジョン』入門にはもちろんのこと、シューティングゲーム入門としてもおすすめできるのではないだろうか。


以上が先行体験会のプレビュー感想である。随所にユービーアイソフトの技術力の高さが感じられ、AAAタイトルの名に恥じぬ仕上がりを期待できそうだ。本作はモバイル版ということもあって、一部アクティビティの所要時間の見直しが図られているとのこと。大ボリュームのミッションを楽しめる一方で、10分程度でクリアできるサイドミッションも用意されている、といった具合だ。忙しいときでも移動の合間に少しだけプレイするといった、モバイル版ならではの楽しみ方もできるだろう。

一方で、推奨スペックがどうなるのかは気になるところ。グラフィックのクオリティの高さを考えると、相応のスペックを要求されるものと考えられる。続報を待ちたい。


『ディビジョン リサージェンス』はiOS/Android向けに2023年内に配信予定だ。なお、事前登録キャンペーンが行われており、登録者数に応じた報酬が用意されている。そのほか最新情報も入手できるので、興味のある方はチェックしてみてはいかがだろうか。

Sou Matsubara
Sou Matsubara

机上で対戦ゲームについてあれこれ考えている時が一番幸せです。
得意なジャンルは2D格闘ゲームです。

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