『バイオハザード RE:4』は、「知っているのに知らない」バイオ。遊びやすさ重視で現代に蘇るサバイバルホラー
カプコンは6月3日、『バイオハザード RE:4(以下、『RE:4』)』を発表した。対応プラットフォームはPS5/PS4/Xbox Series X|SおよびPC(Steam)。2023年3月24日のリリースを予定している。また、 本作のPlayStation VR2用コンテンツも開発中だ。
本作は『バイオハザード4(以下、『バイオ4』)』のリメイクである。2005年にゲームキューブ向けに発売されたのち、多くのプラットフォーム向けに移植された作品だ。 未曾有の生物災害”ラクーン事件”から6年。事件を生き延びたレオン・S・ケネディは、大統領令嬢の救出任務を帯び、ヨーロッパの寒村へと向かう。現代のプレイフィール、再構成されたストーリー、最新のグラフィックにより、最新のサバイバルホラーとして再誕するという。
今回はカプコンより、開発中の『RE:4』を体験できる先行プレイの機会をいただいた。プレイできたのは、ゲーム開始から村での襲撃を生き延びるまで。先行プレイを通して、確かにあのオリジナル版『バイオ4』が、現代のゲームとして帰ってくるという手応えが感じられた。新鮮さとなつかしさの両方が感じられ、リメイク作として期待できるという印象だ。過去の大ヒット作が新しく、どのように生まれ変わろうとしているのか。オリジナル版『バイオ4』と比較しながら、先行プレイの様子をお届けする。
プレイしてまず最初に驚いたのは、再構築されたグラフィックだ。草木はうっそうと生い茂り、霧の中から怪しげな民家が現れる。民家の中には不穏な装飾が大量にと並べられており……といった具合に、背景やオブジェクトといった物量が大きく増えている。オリジナル版のプレイヤーにはなじみ深いであろう村の景色が、さらなる説得力をもって表現されているのだ。それでいてなお、あの『バイオ4』の村だと確かに感じられる程度に違和感がない。オリジナル版における「不穏さ」の延長線上で、サバイバルホラーとしてのよりリッチな表現を目指しているといったところか。
敵との戦闘については、おおむねオリジナル版を踏襲している。『バイオ4』おなじみの、ひるませた敵を体術で追撃する「メレー」も可能だ。新たに追加された点として、敵に掴まれた時にコンバットナイフで反撃できるようになっている。敵に掴まれたときは従来通りボタン連打で振りほどくか、ワンボタンで反撃するかという2つの選択肢が提示されるかたちだ。ナイフには耐久度と思われるゲージが表示されており、使うごとにゲージが減るため使用回数に限度があるものと思われる。「反撃が可能」「耐久値あり」という仕様は、『バイオハザード RE:2』のコンバットナイフに近い。羽交い絞め状態では使えないなど条件はあるが、掴まれるたびにボタンを連打する煩わしさを回避できるため、この変更は好ましいと感じた。
そのほかシステム面では、グリッド状のアタッシェケース が続投。そして新たにクラフトメニューが追加された。弾薬の作成・ハーブの調合といったアイテムの組み合わせがひとつの画面からまとめて実行できるかたちだ。こちらもオリジナル版に比べて、所持している素材の数が一覧で表示されるなど遊びやすくするための工夫がなされている。またクラフトメニューではオリジナル版に登場しないアイテムや、「CASE & CHARM PERKS」の表記が確認できた。これらは先行プレイではどのようなものか確認できなかったが、本編ではどのようなかたちで登場するのだろうか。
もちろん、『バイオ4』らしさも健在だ。壊せる箱にはアイテムが入っていたり、村人たちが「空耳」セリフを発したりといった、オリジナル版のプレイヤーにはなじみ深い要素も登場する。カラスを倒すとアイテムをドロップするという、ちょっとした要素までオリジナル版から引き継がれている点には意外だった。全体を通して「知っているゲームなのに新鮮」という、独自の再現度は注目に値する。
グラフィック、システム、戦闘、いずれも『バイオ4』らしさを感じながら、同時に新鮮さも感じられた。18年前の作品へのリスペクトは十分に、遊びやすさや演出面において向上が図られているという印象だ。特にユーザーが「古臭い」と感じないようにする工夫がなされていたように思う。今回プレイできたのは序盤のほんの一部だが、本編も十分に期待できそうだと感じた。しかし、「オリジナル作品へのリスペクト」と「新鮮さ」を両立させることは簡単ではない。オリジナル版の登場人物やストーリーはどのように変化しているのか、またオリジナル版でふんだんに盛り込まれていた「QTE(クイックタイムイベント)」は登場するのかなど、気になるところが多く残されている状態だ。2023年のリリースを楽しみに待ちたい。