『DEEMO』や“謎の新作”の情報が飛び出した「RayarkCon Preparty」レポート。台湾のリズムゲーム開発が日本で初イベントを実施

Rayarkは本日10月29日、東京港区虎ノ門にて「RayarkCon 2017 Preparty in Tokyo」を開催した。台湾を拠点とするRayarkは、『Cytus』『Deemo』『Voez』といったリズムゲームで知られるデベロッパーだ。近年同社は「RayarkCon」と呼ばれる自社イベントを実施しており、今回のプレパーティーはその前座として、そして日本で初のRayarkイベントとして実施された。

Rayarkは本日10月29日、東京港区虎ノ門にて「RayarkCon 2017 Preparty in Tokyo」を開催した。台湾を拠点とするRayarkは、『Cytus』『Deemo』『Voez』といったリズムゲームで知られるデベロッパーだ。近年同社は「RayarkCon」と呼ばれる自社イベントを実施しており、今回のプレパーティーはその前座として、そして日本で初のRayarkイベントとして実施された。台風22号が近づくなか、新たな情報が続々と飛び出した同イベントからの最新情報をお伝えしたい。

 

『DEEMO -Reborn-』の根幹はリズムゲーム

RayarkのCEOミンヤン(Ming-Yang)氏

まず今回のイベントで1つの目玉となったのが、先日発表された『DEEMO -Reborn- (仮)』だろう。新たにソニー・ミュージックエンタテインメントが発足したレーベル“UNITES(アンティーズ)”が同作のパブリッシングを担当。完全新作として3D化されており、さらにPlayStation VRにも対応している。これまでゲームのジャンルやプレイ要素については詳細は語られなかった謎の新作だが、今回のイベントやRayarkのCEOミンヤン(Ming-Yang)氏への取材では、いくつかその概要が明らかになってきた。

そもそも本作の開発の背景には、黒い姿の「ディーモ」と空から降ってきた少女「アリス」が住んでいるお城のなかに入ってみたいという、ミンヤン氏たちの思いがあったという。また、従来のRayarkの絵本のような世界から3Dのリアルなビジュアルの世界へと移行することで、ファンにいい意味で衝撃を与えられるのではないかと考えたそうだ。

肝心の具体的なゲーム内容については、イベントでは実際のプレイ映像は公開されなかったものの、「お城の中の探索」「謎解き」の要素がそれぞれ存在することが明らかにされた。ただし、ミンヤン氏に聞くと「根本的にはリズム(音楽)ゲーム」であるそうで、『DEEMO』のピアノ的なコアなゲーム部分は、VR向けに調整はするものの、同じものになるという。またミンヤン氏は、本作はVR専用ではなく“対応”の作品であり、通常のディスプレイでのプレイが可能であることも強調した。

 

“謎の新作”初のゲームプレイ映像が解禁

また大きなサプライズとなったのが、名前は伏せられたものの“SFイメージの強いリズムゲーム”が「#C2」のハッシュタグとともに紹介された。トレイラーには『Cytus』の名前が登場したため、2015年に発表された『Cytus II』であることは会場のほとんどの人がわかっていたと思うのだが、ファンも司会も「わかってはいるけど名前は出さない」という暗黙の了解を守りつつ謎の新作の紹介が進められた。なお、同作には「いーあるふぁんくらぶ」などで知られる「みきとP」が楽曲提供をしており、ご本人もイベントに登壇した。

こちらは初公開になるという開発版のプレイ映像が「みきとP」の新曲とともに解禁。残念ながら撮影は禁止されたものの、前作よりもはるかにパワーアップしたビジュアルがまず印象的だった。たとえば曲選択画面では個別に曲ごとに独自のアニメーションやイメージがわざわざ用意されており、ライブ会場のような場所でサイリウムが小気味よく左右に振られる動く画が印象的だった。また実際のリズムゲームパートでは、Rayarkの過去作とくらべても飛び抜けて綺麗なエフェクトやノーツの動きが確認できる。本作では曲を選ぶ前にキャラクターを選ぶ(キャラクターごとに曲が分けられている)システムが採用されており、複数の登場人物による物語展開が期待できそうだった。

このほかミンヤン氏によれば、本作ではバリエーションを豊かにするため、Rayarkの過去作には登場していない新たな特殊ノーツが複数存在しているという。今回の実機プレイでは2種類の特殊ノーツが登場、「左右どちらかにスワイプすると成功判定となる四角形のノーツ」と、「ホールドしつづけるノーツ」が確認できた(ホールド操作のノーツは過去作にもあるが、新しいノーツは時間指定となっているようで、判定の線であるアクティブスキャンラインが数度上下するあいだも押し続けるような操作が要求されていた)。

 

Switchへも展開中、リズムゲームだけじゃない

このほかにもイベントでは、Nintendo Switch版が配信された『VOEZ』『DEEMO』などもふたたび紹介。スマートフォンやPS Vitaなどの携帯機向けにリズムゲームをリリースしてきたRayarkだが、近年はPlayStation VRなどさまざまなプラットフォーム展開を続けている。また、本日はリズムゲームのみでなくスペシャルゲスト「THE SxPLAY」さんによるテーマ曲などのスペシャルライブとともにRPG『Sdorica -sunset-』も紹介され、スマホゲーム向けリズムゲームだけではないRayarkの新たな展開を感じさせるイベント模様となっていた。ミンヤン氏によれば、同社では作りたいものを作ることができる環境が維持されており、今後もさまざまなジャンルの作品が登場することに期待できそうだ

なお12月9日には台湾にて「Rayark カーニバル RayarkCon 2017」が開催予定。こちらは現地に来られないファンのため、インターネットを通じての生中継も実施されるという。本日挙げた『Deemo -Reborn-(仮)』や“謎の新作”などの最新情報も解禁されるため、気になるファンは必ずチェックしよう。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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