協力プレイ特化TPS『グリッチバスターズ』は、“テキトー合体撃ちまくり”で楽しい。カオスなネット世界シューターを実際に遊び、開発陣にもいろいろ訊いた

トイロジックとSkybound Gamesは5月23日、協力プレイシューター『グリッチバスターズ:スタックオンユー』を発売する。本作の一端を遊び感じた魅力を、開発陣に訊いたことを交えてお伝えする。

トイロジックとSkybound Gamesは5月23日、協力プレイシューター『グリッチバスターズ:スタックオンユー』(以下、グリッチバスターズ)を発売する。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS4/Nintendo Switch。

『グリッチバスターズ』は、協力プレイ型の三人称視点3Dアクションシューティングゲームだ。AIの住民たちが住むインターネット世界に、「トロール」とよばれる謎のウィルスが発生。ウィルスによって変異しつつある世界と住民たちを救うため、プレイヤーはレスキューチームの一員である「チューバー」として、4人で協力しながら戦いにのぞむ。最大4人までのオンラインマルチプレイに対応しているほか、人数が足りない場合はCPUを入れてプレイすることも可能だ。磁力を使ったユニークな協力プレイが特徴で、くっついたり、弾いたり、タックルしたりと、さまざまなアクションが楽しめる。

*なぜか足が伸びる。ギミック攻略に便利


本作の開発を手がけるのは、国内の開発会社トイロジック。直近では自社タイトルとして、オンラインマルチプレイヤーゲームである『Warlander』をリリース。また、ニンテンドー3DS版『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』や『NieR Replicant ver.1.22474487139…』の開発にも携わってきた。

今回、基本的なモードである「ストーリーモード」で、序盤ステージ「ソーシャルフォレスト」と、中盤ステージ「チューブシティ」におけるボス戦の協力プレイを体験できた。筆者の体験と開発者インタビューで訊いたことを交え、本作のもつ魅力をお伝えする。

*本作開発ディレクターの落合勇介氏(左)と、リードプロデューサーの西井良哉氏(右)。



勝手に役割分担が発生する、“テキトー”でいい協力プレイ

本作の最大の魅力は、「磁力」を使った多彩なアクションによる協力プレイだ。プレイヤーが操る「チューバー」は、逆さにしたU字型磁石のような足に絵文字のような頭がのっかるという、ちょっとシュールでかわいらしいルックスをしている。これは単なるデザインというだけでなく、実際に磁力を使うことで、プレイヤー同士はワンボタンで合体したり離れたりすることができるようになっている。

さらにこのアクションは、ほかのプレイヤーに向かって飛んでいくことも可能。仲間を見失ってしまってもワンボタンで合流できるので、「とりあえずワンボタン」でスムーズかつお手軽に協力プレイを楽しめる。各ステージには、プレイヤー同士のチームワークを試すかのごとく多数の仕掛けが用意されており、声を掛け合いながらの攻略を楽しむことができた。


また、謎のウィルス「トロール」たちとの戦闘においても協力プレイがとても重要だ。チューバー同士が合体すると、縦にくっついてタワーのような状態になる。この状態になると、一番下のプレイヤーが移動を担当することになり、ほかのプレイヤーは攻撃に専念できるのだ。協力プレイゲームでお馴染みの「ロール」のような概念はないが、チューバー同士の合体により役割分担を生み出す巧みなゲームデザインといえるだろう。

また、立ち回りに不慣れなプレイヤーでも熟練者の上に乗せてもらうことで活躍しやすくなるなど、間口を広げることにも繋がっている。ほかにも、合体状態では一部アクションの威力や範囲が向上するなど多くの特典がある。困ったら合体、くらいの感覚でもいいのかもしれない。こういった要素から、本作は誰でも自然と役割分担を楽しめる、やさしい協力プレイシューターに仕上がっている。




「移動担当」におんぶだっこで撃ちまくれる爽快感

開発陣に訊いたところによると、本作には約16種類の武器と、チューバーたちが搭乗可能なロボットが3種類登場するという。筆者がプレイした範囲でも、武器はライフル、マシンガン、ショットガン、シールド発生装置の4種類と、2足歩行型のロボットを1種類体験することができた。武器はそうしたスタンダードに弾丸を撃つものから、爆発を繰り返す弾を発射するような個性的なものまで用意されているようで、好みの武器をみつける楽しさがありそうだ。マガジンごとの弾数はあるものの、総弾数は無制限なので、弾切れの心配はない。

*マルチロックオンホーミングミサイルが撃ち放題


また、2足歩行型ロボットも、チューバーが搭乗すると合体可能。単体だとジャンプしての踏みつけ攻撃しかできないが、合体すると上になったロボットが誘導ミサイルを発射可能になるというユニークな仕掛けがある。こちらもやはり撃ち放題で、さらに複数の敵をロックオン可能。威力も高く爽快だった。移動を人任せにして撃ちまくる爽快感を手軽に味わえるのは、本作の醍醐味のひとつだろう。存分に撃ちまくって楽しんだら、ほかの人と交代してあげるのがスマートかもしれない。




「縛って自分いじめ」も可能なカスタムモードで、初心者からドMコアゲーマーまで楽しめる

やさしい協力プレイシューターである本作だが、コアゲーマーにも嬉しいやり込み要素が実装されている。それが「パトロールモード」と「シミュレータモード」だ。「パトロールモード」は、難易度とステージ構成およびステージ数を選択し、生成されるエリアをクリアしていくモード。ランダム要素が存在し、繰り返し遊ぶのにもってこいのモードだ。また「シミュレータモード」は、開発陣にくわしく訊いたところによると、生成されるパターンや出現する敵をある程度設定することができるモードで、本来そのステージには出現しない敵を出現するようにする、出現する武器を選択するなど、好みに合わせた設定が可能。いわゆるエディットモードほど細かくは設定できないが、手軽にカスタマイズを楽しめるようにと作られたモードであるとのことだった。


いずれも難易度を上げるとかなりの歯ごたえになるようなので、慣れたプレイヤーはこれらのモードに挑戦してみるのもいいだろう。「シミュレータモード」でとことん難しい縛りを設けて遊んでみるというのも面白そうだ。もちろん難易度は自由に設定できるので、初心者からコアゲーマーまで、幅広いプレイヤーが楽しめるのではないだろうか。


おなじみのサイトやインターネットミームをごちゃ混ぜにした、ハチャメチャでカオスな世界観

本作のもうひとつの大きな魅力は、インターネットをモチーフにした世界観だ。某SNSの鳥のようなシルエットの木が立ち並ぶ「ソーシャルフォレスト」、SNSでのやり取りが流れ落ちてくる「SNSの滝」、名前にチューブがつく某動画サイトを連想させる「チューブシティ」など、どこか見覚えのあるハチャメチャでカオスな空間が、2Dイラストをそのまま3Dで再現したかのようなユニークなビジュアルスタイルによって鮮やかに描かれている。


ほかにも、ロード画面の懐かしい顔文字、スコアがどうみても“いいね”、最高難易度の名前が「くぁwせdrftgyふじこlp」など、ネットユーザーに刺さる小ネタが散りばめられていたり、「とにかく再生数さえ稼げりゃいいんだろう」と皮肉たっぷりの言動で笑わせてくれるボス敵がいたりと、とにかくプレイヤーを楽しませようというのが伝わってきた。ゲームをプレイしていて思わずツッコミを入れたくなってしまったので、プレイヤー同士の会話のネタにも困らなさそうだ。

また本作は、4人で集まって合体しては離れてとガチャガチャする都合で、道中ハプニングがよく起こる。筆者はプレイ中、頭上のプレイヤーを操作ミスで奈落の底へと投げ落としてしまったことがあった。もちろんすぐに謝り、快く許しをいただいたものの、お互い笑いながらであったことを覚えている。大人同士だから、というのは置いておくとして、本作のハチャメチャでカオスな世界観と賑やかなゲームプレイのおかげで、ハプニングもゲーム体験の一部として受け入れやすいように感じた。こうした楽しいハプニングも、協力プレイを盛り上げるのに一役買ってくれそうだ。

*表彰式。「あきしょう(飽き賞)」なんていう賞もある


ほかにも、どこか見覚えのある顔や変顔、帽子やパンツ(?)まで用意されているチューバーの見た目のカスタマイズや、ステージクリア後の表彰式など、『グリッチバスターズ』には家族や友人と遊ぶ際に盛り上がりそうな要素がもりだくさんだ。また、パブリックマッチによる“野良プレイ”も可能。簡単なコミュニケーションも取れるので、野良パーティでのカオスな戦いに身を投じてみるのもいいだろう。協力プレイ用のゲームを探しているなら、チェックしてみてはいかがだろうか。

グリッチバスターズ:スタックオンユー』はPC(Steam)/PS4/Nintendo Switch向けに、5月23日発売予定だ。価格はPS4版/Nintendo Switch版が税込2640円、PC(Steam)版が税込2350円となっている。なお、PS4版/Nintendo Switch版は近日中にストアにて予約開始予定で、10%オフの割引価格での予約が可能とのことだ。

Sou Matsubara
Sou Matsubara

机上で対戦ゲームについてあれこれ考えている時が一番幸せです。
得意なジャンルは2D格闘ゲームです。

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