『ウォッチドッグス レギオン』オンラインモード先行プレイレポート。歯ごたえあるCo-opやスパイダーボット対戦の内容を紹介

『ウォッチドッグス レギオン』オンラインモード先行プレイレポート。歯ごたえあるCo-opやスパイダーボット対戦の内容を紹介。『ウォッチドッグス レギオン』オンラインモードは3月10日配信予定だ(ただしPC版は延期)。

【UPDATE 2021/03/06 13:10】
PC版の『ウォッチドッグス レギオン』について、オンラインモードの実装が延期となる旨、発表された。さらに一部のコンテンツ実装にも遅れが生じる。これらを踏まえ、記事加筆。

【原文 2021/02/23 2:10】
『ウォッチドッグス レギオン』
では、無料アップデートとして3月10日にオンラインモードが実装される予定となっている(UPDATE: PC版での実装は延期)。シングルプレイキャンペーンとは別のセーブデータにて、まっさらな状態から新たなデッドセック班を築き上げていく新モード。今度は他のプレイヤーと一緒に、近未来ロンドンの街を救うのだ。

同作は全住民操作可能という、遊び心をくすぐる設定が売りのシリーズ最新作。ただ、キャンペーンクリア後のやりこみ要素は少なめ。ゆえにリプレイ性の高いオンラインモードの実装を待ち望んでいる方もいることだろう。では、具体的にどのようなコンテンツが待っているのか。本稿では、メディア・インフルエンサー向け先行プレイ会での、数時間のプレイ(PC版)をもとにオンラインモードのコンテンツ内容を紹介する。


権力に刃向かうデッドセックが、権力側にまわってしまう

キャンペーンモードにおけるレジスタンス組織デッドセックは、圧制と戦いロンドンを取り戻すべく活動。腐敗した権力構造に楯突くために成長を遂げていった。しかしながら、責任ある立場であり続けるため、デッドセックはいつしか権力構造の一部になってしまう。そこでAIのバグリーは、デッドセックを小さな独立した組織へと分散。オンラインモードにて各プレイヤーは、無数に立ち上げられたデッドセック班のひとつを管理・操作していく。権力に歯向かうレジスタンス組織が、いつの間にか権力側にまわり分散を余儀なくされるという、なんとも皮肉な設定だ。

工作員の採用方法が違う


キャンペーンモードとの大きな違いは、デッドセック工作員の採用方法と、テクノロジー(ガジェットやハッキングスキル)の解除方法。いずれも「影響力」というポイントを消費することで、採用・解除していく。高スペックな住民やテクノロジーほど、必要な影響力も多くなる。そして影響力は、オンラインアクティビティ・デイリー/ウィークリーチャレンジ・収集アイテムを通じて経験値を稼ぎ、「ランク」を上げることで入手できる。

ランクとは、いわゆるバトルパス形式の報酬システムのこと。経験値を貯めてランクを上げるごとに、新たな報酬がアンロックされる。同作はシーズン制を採用しており、先行プレイした段階では50ランク分の報酬が用意されていた。武器スキンや車両ペイント、衣装セットといった装飾アイテム。ゲーム内通貨(ETO)、有償ゲーム内通貨(WDクレジット)、そして影響力が報酬に含まれる。影響力は無尽蔵に手に入るわけではないので、ご利用は計画的に。

デイリー/ウィークリーチャレンジの達成報酬として、少量の影響力を得られる場合もある


オンラインモードの大まかな流れをまとめると、Co-opやPvPアクティビティを遊んで経験値を貯め、ランク報酬として影響力を入手し、それを使って工作員の採用やテクノロジーの解除・強化を進める。そうしてデッドセックを強くしていくと、高難度コンテンツ(後述するタクティカルOP)の攻略成功率が高まっていく。

ソロ用コンテンツもあり


続いて具体的なコンテンツ内容を紹介していく。まず、オンラインモードだからといって、すべてのコンテンツが他プレイヤーとの協力や対戦前提というわけではない。初心者がゲームに慣れるための練習、および最低限の工作員を揃えるまでの慣らし運転に適した「ソロ任務」が用意されている。内容は、拘束された市民を助けたり、VIPターゲットを無力化したり、敵の物資を破壊したりといったシンプルなもの。所要時間は短く、キャンペーンモードに近い感覚で遊べる。現時点では9種類のソロ任務が実装済みだ。

スパイなどいくつかの特殊職住民は、シングルプレイキャンペーンと同じスポーン位置で目撃できた。採用候補探しにおいては、シングルプレイ時の記憶がある程度役に立つだろう


そのほか、フリーロームとしてロンドンの街を自由に探索し、採用候補者探し、ダーツやリフティングのミニゲーム、外見アイテムの購入、フォト撮影、ホットスポット探しなどをおこなえる。ホットスポットは、キャンペーンモードでいうテックポイントのありか。影響力や経験値などが手に入る。また、ロンドンでは定期的に「都市イベント」というワールドイベントが発生。イベント発生箇所に集まったメンバーで戦闘に挑む。先行プレイ時には、アルビオンのスワームドローンと戦う都市イベントが用意されていた。

誰か一人が死亡したら、ミッションやり直し

*協力ミッションは、オンラインモード配信開始時点で5つ実装済み


協力ミッションは大きく2種類存在する。2〜4人で挑む通常の協力ミッションと、3〜4人で挑む高難度のタクティカルOPだ。いずれもランダムマッチメイクに対応。なおオンラインモードのセッションは、パブリックとプライベートから選択できる。フレンドとだけマッチングしたい場合は、後者を選んで遊ぼう。

通常の協力ミッションでは、敵地に潜入後、目的物の破壊やハッキング、サーバーへのアクセス(地点防衛)、強力な敵の排除、人員救出、車両奪取といったミッション目標を複数個こなしていく。「目標物AとBにほぼ同時タイミングで触れる」といった、仲間との連携が必要となるミッション目標も。そのほか2台の車両を、距離が離れすぎないように運転するといった、協力プレイならではの挑戦が待っている。


難易度としてはソロ任務より高く、後述するタクティカルOPよりは低め。先行プレイした印象としては、ランダムマッチメイクでも問題なく連携してクリアできる範囲。ストイックなつくりのタクティカルOPよりも、いろんな職種の工作員、いろんなアプローチを試す余地があると感じた。

なお、仲間の誰か一人が死亡するとミッション失敗となり、最初からやり直し。そのため、絶対に死なないという強い自信がないかぎり、単独行動を避けたほうがよいだろう。ダウンしても仲間による蘇生が間に合うような距離感を維持したいところだ。ダウンした仲間を助けないとクリアできないため、「ダウンしたのに誰も助けにきてくれない」というオンラインCo-opでありがちな現象が起きにくい仕様とも言える。

高難度のタクティカルOP


*タクティカルOPの実装は、3月23日に延期となった。

タクティカルOPは、オンラインモードの最難関コンテンツ。敵の数および戦闘回数が多く、準備不足のまま挑むとあっけなくゲームオーバーになる。また「数キロ離れた地点を同時に攻める」といった、二手にわかれて行動するミッション目標もあるため、マイクの使用など、ある程度のコミュニケーションが推奨される。

現時点で挑めるタクティカルOPは、「リーダー・オブ・ザ・パック」。キラードローンを使っているアルビオンを食い止めるという、5ステージ構成のミッションだ。通常の協力ミッションと同様、誰か一人が死亡すると、挑んでいたステージの最初からやり直し。難易度の高さも合わさり、一番緊張感のあるコンテンツと言えるだろう。

敵の大群と対峙する場面が多いため、通常の協力ミッション以上に戦闘職の必要性が高い。ミッション最序盤の潜入パートはステルス系の工作員でも対処できるが、地点防衛戦など、大量の敵を裁く場面が必ず出てくる。二手に分かれるミッションでは、各個人の責任も大きい。アルビオン、クラン・ケリー、そのほか強力な銃火器を扱える住民など、火力を出せる高スペックの戦闘系工作員を揃えて挑むことを想定したコンテンツだと考えられる。


いち早くタクティカルOPに挑みたい方は、戦闘要員の優先的な採用や、激しい戦闘を想定したテクノロジーの解除・強化順の計画を立てておくとよいだろう。一部の高スペック住民は、タクティカルOPをクリアしないと採用できないため(筆者プレイ時は、プロの殺し屋が該当)、そうした特殊職の工作員がほしい場合は、タクティカルOPの攻略を目標に定める必要がある。よりハードなチャレンジを望んでいる方であれば、フレンドと一緒に低〜中スペックの工作員でいきなり挑んでみるのも、歯ごたえがあっておもしろいだろう。

先行プレイにて、タクティカルOPをクリアしないと採用できなかった住民の例


スパイダーボット対戦


PvPコンテンツとしては、スパイダーボットアリーナが収録されている。武装したスパイダーボットを操作し、アリーナ型の小規模マップで他プレイヤーと対戦するモードだ。オンラインモード配信開始時点では、2〜4人のデスマッチ(フリー・フォー・オール)のみ遊べるようになっている。1ラウンド6分で、マップは2種類。スパイダーボットの二段ジャンプを活かせる段差の多い立体的なマップと、障害物が少なくオープンな場での撃ち合いになりやすいマップの2つだ。

初期装備の銃は弾数無限だが威力は低い。マップの各所に武器および回復アイテムのスポーンポイントが設置されているので、それらをうまく確保しながら立ち回るのだ。武器の種類は、スマートサブマシンガン(オートエイム武器)、1撃で大ダメージを与えるパルスレーザー、近距離で威力を発揮するスカッターガン、追尾ミサイルなど多彩。オートエイム・追尾系・爆破系といった、エイム力がさほどなくても戦える武器が多い印象だ。ピョンピョンと動きまわる小さなスパイダーボット同士の戦いゆえ、プレイヤーに精密射撃を求めると決着がつきにくいという理由もあるだろう。


ただ、どの武器も弾数は少なく、すぐにまたアイテムボックスを回収し、新しい武器を手に入れなければならない。一度強武器をゲットしたプレイヤーが、そのままずっと優位に立ち続けるわけではないのだ。アイテムボックスの中身はランダムゆえに、運要素も絡んでくる。カジュアルに楽しめる対戦コンテンツという印象を受けた。なお、死なずに敵を倒し続けると連続キルアビリティを発動できる。各アイテムボックスの中身を表示したり、武器やジャンプをスーパーチャージしたり、防御力を高めたりといったものだ。


「オンライン侵入は?」などの質問に答える開発者インタビュー


以上が、オンラインモード配信開始時点で実装されるコンテンツの紹介である。また先行プレイ会に参加して生じた「オンライン侵入はないのか」「PvPはスパイダーボット戦だけなのか」「影響力は有償販売されるのか」といった疑問点について、本作のライブプロデューサーであるLathieeshe Thillainathan氏にお答えいただいた。以下ではその内容を紹介する:

──昨年10月に公開された「発売後のコンテンツ&シーズンパストレーラー」(YouTube動画リンクでは、オンライン侵入(Invasion)の復活も予告されていました。ただ、ハンズオン会では遊ぶことができず。オンラインモード配信開始時点ではなく、将来的なコンテンツアップデートとして実装されるのでしょうか。

オンライン侵入は、今後のコンテンツアップデート計画に含まれています。ハンズオン会で触れていただいたのは、あくまでもオンラインモードの配信開始時点で遊べるコンテンツであり、オンライン侵入に関しては今後のアップデートで追加していきます。今作の特徴である「誰にでもなれる」要素によって、オンライン侵入という馴染みあるゲームモードに、新たな一面が加わりますので、期待していてください。

──オンライン侵入だけでなく、オンライン尾行やオンラインレースといった、過去作で見られたオンラインコンテンツの実装予定もありますか。

近いうちにイヤー1のロードマップを公開し、配信予定のゲームモードを発表します。それからプレイヤーの皆様に向けて、追加されるコンテンツに関する、もう少し詳細な情報をお届けする予定です。


──今後追加されるPvPコンテンツも、スパイダーボット関連のものになるのでしょうか。それとも人間同士(あるいはドローン同士)の戦闘系PvPコンテンツも予定されているのでしょうか。

スパイダーボットアリーナは、開発チームが好きな90年代型のゲームに我々独自のアレンジを加えたものであり、クラシックかつハイスピードなコンテンツを目指しました。そうしたコンテクストがある中、アナウンサー役としてバグリーを活用しています。多くの人々に楽しんでもらえて、嬉しい限りです。

今後のコンテンツアップデート計画の一部として、スタンダードなPvPモードの追加も予定しています。ただ、プレイヤーがどのコンテンツを楽しんでいるのか。どのコンテンツのさらなる充実化を望んでいるのか。そうしたコミュニティの声を聞きながら開発を進めているという点は、強調しておきたいです。

そのため、今後のコンテンツアップデート計画に関しては、いくらか軌道修正の余地を残しています。もしスパイダーボットアリーナがプレイヤーに愛され、より多くのマップやカスタマイズ機能の追加が望まれるようであれば、そうした要望を真摯に受け止めた上で、コンテンツ開発をおこなっていきます。

──ハンズオン会ではタクティカルOPの最序盤しか触れることができなかったのですが、戦闘重視のコンテンツという印象を受けました。ステルス重視のパートも存在するのでしょうか。また、ステルス重視のタクティカルOPを追加する予定はありますか。戦闘要員以外の工作員も必要になってくるのか、気になりました。

現在のタクティカルOPにも、ステルスが求められるパートはありますよ。ステルス行動を取らなければ、攻略がかなり困難になる場面が2箇所。今後追加するタクティカルOPにもステルス要素は含まれ、新しいステルスメカニックや、より多くのステルス系ゲームプレイが加わっていきます。


──マネタイズプランとして、影響力の直販売、ランクの即時アンロック販売は予定していますか。

影響力は、ゲームプレイを通じてのみ獲得できます。

『ウォッチドッグス レギオン』には、ETOという無償ゲーム内通貨と、WDクレジットという有償ゲーム内通貨があります。ETOはゲーム内のロンドン中にあるお店での衣料品購入のほか、武器スキンと車両ペイントのアンロックに使用します。ETOはゲームをプレイ(メインミッション、サイドミッション、収集品の回収、各種アクティビティ)することで得られるほか、WDクレジットで購入できます。WDクレジットはゲーム内ストアにて、リアルマネーで購入する通貨です。WDクレジットの用途は、ゲーム内ストアでのプレステージ工作員、工作員用のスキンアイテム、武器スキン、車両ペイント、時短アイテムの購入に限られます。

──エイデン・ピアースやレンチなどのDLCキャラは、オンラインモードでも使用できますか。

もちろんです。「誰にでもなれる」という本作の中核要素は、オンラインモードでも損なわれておりません。「誰にでもなれる」という取り組みの一環として、今後追加するキャラクターは、シングルプレイキャンペーンとオンラインモードの両方で使用できるようにします。そのためDLCキャラクターであるエイデン、レンチ、ミナ、ダルシーは、みんなオンラインモードでも使用できます。

──ご回答ありがとうございました。

『ウォッチドッグス レギオン』のオンラインモードは、3月10日配信予定。シーズン制を採用しており、配信開始後もミッションやコンテンツは増えていく見込みだ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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