『Gungrave G.O.R.E』は爽快感の底値が保証されているガンアクションだった。敵を蹂躙することで回復する一騎当千シューティング

東京ゲームショウ2022にて、Plaionから発売される『Gungrave G.O.R.E』を試遊プレイしたので、その模様をレポートする。本作は派手でけれん味たっぷりのアクションや演出を特徴とするアクションゲームだ。

昨月9月15日~18日に開催された東京ゲームショウ。同イベントで、Plaionから発売される『Gungrave G.O.R.E』を試遊プレイしたので、その模様をレポートする。『Gungrave G.O.R.E』はIGGYMOBが手がける三人称視点のシューティングアクションゲーム。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S。11月22日発売予定だ。2004年に発売された『Gungrave O.D.』以来18年ぶりとなる、シリーズ最新作だ。2018年に発表され、一度は2020年発売と告知されたものの、2年延期されて今年発売となる。この2年間も開発は着々と進んでいたようだ。


本作は派手でけれん味たっぷりのアクションや演出を特徴とするアクションゲームだ。プレイヤーは主人公の殺し屋ビヨンド・ザ・グレイヴを操作し、まさに一騎当千のつわものとして多数の敵と渡り合うことになる。デモ版では最初のステージとおぼしき工場を舞台に、いきなり大量の敵を相手取った。本作では遠距離攻撃をメインに、ときに近接攻撃を交えながら戦うスタイルになる。そんな本作の魅力について、実際に遊んだ感想を交えながら紹介しよう。なお、今回の体験では、ストーリーについてすでに判明している以上のことはわからず、よって本稿もゲームプレイメインの内容となる。

シューティング初心者を温かく歓迎してくれる殺し屋

まず感じたポイントとしては、初心者に優しいということだ。実は筆者はシューティングゲーム初心者だった。ダークな世界観ゆえにシビアな戦いを求められるのではないかと危惧していたのだが、実際は違った。たとえば弾数は無制限で、リロードの必要もなし。グレイヴは二丁拳銃の使い手であり、1回撃てば4発発射される。また防御面においても、常時シールドが張られており、それが削られない限りHPにダメージを受けない。しかもダメージを受けていない間はシールドが回復するので、終始ちょっとした無敵モードなのだ。そのため、多少ミスしても死ぬことはなく、落ち着いて立ち回れるようになっている。

加えて本作はオートエイム機能が搭載されており、あまり意識せずともクロスヘア付近の敵に勝手に照準を合わせてくれるので、気軽に撃ちまくれるようになっていた。左上に向かうべき方向が表示されているのもうれしい。ただし敵も数が多くバンバン撃ち込んでくる。当然のことだが、こちらから積極的に動かない限り勝てない。敵は少しずつまとめて出てくる。戦闘エリア同士はつながっているが、今目の前にいる敵を全員倒すと次のステージへ向かえるようになる。ステージクリア型に近い。シールドを十分に回復させてから次のエリアへ行こう。

初心者にも優しいシステムだと書いたが、スタイリッシュに決めようとすると難易度が上がる部分もある。本作にはビートとアートスコアという二つの要素がある。ビートは連続ヒットコンボのようなもので、アートスコアは特定の技を発動することで得られる。どちらもクリア後の報酬に反映されるようだ。ビートやアートスコアなどを稼ごうとすると、スキルが求められる。なおビートがたまるとストームバラージという技が使えるようになる。これは、前後左右に、とにかく二丁拳銃を撃ちまくる技で、画面内の敵を一掃できる強力な技だ。ただしこれを使うためには50ビートが必要になってくるため、そう簡単に連発できるものではない。しかし、それでも爽快さは抜群なので、ぜひ狙ってみてほしい。


愉快、痛快、えげつない

攻撃が命中すると、デモリッションゲージが上がる。ゲージが上がりきるとデモリッションポイントが1たまり、さらに、5ポイントたまればデモリッションショットを発動できるようになる。デモリッションショットには4種類あり、それぞれダメージや範囲、モーションが異なる。本作に登場する中で最強のスキルであり、使用することでHPが回復する。通常のショット自体が自動的に照準の合うように放たれるので、ゲージをためるのには苦労しない。

そのほかにもいくつもの技がある。敵をデスフックで引き寄せ、首をつかんで盾代わりに掲げる「グラブ」や、ただでさえスタン状態の敵に超至近距離から弾を撃ち込んで処刑する「R.I.P」(レイジング・インモータル・パニッシャー)など、アンチヒーローらしい、実にえげつない技の数々が用意されている。ちなみにこの二つの技は、使用したときにシールドが回復する技でもある。敵を蹂躙しながらこちらは回復してゆけるのだから、これほど愉快なことはないだろう。


回避しながら撃つ「ドッジショット」も可能だが、回避する機会は少ないかもしれない。デモ版をプレイした範囲だと、本作の標榜する「スタイリッシュ」とは、華麗に敵の攻撃をかわすというものではなく、被弾を恐れず、にぎやかな技を繰り出すことのように思えた。ただし、ミサイルは回避した方がよい。ダメージがでかいからだ。ミサイルは飛行速度がややゆっくりで、グレイヴの背負っている棺桶(デスホーラー)を使うことで野球よろしく撃ち返すことが可能。この棺桶は近接攻撃において活躍する。敵に囲まれても棺桶で殴り掛かれば切り抜けられることが多い。これは「フューネラルストライク」という技で、盾をも破壊できる。

盾破壊といえば、筆者のお気に入りは「デススピア」だ。射撃ボタン長押しで発射できる大技なのだが、敵の盾を破壊しつつ一撃で仕留められる。チャージに時間がかかるものの、チャージ状態を保持したまま移動もできる。

体験版をプレイした範囲では、回復アイテムなどは存在しなかった。前述のとおり、特定の技を使うとシールドやHPが回復する仕組みだ。回復のことなんか気にせず、とにかく二丁拳銃と棺桶で敵をなぎ倒せ、攻撃こそ最大の防御だ、というメッセージを感じた。


優しいけど易しくない、死神の背中

三人称視点ゆえプレイしているときはずっと主人公ビヨンド・ザ・グレイヴの背中が見えていた。この後ろ姿がとてもかっこいい。アクションゲームの主人公とは思えないほど緩慢な動きだが、「死神」の異名にふさわしく、熾烈さを感じさせるたたずまい。圧倒的なパワーで、焦らず確実に敵を倒していく姿はとても痛快だ。

攻撃手段が多彩であり、いろんな立ち回りが可能になっていることが本作の特徴といえるだろう。そのおかげで、戦闘における自由度の高さを感じられた。戦略的な自由度というよりは、ビジュアル面での自由度だ。好きな技で勝負できるうれしさがあった。そしてその自由度により、爽快感の底値が保証されている。二丁拳銃をぶっ放すだけで、とりあえずさっぱりはできるのだ。ただし真のカタルシスを得ようとすると、やはりどうしても多彩な技を使いこなしたくなってしまう。間口は広く、窮めるのは難しい、そんな印象だった。

『Gungrave G.O.R.E』はPC(Steam)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに11月22日発売予定。

Daiki Imazato
Daiki Imazato

下手の横好きでシミュレーションゲームなどをしています。自分のミスでだんだん状況が悪くなっていく様を他人事のように眺めるのが好き

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