国産Co-opシューター『グリッチバスターズ:スタックオンユー』先行プレイレポ&開発者インタビュー。協力プレイの間口を広げる仕掛けとは

『グリッチバスターズ』を先行プレイし、開発者に話を聞いてきた。協力プレイの間口を広げる仕掛けとは?

トイロジックとSkybound Gamesは、協力プレイシューター『グリッチバスターズ:スタックオンユー』(以下、グリッチバスターズ)を発売する。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS4/Nintendo Switch。2022年冬にリリースされる予定だ。

『グリッチバスターズ』は、三人称視点の3Dアクションシューティングだ。舞台はインターネットの中の世界。住人であるAIの間で広まった謎のウイルスに対し、プレイヤーはレスキューチームの一員「チューバー」として立ち向かう。敵を倒し、困っている住民を助けて、ネットの世界を救うのがこのゲームの目的だ。立体的なステージには、謎のウイルスの影響でさまざまな姿かたちをした敵や障害物が配置されている。プレイヤーは自分の分身である「チューバー」を操作して、銃で敵や障害物を蹴散らし、時には協力してギミックを解除して道をつくり、ステージの奥を目指す。1~4人までのマルチプレイに対応しており、CPUと共にステージを攻略することも可能。敵の攻撃を受けてライフが0になっても、ほかのプレイヤーが助けることで復帰可能だ。仲間全員が力尽きる前にゴールに辿り着けばステージクリア。

本作の開発を手がけるのは、国内の開発会社トイロジック。自社タイトルとしては、過去にはマルチプレイアクション『Happy Wars』をリリースしていた。直近ではニンテンドー3DS版『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』や『NieR Replicant ver.1.22474487139…』の開発にも携わってきた。今回は、今年冬の発売に先がけ、『グリッチバスターズ』の協力プレイを体験させていただいた。最新のスクリーンショットを交え、体験プレイの様子と開発者へのメディア合同インタビューをお届けする。

今回プレイしたのは大都市の「チューバーシティ」。あちこちに動画型の広告が流れていたり、スマートフォンのアイコンが並んでいたりと、まさにインターネットといった感じのユニークなマップ。本作の特徴は、磁石を使った協力アクションだ。プレイヤーの体の一部はU字磁石になっており、ワンボタンで「ほかのプレイヤーがいる場所まで移動する」ことができる。おかげでほかのプレイヤーとはぐれたり進行方向を見失っても、仲間がいるところまで移動して簡単に仕切り直すことができる。プレイヤー間で足並みを揃えやすい仕組みだ。この仕組みを利用して、仲間との直線上にいる敵にタックル攻撃を仕掛けることもできる。

磁石を使ったアクションはほかにもある。プレイヤーはお互いにトーテムポールのように、縦に合体することが可能。高台のアイテムが拾いやすくなるほか、この状態では最下段のプレイヤーのみが移動を担当する。上のプレイヤーが敵を攻撃している間、最下段のプレイヤーは回避に専念できる。合体・解散は自由におこなえるため、切り替えもスムーズ。手分けしてステージを探索し、ひとりでは対処が難しい強敵には合体して集中攻撃するといった流れだ。なお、本作はオンラインのマルチプレイと、オフラインの画面分割でのマルチプレイにそれぞれ対応。ステージクリアにはプレイヤー同士の協力が鍵を握るため、ボイスチャットなどを通じて会話しながらプレイするとなお盛り上がりそうだと感じた。

ライフが尽きた時は、ほかのプレイヤーに助けてもらうことで復帰可能。リスタート地点がこまめに設定されていたり、進行方向に沿ってスコアアイテムが配置されていたりと、プレイ中につまづきやすい点へのサポートも手厚い。今回プレイした「チューバーシティ」のほかにも、SNSでのつぶやきがさざめく森林や、火山から「いいね!」が噴出する火山ステージなど、多彩なステージが用意されているとのことだ。

体験プレイを通して、本作は遊びやすさを意識して作られているという印象を受けた。世にCo-opシューターは数あるが、本作にはどのような工夫が込められているのか。本作の開発プロデューサーを務める西井良哉氏に話を伺った。

──まずは自己紹介をお願いします。

西井 良哉(以下、西井)氏:
『グリッチバスターズ』のプロデューサーを務めております、西井と申します。

──体験プレイでは、プレイヤー同士が楽しく協力してプレイするための工夫がいくつも感じられました。「協力プレイのアクションシューティングゲーム」はほかにもありますが、それらとの差別化も含めて『グリッチバスターズ』にはどういった工夫がありますか?

西井氏:
協力プレイのアクションゲームだと、「ここにいますよ」といった具合にお互いの位置を示すものが多いと思います。『グリッチバスターズ』ではそれに加えて、迷子になったプレイヤーがワンボタンでほかのプレイヤーのところに移動できるようにしています。逆に困っているプレイヤーのところに、仲間が駆けつけることもできるようになっています。

それと、一般的にアクション性のあるシューティングゲームは、移動しながら敵を撃つ必要がありますよね。それってなかなか高度な操作だと思うんです。そこはプレイヤー同士で縦に積み重なって行動することで工夫しました。重なっている間、一番下にいるプレイヤーは移動に専念しつつ、残りのプレイヤーはシューティングに集中できます。お父さんは下で移動するから、子供は上で攻撃してねというように、「移動しながら撃つ」という操作を分担できるようにしました。これによってプレイの間口を広くし、家族や友達と一緒にプレイできるようにしています。

──ポップでカラフルなビジュアルが目を引きます。このビジュアルはどのような経緯で産まれたものでしょうか。

西井氏:
アメリカのカートゥーン系のアニメから着想を得ています。2Dのイラストをそのまま3Dゲームの世界に持ち込んだような、擬似3Dとでも言うべきビジュアルにしたいというのがありました。それに合う方ということで、イラストレーターのしりもとさんに弊社から声をかけさせていただいて。しりもとさんには、本作のキャラクターデザインやコンセプトアートをお願いしました。全体としては絵文字やスマートフォンといった、インターネットの世界をモチーフにした世界観になっています。

プレイヤーの分身となる「チューバー」。このフェルト製フィギュアは開発スタッフの手作りとのこと。

──時期柄、COVID-19の感染拡大による開発への影響はありましたか。

西井氏:
そうですね、実はこのタイトルはもともと『ウィルスバスターズ』という名前で企画が進行していました。あくまでも「コンピューターウイルス」を倒すゲームとして付けた名前でしたが、感染症のイメージとつながってしまうので。そこでバグや不具合を意味する「グリッチ」に変更しました。

──タイトルを変更するのは大きな影響ですね。

西井氏:
タイトルで言えば、サブタイトルの「スタックオンユー(君に釘づけ)」も、パソコンの「スタック」とかけています。

──世界観を意識した言葉になっているんですね。最後に、今『グリッチバスターズ』に興味があるプレイヤーに向けて一言お願いします。

西井氏:
本作はプレイヤー同士で協力して遊べるというところに注力しています。オンラインはもちろん、画面分割で一緒にプレイもできますので、家族や友人とくつろいで遊んでいただきたいです。協力感を楽しんでいただければ幸いです。

──ありがとうございました。

『グリッチバスターズ:スタックオンユー』は、2022年冬発売予定。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS4/Nintendo Switch。

Aya Furukawa
Aya Furukawa

主にニュースを担当。ビジュアルや世界観にこだわりのあるゲームが好きです。

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