PC/Nintendo Switch『フライングパワーディスク 2』は何が新しいのか。BitSummit出展バージョンにて新システムをチェック

インディーゲームの祭典「BitSummit 7 Spirits」。DotEmuはスポンサーとして本イベントに参加し、未発売の新作4タイトルをプレイアブル出展した。本稿では、その内のひとつ『フライングパワーディスク 2(Windjammers 2)』についてお届けする。

6月1日・2日に京都市勧業館みやこめっせにて開催されたインディーゲームの祭典「BitSummit 7 Spirits」。フランスのパブリッシャー/デベロッパーDotEmuはスポンサーとして本イベントに参加し、未発売の新作4タイトルをプレイアブル出展した。本稿では、その内のひとつ『フライングパワーディスク 2(Windjammers 2)』についてお届けする。

『フライングパワーディスク 2』は、データイーストがNEOGEO向けに1994年にリリースした対戦スポーツゲーム『フライングパワーディスク』の正式な続編だ。DotEmuは、権利元からラインセンスを受け前作をNintendo Switch/PS4/Vita向けに移植した実績を持っており、今度はシリーズとしての新作を開発する。

BitSummitにてプレイできたのは、前作にも登場したH.MitaとK.Wessel、そして新キャラクターのGraceとMaxの4体。これまでに公開されているキャラクターたちだ。Graceは、H.Mitaに近い移動スピードの速い軽量タイプで、必殺シュートは溜めてから一直線にズドンと撃ち込む。Maxは、K.Wesselのように動きは重いがショットにパワーがあるタイプで、必殺シュートは大きく弧を描くトリッキーなスタイルだった。なお、キャラクター選択画面にはあと6名分のスロットが用意されていたが、DotEmuの担当者からは総勢12人を予定しているとのコメントがあった。

本作は、ドット絵のグラフィックだった前作から手描きイラスト風に大きく刷新し、もちろんワイド画面に対応。高解像度になり、鮮やかな配色も目を引く。コートは、もっともオーソドックスなタイプといえる、前作のLAWN(芝生)を再現したコートがプレイ可能だった。ただ、コートサイズは4:3画面向けの前作と変わらず、左右のゴール裏にはスペースが余っている。

本作の発表時に公開されたスクリーンショットでは、ワイド画面いっぱいに広がる別のコートが確認できた(以下の画像)。担当者に伺ったところ、これは前作のバランスに戻したというわけではなく、共にバリエーションとして考えているとのことだった。より広いコートでは、自ずと戦略も変わってくることが予想され、どのようなゲームプレイになるのか興味深い。

基本的なルールやゲームシステムは前作と同じ。グラフィックスタイルが大きく変わり、ショットのエフェクトもより派手になったが、キャラクターの操作やフライングディスクの軌道は前作の感触にかなり近いと言え、ファンの方ならすんなり馴染めるだろう。一方で、本作には新システムも導入されている。

まず、ロブショットのボタンには新たに「ジャンプ」も割り当てられた。ジャンプは、相手のショットをレシーブしてフライングディスクを上空へ跳ね上げた際に使うためのもので、フライングディスクを空中で掴み、そこからショットすることができる(ショットせずに着地しても良い)。高速ロブのようにフライングディスクを縦に投げる形となるが、スピードは高速ロブほど速くはなく、相手コートの手前に落とすことも可能だ。地面にバウンドしてからキャッチしても試合が続行する点は高速ロブと同じと言える。

本作では、3つ目の操作ボタンとして「EX Move」が追加された。これは、より強力な必殺シュートを投げるためのボタンで、発動するとキャラクターのカットインが入る。EX Move専用のゲージが画面上にあり(今回出展されたバージョンでは未実装)、ラリーを続けこれが溜まるとキャラクターが白く発光してEX Moveが使用可能になる。ゲージは、ワンパターンでないゲームプレイをすることでより速く溜まるとのこと。レシーブという事前動作無しに投げられるため、開幕直後でも発動することができ、また初心者でもお手軽に出せる技とも言える。

ディフェンス中にショットボタンをホールドすると手刀を構え、相手のショットをキャッチせずに弾き返すことができる「スラップショット」も新たに導入された要素。事前入力が必要なため、目まぐるしく展開する試合の中で上手く使いこなすには練習が必要になりそうだが、最速で投げ返すことができる技だ。

本作は、25年の時を経て見た目こそ刷新されたものの、前作のゲームプレイを踏襲しており、ここはファンとしては安心できる部分だろう。現代的なグラフィックは、前作を知らない世代にアピールする材料にもなりそうだ。そして、ダイナミックなアクションを伴う新システムにて、ショットのバリエーションがかなり幅広くなった。試合の中で積極的に利用していくべき技かどうかはまだ何とも言えないが、バリエーションの拡充はEX Moveのゲージを溜める要素とも関わるのだろう。もっともまだ開発途中のため、仕様は今後調整が加えられていく可能性はある。

『フライングパワーディスク 2』は、PC/Nintendo Switch向けに2019年内に発売予定。なお本作のBGMは、前作を担当したゲーマデリックのATOMIC花田(濱田誠一)氏が、引き続き全面的に手がけるとのことだ。また、架け橋ゲームズが国内リリースをサポートする。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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