『Battlefield 2042』オープンベータテストの感想を一足先にお届け。『BF4』『BF1』『BF5』をブレンドしたシリーズ集大成

『Battlefield 2042』のプレビューイベントに参加する機会を頂いた。オープンベータテストをプレイした感想をメインに、筆者がイベントにて入手した情報を読者の皆さんへお届けしていく。

来月11月19日にリリース予定の『Battlefield 2042』。発売日が近くに迫るなか、このたび弊誌はElectronic Artsより、本作のプレビューイベントに参加する機会を頂いた。イベントの中では、本作のオープンベータテストの先行プレイや、Q&Aセッションなどが実施。本稿では、オープンベータテストをプレイした感想をメインに、筆者がイベントにて入手した情報を読者の皆さんへお届けしていく。なお、以下のインプレッションはオープンベータテスト段階のものであり、製品版では諸要素が調整・変更されている可能性がある点は留意して頂きたい。

今回の先行プレイでは、本作のメインコンテンツにあたる「All-out Warfare(全面戦争)」モードを体験。最大64対64人による、シリーズ最大規模のコンクエストをプレイすることができた。先行プレイにて採用されていたマップは、フランス領ギアナ・クールーのロケット発射場をモチーフとした「オービット」。操作するキャラクター(スペシャリスト)については、ローンチ時に用意される全10名のうち、4名の中から選択することができた。

ビジュアル

まず、ビジュアル面の印象について触れておきたい。結論から言うと、本作のビジュアルは非常にリアルかつ美麗だ。もとより『バトルフィールド』シリーズでは、Frostbiteエンジンを採用したダイナミックな破壊表現などを特徴としているが、本作ではマップ内の環境変化による描写がより細やかになっている。たとえば、嵐の到来によってゆっくりと揺れだす草木、雨で徐々に濡れていくアスファルトなど。グラフィックそのものの質が大幅に向上したというよりかは、過去作よりもディティールの凝った演出が増えたという印象を受けた。


一方、美麗なビジュアルを誇るゆえに、PCのスペックによってはグラフィック設定を調整する必要があるかもしれない。筆者のPC環境(GeForce GTX 1660Ti/AMD Ryzen 5 2600/メモリ16GB)では、グラフィック設定を高、視野角を最大値の100、フレームレートを144Hzに設定したところ、試合中に操作がカクつく場面が頻繁にあった(グラフィック設定を中にすると問題なく動作)。オープンベータテスト段階での検証ではあるが、やはり最高品質のグラフィックで楽しむには、ハイスペックなPCを用意する必要がありそうだ。なお、本作はNVIDIA DLSSとReflex、レイトレーシングにも対応する。

ップ「オービット」

『Battlefield 2042』では、最大128人での対戦が可能になったことに伴い、マップ面積もシリーズ最大規模となっている。そのスケール感は、今回の先行プレイにて体験したマップ「オービット」でも味わうことができた。同マップは6つのクラスター(A~F拠点まで)で構成されており、そのうちのCとD拠点はC1/C2といった具合に、2つのセクターで分割されている。こうした拠点は、2つのセクターを制圧することではじめて拠点を奪うことが可能。ミサイル発射場含む建物の多くはマップ上部に並んでおり、一方の下部は平原や山岳地帯がメインとなっている。また、時間経過で嵐やロケットの発射(破壊可能)も訪れる。


そんな「オービット」での先行プレイにて、筆者は広大なマップ面積とその複雑さに驚愕した。筆者の肌感ではあるが、1拠点あたりの面積がシリーズ過去作のマップにおける拠点2つ分ほど。また、建造物の中には、何階層にも分かれた高低差の激しいもの(A地点のレーダーステーションなど)も多く存在していた。今回体験できたマップは「オービット」のみであるが、本作の戦場体験がシリーズ最大規模であることを示すようなマップであった。

スペシャリスト

次に、『Battlefield 2042』にてプレイヤーが操作するスペシャリストについて。スペシャリストとは、いわゆる兵科ごとに分けられたキャラクターのことを指し、それぞれが固有の専門技能と特性を携えている。プレイヤーはロードアウト画面にて1名のスペシャリストを選択(リスポーン時に変更可能)し、戦場に参加する。今回の先行プレイでは、ローンチ時に用意される全10名のうち、4名を操作することができた。各スペシャリストの詳細は以下のとおり。

・ウェブスター・マケイ
―専門技能:グラップリングフック
―特性:エイム中のアジリティ上昇

・マリア・ファルック
―専門技能:S21シレットピストル(蘇生ピストル)
―特性:ダウンした味方を体力フルで蘇生

・ボリス
―専門技能:SG-36セントリーガン
―特性:セントリーガンがロックオンした敵をスポット

・キャスパー
―専門技能:OV-P偵察ドローン
―特性:敵の接近を知らせるモーションセンサーを所持


今回の先行プレイでは、筆者はウェブスター・マケイを中心に選択し、数試合対戦をおこなった。同スペシャリストのグラップリングフックはかなり汎用性が高く、ほかのスペシャリストでは登れない場所を陣取ったり、地面にフックをかけることで平地を素早く移動したりと、とにかく単体でも活躍しやすいキャラクターという印象だ。一方、ほか3名のスペシャリストについては、どちらかというと味方の支援に寄った専門技能・特性であるため、分隊行動を意識した立ち回りをしなかった場合、能力を十分に発揮できない場面が多く見られた。

コールインシステム&プラスシステム


『Battlefield 2042』では、新要素としてコールインシステムとプラスシステムが用意されている。前者は、試合中にタブレット端末を取り出すことで、兵員輸送車や戦闘ビークルなどを要請できるといったもの。後者は、戦闘中か否かにかかわらず、マップ上で即座に銃のアタッチメントを組み換えられるシステムとなっている。今回の先行プレイでは、これらの新要素を試すこともできた。

まず、コールインシステムについては、『BF5』に搭載されていた増援要請システムと似ている。ただし、分隊長のみが実行できた増援要請とは異なり、コールインシステムは全プレイヤーが使用可能。手順としては、まずタブレットを取り出し、要請内容を選択。先行プレイでは、戦車「M1A5」や偵察ビークル「LATV4 Recon」などを選ぶことができた。そして、最後にドロップポイントを指定すると、数秒後に要請した兵器・ビークルが空から到着する。


コールインシステムについて個人的に特筆したいのは、要請内容の中に含まれる4足歩行のロボット犬についてだ。ゲーム内の名称で「RANGER」と呼ばれるロボット犬は、背中に搭載したガトリング砲でプレイヤーを火力支援する優秀な兵器。なのだが、それ以上に可愛い。いかにも兵器といった見た目とは裏腹に、プレイヤーの傍を決して離れない様子や、戦場を駆け回る仕草を見ていると、いつの間にか愛着が湧いてくる。単純にロボットとしてのモーションもよく出来ており、この愛くるしさは皆さんにも実際に体験して頂きたい。


プラスシステムについては、今回の先行プレイにて装備できたアサルトライフル「M5A3」を対象に試すことができた。試合中に該当のボタンを押すことで、カスタマイズ画面がオーバーレイ表示され、銃のサイト、バレル、ストック、マガジンの4つのパーツをいつでもどこでも変更可能。たとえば、屋内戦では近距離のサイト、屋外に出る際には倍率の高いサイトに切り替えるなど、状況に応じたカスタマイズも即座に可能で、プラスシステムは便利なだけでなく、試合中の戦術面にも有効活用できそうだと筆者は感じた。

まとめ&気になった点

以上がプレビューイベントにて筆者が体験した『Battlefield 2042』オープンベータテスト先行プレイのインプレッションとなる。全体的な印象として、本作はシリーズ過去作の要素をブレンドした作品だと感じた。近未来戦というテーマや戦場の空気感、UIのデザインは『BF4』を彷彿とさせ、拠点確保中の味方・敵の人数表示システムなどは『BF1』から受け継ぎつつ、兵士・乗り物の操作感は『BF5』のように滑らかだ。くわえて本作では、味方であれば誰でも蘇生可能であったり、ロードアウトが全兵科で統一されたりと、過去作より簡略化が図られている面もある。シリーズ未経験者であっても、大規模戦争を存分に楽しめるだろう。

一方、先行プレイ中に少し気になった点も存在する。ひとつは敵をキルした際の音だ。『BF1』など、シリーズ過去作の中にはキル音がはっきりと聞こえる作品もあったが、オープンベータテストの段階ではまったく音が聞こえなかった。音は爽快感や敵をキルしたか否かの分かりやすさに直結すると思われるため、ぜひ製品版では実装してほしいところ。もうひとつは、試合中に全体マップを開くことができなかった点。特に本作のマップは広大かつ複雑な箇所が多いため、歩くだけではマップの把握がかなり辛い。製品版ではマップを開けることを望みたい。


最後に、今回のプレビューイベントでは、『Battlefield 2042』についての開発者とのQ&Aセッションもおこなわれた。その内容の中からいくつかピックアップしたものを以下に掲載しておく。まだ詳細が未公開のモードや、ローンチ後の予定、各種オプションの有無などにも触れられているため、本作の購入を検討されている方はぜひ読んでおこう。

――ローンチ後の予定について、DLCやシーズンパス、エキスパンションパスといった拡張コンテンツは開発しているのか

開発者:
はい、拡張コンテンツについての詳細な情報は今後公開していく予定です。また『Battlefield 2042』発売後、1年目のシーズンの中でもさまざまな情報を発信していき、ゲーム内でアップデートなどがあった際は逐一プレイヤーの皆さんにお伝えしていきます。

――『Battlefield 2042』のローンチ時点で「ハザードゾーン」(まだ詳細が未公開のモード)は遊べるのか

開発者:
はい、もちろん「ハザードゾーン」はローンチ時点で遊べます。ただ、こちらの詳細については今後続々と公開していく予定です。気になる方も多いかもしれませんが、もう少しお待ちください。

――身体・視覚障がいをもつプレイヤーに向けたアクセシビリティの設定項目はあるのか

開発者:
まず、『Battlefield 2042』のオープンベータテストバージョンでは、色覚障がい者向けのオプションを搭載しています。また製品版では、さらに多くのアクセシビリティ設定を追加する予定です。

――マップ内に訪れる竜巻や嵐などの天候の変化は、ランダムに発生するのか。また、プレイヤーは発生の有無を設定できるのか

開発者:
天候の変化は完全にランダムとなっており、何かしらの条件を機に発生するものではありません。天候変化のオン/オフについては、オプションで切り替え可能です

――ロードアウトについて、プラスシステムの存在により、試合開始時にスコープやアタッチメントをカスタムする必要はなくなるのか

開発者:
製品版ではゲームを進めることでアンロックされるものを含め、多数のアタッチメントが用意されています。デフォルトのロードアウトもありますが、試合開始前には好きなアタッチメントを組み合わせ、プラスシステムのロードアウトをカスタムすることもできます。


『Battlefield 2042』は、11月19日にリリース予定。なお、本作のオープンベータテストについては、本日10月6日から9日にかけて実施中だ(関連記事)。こちらの詳細については、弊誌の関連記事を参照して頂きたい。

Nobuya Sato
Nobuya Sato

最近Apexにハマり始めた人。幾度となく倒されながら高ランク帯を目指す。でも疲れる時もあるよね。その時はソロ専用ゲームをちょっとプレイして寝ます。

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