『グランブルーファンタジー リリンク』は、『グラブル』を見事にアクションRPGに落とし込む出来だった。質の高さを味わったグラブルフェス試遊プレイ感想

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Cygamesが今年発売を予定しているアクションRPG『グランブルーファンタジー リリンク(GRANBLUE FANTASY: Relink)』。先日開催された『グランブルーファンタジー』のオフラインイベント「グラブルフェス2022-2023」では、本作初となる試遊版が出展。多くの来場者が本作に触れることができた。

「グラブルフェス2022-2023」は、プレオープンとなる1月20日から22日までの3日間東京ビッグサイトにて開催。広い空間にさまざまな展示物、アトラクションが出展されていた。入り口にある巨大なゲートをくぐると、作中に登場する多種多様な武器たちが来場者を出迎えてくれる。精巧に再現された武器たちを堪能しながら奥へと進むと、会場の大きさに引けを取らないプロトバハムートとともに、さまざまなアトラクションが視界に飛び込んでくる。

東1ホールから東3ホールまで続く広大なスペースには、「ヴァンピィ&ヴァイトのブラッディキャッスル」や「十二神将 わくわく縁日」といったアトラクションのほかに、撮影コーナーや共闘コーナーといったエリアが配置されていた。各エリアを区切るようにして、セスラカやガレヲンといった巨大な展示物が配置され、その存在感を放っていた。特に「十二神将 わくわく縁日」のコーナーは多くの来場者でにぎわっており、人気を博していたように見えた。

東5ホールから6ホールには物販コーナーのほかに、リアルガチャコーナーやフードコーナーといったエリアが配置されている。比較的落ち着いた空間で、撮影コーナーなどを眺めながら一息つけるようになっていた。アトラクションや展示物をひと通り堪能したあとには、東7ホールに向かえばメインステージを観覧することができた。

さまざまなエリアを通じて、作品が歩んできた軌跡を辿りながら、『グラブル』の世界観に没入することができた「グラブルフェス2022-2023」。中でも注目が集まっていた場所のひとつこそ、『グランブルーファンタジー リリンク』の試遊コーナーだ。本記事では試遊版をプレイすることで見えてきた、本作の内容とその魅力について紹介していく。


『グランブルーファンタジー リリンク』は、Cygamesより配信中の『グランブルーファンタジー』を原作とした、3DアクションRPGだ。原作の世界観やキャラクターたちを、ノン・フォトリアルでありながら大気を感じられるような表現と、密度の高い3Dモデルによって再現。ゼーガ・グランデ空域の島々を巡る旅が、アクション要素強めのゲームプレイによって展開されていく。

本作には複数のゲームモードが用意されており、1人用のメインストーリーでは、主人公たちの旅の物語が展開される。クエストでは、最大4人でのマルチプレイも可能となっており、さまざまなステージにて敵と戦えるようだ。プレイアブルキャラクターは、男女の主人公を含めた14人以上が発表されている。

今回出展されていた試遊版でプレイアブルキャラクターとして選択できたのは、男主人公(グラン)、カタリナ、ラカム、イオ、シャルロッテ、ランスロット、ジークフリートの7名。これらのキャラクターからひとりを選び、討伐クエストに挑戦する内容となっている。クエスト内容そのものは非常にシンプルで、戦闘エリアに出現するエネミーと戦っていくだけだ。しかし限られた内容でありながら、本作に散りばめられた魅力に触れるには十分なものだった。


キャラクターを選択し、実際にフィールドに降り立つと、まず本作の美麗なグラフィックに驚かされることとなる。キャラクターの造形から衣装の質感までしっかりと描画されており、主人公の隣には常にビィが寄り添って追従してくれる。まるで原作の世界がそのまま動き出したかのような映像美に仕上がっている。アクション動作や攻撃のエフェクトもあいまって、ゲーム画面をどこで切り取っても一枚絵のような見映えとなっていた。原作の世界観が好きな人ならば、マップを歩き回るだけでも新たな発見や楽しさがあるだろう。

特に感動したのは、その映像美がキャラクターを操作して戦闘している間も崩れないという点だ。どのキャラクターをとっても、操作した際の動きや攻撃アクションにいたるまで、驚くほどなめらかに動いてくれる。斬撃や魔法によって発生する攻撃エフェクトも、画面全体を覆い尽くすほど豪華で、技を繰り出すたびに爽快感がある。そのまま3Dアニメーションとして、映像作品に落とし込めそうなクオリティに仕上がっていた。


アクションゲームとしては、シンプルながらも豊富なアクションを実現している。基本は通常攻撃と特殊攻撃を組み合わせて攻撃しつつ、ジャンプや回避といったアクションを適宜行い戦ってゆく。回避はコンボの途中でも繰り出すことが可能で、近接キャラクターは各種攻撃と回避を組み合わせるだけでも、迫力ある戦闘に仕上がってしまう。ロックオン機能もあるため、アクションゲームに欲しいと感じる機能はひと通り揃っており、操作面でストレスを感じるようなことは一切なかった。

ここで特筆しておきたいのは、プレイアブルキャラクターは同じアクション操作をしても、それぞれ異なる動きを見せてくれるという点だ。グランとカタリナを比較してみても、その剣技はまったく異なる動きを見せてくれる。シャルロッテやランスロットは手数で敵を圧倒し、ジークフリートは重たい一撃で敵を爽快に吹き飛ばしてくれる。イオやラカムはそれぞれ銃撃や魔法弾による遠距離攻撃になっていたりと、原作のキャラクター性をしっかりと反映している。戦う敵は同じでも、使用するキャラクターが変わることで異なるゲーム性を味わうことができた。

筆者はひと通りキャラクターに触れてみたが、特に楽しかったのはランスロットだ。他キャラクターよりも連撃に特化しており、深く考えずにボタンを連打しているだけでも次々と攻撃が繋がっていく。さらに特殊攻撃は左スティックと同時入力で前後左右へ素早く移動しながら斬撃を放つが、敵の攻撃に合わせてタイミングよく入力することで、一定時間無敵化しつつ攻撃を繋げることが可能。敵に張り付いたまま攻撃の手を緩めず、苛烈な攻めを継続することができた。また、ジークフリートは大剣による重い斬撃がメインだが、斬撃後さらに適切なタイミングを見極めて攻撃を追加入力してゆくことでコンボが強化されるという、高速連撃メインのランスロットとは対照的な性能、プレイ感を備えている癖のある性能になっているものの、高いポテンシャルを持っているように感じた。


戦闘では原作同様にキャラクター固有の強力なアクション「アビリティ」を最大で4つ、使用することができる。試遊版ではキャラクターごとに予め決められたアビリティがセットされていたが、本編ではプレイヤーが任意でアビリティを選択・装備させることができるようだ。近接キャラクターはそれぞれアビリティ性能こそ違うものの、接敵も兼ねた突進技、離れている敵や飛んでいる敵へ有効な遠距離技、回復や幻影といったリカバリー技といった具合に、状況に応じて使いやすいアビリティがバランスよく揃えられていた。

アビリティ自体も、グランならば突進技かつ防御力を下げる効果をもつ「アーマーブレイク」、広範囲を攻撃可能な「ディストリーム」、範囲内の仲間を回復する「ヒールオール」といった原作で見慣れたものが揃っている。キャラクターによっては原作のアビリティがそのまま実装されており、原作ユーザーならば技名を見ただけでどんな技なのか直感的に理解できるようになっている。そのほかにも、ポーションや蘇生薬といったアイテムを使用することも可能で、原作でできる行動は本作でも可能となっている。

また、原作は最大4人のキャラクターで戦闘をおこなうが、それは本作でも同様だ。戦闘では常に3人のキャラクターがプレイヤーを手助けしてくれる。イオやラカムといった遠距離攻撃主体のキャラクターは、一定の距離をとって戦うほうが強みを活かしやすい。前衛で敵を引き付けてくれる仲間の存在を頼もしく感じることができるだろう。また、本編では最大4人でのマルチプレイも可能。強力なボスにフレンドとの協力プレイで挑むなど、さらなる楽しみ方も期待できそうだ。


豊富な攻撃と仲間との連携によって、雑魚敵ならば一方的に蹴散らすことができるだろう。しかしボスとなれば話は別だ。試遊版では一定時間内に敵を全滅させると、隠しボスとしてグリフォンが登場した。羽ばたいて攻撃を回避したり、竜巻による広範囲攻撃を繰り出してくる難敵だ。近接キャラクターはフィールドを縦横無尽に飛び回るグリフォンに対して、工夫して攻撃をしなければならない。また、竜巻攻撃には予兆が発生し、タイミングを合わせて攻撃範囲から逃れる必要もある。

強敵との戦いを手助けしてくれる特徴的なシステムとして、仲間との「リンクアタック」もある。敵のスタンゲージを蓄積させると「リンクチャンス」が発生し、一定時間内に操作入力すると、敵に高速接近できる強力な攻撃を繰り出して仲間と集中攻撃が可能。またリンクアタックに参加した仲間同士で、特別な掛け合いも楽しむことができるのだ。そして各キャラクターの奥義ゲージが100%まで溜まると、原作同様に奥義を放てるようになる。当然ながら奥義チェインやチェインバーストといったシステムも存在。各キャラクターが順番に技名を叫び、派手なカットインとともに強烈な一撃を叩き込むことができる。仲間と協力して次々とテンポよく奥義をたたきこみ、とどめに全員で大技を放って強敵を撃破する展開は、大きな達成感がある。

 


アクションゲームが苦手な人向けに、アシスト機能も充実している。アシストモードは、ボタンを連打するだけで自動的に各種コンボを繰り出してくれる。さらにフルアシストモードというものも存在しており、こちらは移動操作するだけで、攻撃、回避などすべてのアクションを自動で的確におこなってくれるのだ。世界観やストーリーを楽しみたいユーザーでも、遊びやすい配慮がされている。

実際に試遊版を触れてみて、アクションゲームとしての爽快感や面白さを追求しつつも、原作をそのままアクションゲームに落とし込むことに成功していると感じた。『グランブルーファンタジー』の世界観をより楽しむためのRPGとしても、爽快なアクションで敵を倒すアクションゲームとしても、製品版に期待が持てる内容に仕上がっていた。プレイアブルキャラクターをはじめ、今後の新たな情報公開を心待ちにしたい。


『グランブルーファンタジー リリンク』は、PlayStation 4/PlayStation 5/PC(Steam)向けに2023年全世界同時発売予定だ。

© Cygames, Inc.

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